灰原から解毒薬をもらったコナンは一時的に工藤新一の姿に戻り、蘭、園子、世良たちと京都へ修学旅行にやってくる。新一は清水寺で出会った母、有希子の友人である女優の鞍知景子から暗号を解読してほしいと依頼される。週末に封切られる映画「紅の修羅天狗」の関係者である景子、俳優の井隼森也、映画監督の馬山峰人、作曲家の阿賀田力、脚本家の西木太郎は大学の同級生だった。新一は西木のもとに届いた暗号を預かって景子たちと別れるが、その直後に西木が殺害される事件が発生。現場には天狗に襲われたような形跡が残っていた。この後も阿賀田が巨大な天狗に襲われかける事件が発生。さらに井隼が殺害される事件が起きる。井隼の現場にも天狗のような足跡が残っていた。
ネットで募集した天狗の面をつけた人たちに騒ぎを起こさせ、その隙に井隼を殺害した犯人。平次は料亭の客間で待つようにと景子、阿賀田、馬山、井隼に釘を刺したが、馬山は井隼、阿賀田と一緒にトイレに行ったと説明。井隼は部屋に1人でいる景子が心配だと言って途中で戻ったという。阿賀田は井隼が戻る前にスマホのメールを見ていたような気がすると新一たちに教える。景子は1人で部屋にいるのが怖くなり、後からトイレに立ったため、井隼とは会ってないと明かす。世良は3人の誰でも井隼をメールで呼び出して殺害する事は可能だったと考える。
犬矢来の足跡はかなり前に絵具で描かれたもので、蘭、園子、紅葉は遺体を見つける前、料亭に来た時にはこの跡はなかったと綾小路に教える。新一は犬矢来のヘリに点々とついた何かの跡に目を留める。西木の時と同じように井隼の懐にはヤツデの葉と共に新たな暗号が入っていた。この3枚目の暗号の頭にも出栗のマークが書かれていて、世良は4つの■を大きな四角で囲むと「出」の文字が浮かび上がる事に気付く。紅葉は暗号に書かれた文字を見て、京都の地名みたいだと新一たちに伝える。上京区の庇野の「庇」、下京区木賊山町の「木」、左京区化野の「化」など、暗号には京都の地名に当てはまる文字が使われていた。続けて、紅葉は京都には上京区、中京区、下京区、左京区、右京区があると教える。紅葉からヒントをもらった新一、平次、世良は暗号の解読方法に近づく。
この後、新一、平次、世良、綾小路は料亭で出栗の話を景子たちから聞く。出栗は景子たちと同じ祇園芸術大学の同級生。皆の学科はバラバラだが、特撮研究会で知り合ったのだ。出栗だけは漫画研究会と掛け持ちだったという。大学祭では皆で撮影した映画を毎年上映していたらしく、馬山が得意だったのは特撮で、景子と井隼は特殊メイクに精通。阿賀田は映像に音楽をつけ、脚本は西木、衣装や化け物のデザインは出栗が担当していたという。新一は今回上映される「紅の修羅天狗」のもとになった卒業制作のスタッフに出栗の名前がない理由を景子たちに訊ねる。卒業制作の脚本に悩んでいた時、出栗が同人誌で描いた漫画「紅の修羅天狗」を発見。景子たちはこの漫画を卒業制作の映画にしたいと頼むが、出栗はプロの漫画家になった時、きちんと発表するから使わないで欲しいと断ったという。だが、景子たちは完成した作品を見れば納得してくれると思い、勝手に「紅の修羅天狗」を撮ってしまったのだ。
だが、完成した卒業制作を見た出栗はこんなのは僕の作品じゃないと激怒し、僕の名前は出さないでくれとスタッフロールに名前を入れる事を拒否。その後、卒業制作は評判になり、出栗以外の5人が脚光を浴びる形になってしまったという。話を聞いた平次は5人が出栗から恨まれても仕方ないと感じる。
馬山は今回の映画化が決まると、製作発表した日に出栗から連絡があった事を明かす。漫画家を諦め、小さなデザイン会社に勤めていた出栗はあの話をリメイクするなら、スタッフロールの片隅に僕の名前を入れて欲しいと頼んできたという。出栗は自分の漫画が映画化されるのが夢だったのだ。馬山は出栗の希望通り、スタッフロールに名前を入れようとしたが、手違いがあって初号試写のスタッフロールには出栗の名前が入っていなかった事を明かす。出栗はその初号試写を見て、失意の果てに清水寺から飛び降りて自害してしまったのだ。その頃、蘭、園子、紅葉は料亭の外で話が終わるのを待っていた。そこに蘭が会いたがっていた沖田総司が偶然通りかかる。沖田はたくさんの天狗が現れたと聞いて、剣道部の部員たちを連れて退治しに来たのだ。園子は沖田が新一にソックリな事に驚く。蘭は沖田を離れた場所に連れて行って封筒を手渡す。園子は親密そうな蘭と沖田の関係を怪しんでスマホで撮影する。
新一は父の優作と一緒にアメリカのロサンゼルスにいる有希子に電話して景子の事を聞く。新一は有希子が景子の事を京子と呼んでいる事が引っかかる。景子の本名は京子らしく、有希子は大学の卒業制作の時にいろいろあって「京」の上に「日」をつけて芸名を景子にしたと教える。景子のように卒業制作の時だけ、馬山は峰人の「峰」を「峯」に、西木は「太郎」を「太郎坊」と名前を変えたという。景子は大学時代に好きだった人を今も想い続けて結婚していないらしく、その想い続けている人は出栗だった。有希子に一方的に電話を切られた後、新一のスマホに園子からメールが届く。「妻の浮気現場だよん」という文章に添えて送られてきたのは親密そうな蘭と沖田の写真だった。
この後、西木が喫煙部屋を予約しようとしたら最初は満室だと断られたのに電話中にキャンセルが出て部屋が取れたという情報が入り、新一、平次、世良、綾小路は祇園ホテルへ確認に行く。フロントマンはこの話が事実だと認める。喫煙家の阿賀田は西木のすぐ後にまたキャンセルが出て予約できたと証言。その時、西木たちはマンションに集まって一緒に予約したという。世良は阿賀田の部屋に出現した巨大な天狗の事を綾小路に確認。綾小路はコゲた天井にノリみたいな物が付いていたと明かす。阿賀田が天狗に向かって投げた灰皿の煙草が落ちてカーペットに3センチくらいの焦げた跡が残っていたという。話を聞いた新一は何かが引っかかるが、写真の蘭と沖田の姿がチラついて推理に集中できない。
その時、新一の体に異変が起きる。薬の効果が切れて幼児化する時間が近づいているのだ。新一は苦しみながらも犯人がわかった事を平次と世良に伝える。だが、捕まえるためにはまだ証拠が薄く、新一は綾小路に協力を求める。翌日、綾小路は自分の部屋から出ないように景子、阿賀田、馬山に釘を刺す。犯行予告と思われる暗号が井隼の遺体からも発見されたため、犯人が新たに誰かを狙う可能性は高いのだ。景子たちは綾小路と別れ、それぞれ自分の部屋に戻るが、この後、犯人が動き出して…。
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