元空手部さんの映画レビュー・感想・評価

元空手部

元空手部

星4以上は個人的なオススメです
レビューや採点に統一性はない

映画(922)
ドラマ(11)

絞死刑(1968年製作の映画)

4.0

環境音すら入らないモノラルのアフレコ録音が、登場人物とセリフとを乖離させ、オフスクリーンなどの劇的な関係から解放された、対等な会話がなされているのが良い
日の丸の下、川を漂う朝鮮人二人のショットは、所
>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険(2017年製作の映画)

3.8

真夏の東京から、南極の氷山へと変わる場面転換が鮮やか
一週間の時間の流れの中に10万年間の円環的なお話が混ざってる脚本も重層的で、ドラえもんらしい箱庭的な世界観があって良かった

斬、(2018年製作の映画)

3.7

刀というか、人殺しである侍の身分に呪われてしまった人々のお話
存在感のある刀の音響はテーマと繋がっていて良かった、普遍的な青空の風景ショットを入れるのも、時代劇の枠を超えて現代とリンクさせる効果があっ
>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.0

冒頭のオマハビーチ、キューブリックの「突撃」みたいなロングショットのトラッキングに鳥瞰的なユーモアがあり、戦場の過酷さや現実との乖離に繋がっていて良かった
臓器が飛び散ったり、レンズに水滴や血がついて
>>続きを読む

地蔵とリビドー(2018年製作の映画)

3.6

地蔵三連カットには攻撃的なパワフルさがあって良かった
障害には触れずに、その人の芸術活動や作品を追う姿勢は良かったけど、躁鬱の人が出た途端芸術を人生と関連づけ始めて、作風が途中からブレてしまうのはマイ
>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

3.8

ただし、要再見
タイヤの動きと運転手の表情がリンクするカッティングのダイナミズム、自然さのカケラもない悪魔的な流木の登場の仕方、ゲリラに殺されてしまうあっけなさは良かった
ただ、陰謀論的なお話に繋げる
>>続きを読む

ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ(2015年製作の映画)

4.0

俯瞰ショットが映画の初めと終わりにしかなくて、鉄道高架より下にあるジャクソンハイツのお話になっているのが箱庭的で良かった
時系列や物語性を排除してるおかげで、様々な人が共生している町というテーマが色濃
>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.7

映画見るとき脚本の矛盾点叩くのって好きじゃないんだが、今回はあまりに穴が多すぎる
また、終始整音が一定してなかったため、どれほどの音を立てたら危険なのか、基準がはっきりしていなくて、映画内でのリアリテ
>>続きを読む

親密さ(2012年製作の映画)

3.7

モニターをなぞるカメラワークや、インタビューの切り返し、ガラス越しのディゾルブなどのショットサイズや、整音を駆使して、現実生活と演劇、朝鮮半島情勢が混在してる多メディア、重層的な世界観を映像、脚本どち>>続きを読む

映画 聲の形(2016年製作の映画)

3.8

かなり残酷なエピソードも多い中、青空や花などの綺麗な風景の換喩が希望として入り、それがラストの寛解にもつかながっていくのが良かった
担任が黒板叩く場面など、サイレント映画みたいに音とカットが一致してい
>>続きを読む

愛と法(2017年製作の映画)

4.0

様々なマイノリティの悲喜交々について追いかけたドキュメンタリー
画面にかかるソフトフォーカスが被写体との距離をぐっと縮めていて良い
弁護士が平然と街中でマンコ連呼したり、批判意見をゲイ差別で封じ込めよ
>>続きを読む

リトアニアへの旅の追憶(1972年製作の映画)

5.0

全編通して主観なのに、たまに画面に入り込んでしまうメカスの姿が可愛らしい
まばたきみたいな記録から、記憶を探る過程はとても叙情的で、過去に対する哀愁や優しさ、未来への希望が感じられる中、打って変わって
>>続きを読む

プレンダス‐ンガンガス‐エンキソス‐マシーンズ(2014年製作の映画)

4.0

撮影者の足音まで入ってくるのが、ダイレクトシネマ的で、ありのままを力強く映していて良かった

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

3.8

ただし、要再見
人物の乱れ髪一本一本ですら丁寧に映す映像には繊細さがあり、これが肌の質感だけで臨終を表現したりしていて良かった、オフスクリーンで空間的広がりを描写するのもヨーロッパ映画らしい格調高さが
>>続きを読む

波長(1967年製作の映画)

4.0

音響、色調がめまぐるしく変われば、カメラがブレたりディゾルブ入ってジャンプショットしたり、更にはズームの速度ですら一定でない
ボヤけていくラストといい、何一つとして規則的でない動作を通して、カメラ及
>>続きを読む

シェープ・シフティング(2015年製作の映画)

4.1

カメラが、脅かされる存在に代わって、代弁する形を取っていた 例えばカブトムシの幼虫に土かけるとことか
このため、同日上映の土、習慣、植物よりも違和感なく観れた
農家のおっちゃんが必ずしも悪として描写さ
>>続きを読む

土、習慣、植物(2017年製作の映画)

4.0

ドアップで映し出される自然には、同日開催のトークショーでも言っていた抵抗する力強さを感じるが、ソフトフォーカスなどの人為的な介入の跡が見られ、傲慢さに通ずる気がして、そこが残念
もっと唯物論的に撮って
>>続きを読む

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画の善玉役なのに特攻作戦を一切躊躇しない仲代、ユーモアさえある疎開船沈められる場面、のっけからの狂った感覚でとことん進んでいく
あの、民族舞踊踊る婆さんとM4戦車という、沖縄戦が無ければ出会うこ
>>続きを読む

悪人(2010年製作の映画)

3.6

獣みたいにガンガン突いてくセックスの場面は音の撮り方も力強くて良かった、メール見るとき携帯画面がスクロールするんじゃなくて、カメラが下がっていくのも即物的で良い
色調落とした露悪趣味のお話ってのは典型
>>続きを読む

2001年宇宙の旅 新世紀特別版(1968年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

70mmで見ると始めの猿の場面からして書き割りだし、宇宙に出てからもカメラが円形の動きをしないせいで平板的な構図やセットの閉塞感が目立つんだが、友でも敵でもあるHALとの叙情的で悲しい死闘を繰り広げた>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

ショットに従属し続ける音響に最初はうるささを感じたが、段々と主人公の女の子視点で進められていく等身大のストーリー展開と合致していって良かった
テーマ曲流す場面も物語上の大きな転調を描写していて好み

湖の人びと(2018年製作の映画)

4.0

ラストの叙情的でかつ、批評眼を持つドライさが混在しているパンが良い

わが母の記(2011年製作の映画)

3.8

伊豆の森、東京の家の庭に生えてる木々、ゴルフ場の植樹、同じ植物なのに緑の色合いが全く違って、デジタルならではの鋭く豊かな色彩、映像と編集にダイナミックさがあってそれも良い

監督失格(2011年製作の映画)

3.7

トリアーみたいに被写体とカメラの距離が近すぎるし、そこに自己言及的なテロップが入るから、赤裸々で暴露主義的な性格がさらに強くなってる この自己陶酔は合わなかった
あの死の映像も残酷すぎる
ただ、死を乗
>>続きを読む

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.4

トイレで尻拭くオープニングからは考えられないくらいに大仰で陰謀論的な謎めいたお話を、これまた大げさな照明や、一発でセットと分かるNYの街並み、トムクルーズの作り物の笑顔等々嘘くさいもので固めて演出した>>続きを読む

ジャン・ブリカールの道程(2008年製作の映画)

5.0

ボートのモーターの音と心情(ナレーション)がリンクする冒頭が良い
鳥のさえずりと波の音や車の音と風だったり、多数の音が対立しつつも混在する重層的な映像の中、さらにナレーションが重なって過去の記憶がセン
>>続きを読む

ドラえもん のび太と鉄人兵団(1986年製作の映画)

3.7

地球存亡の危機であっても、みんなで夜にバーベキューしたりして、やはり子供の冒険でもある、このジュブナイル感は不安定ながらみずみずしさがあって良い

ドラえもん のび太と雲の王国(1992年製作の映画)

3.8

雲の王国側の傲慢さが描かれていたり、結構シビアな交渉もあったりして大長編ドラえもんでは一番好き、高圧的なパワーゲームはいつか破綻するということも示しているのが良い

TOMORROW 明日(1988年製作の映画)

4.0

過ぎるくらいに美化、秩序化された8月8日〜8月9日の長崎から、現代の長崎の遠景→原爆のライブフィルムと、矛盾した映像が繰り出されていく落差は相当にドライでグロテスク

THE DEPTHS(2010年製作の映画)

3.8

メロドラマらしい過剰な演出が多かったが、どうもそれが合わなかった
ガラスやマジックミラーなどのスクリーンを意識したメタ演出は良かった

PASSION(2008年製作の映画)

4.3

荒い音の取り方が、良い年した大人が感情むき出しになるお話と合っていて良かった
柔らかい光の下長回しで段々と音と人物のショットサイズが合っていく埠頭の場面、本音ゲームの視線とその先が分かる遠近法もかなり
>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.2

恋愛にスリルと安泰を求める矛盾した女のお話
地震然り、スマホ然り、オフスクリーンで爆音轟かせることが多いけど、これが物語の動転やスリルを強く描写していて良い

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

4.0

彼女宅での混沌としつつも調和がとれた環境音や、あえてハサミで布を断つ音を省いてうめき声とノイズを際立たせた腹切り裂く場面など、とにかく音の絞り方、組み立て方、配置の仕方が良い、重層的な悪夢の世界観を作>>続きを読む

エレファント・マン(1980年製作の映画)

3.7

冒頭の象のイメージといい、徹底して古い怪奇映画の技法、展開で撮られている、その分リンチらしい重層性は少ないんだが
ジョンの姿を見たアンソニーホプキンスが涙を流すカットが良い、共苦を端的に、力強く表現し
>>続きを読む

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ただし、要再見
自然かつ客観的に見せかける固定カメラがあざとい、ホラー映画みたいな押し付けがましさがある
建前を取っ払って祖父と孫がふっきれるラストはパワフルでかつ明るさを持っていて良かった、スマホの
>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

音の撮り方が分かり易すぎる気はしたが、スクエアを意識した空間の切り取りが良かった
セックスの描写だったり悪意しかないYouTubeの動画だったり、露悪趣味に徹しすぎなところはあるんだが、ラストの良心を
>>続きを読む

>|