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高校生探偵・工藤新一は、警察もお手上げの難事件を次々と解決するほどの頭脳の持ち主。ある日、幼なじみの毛利蘭と遊園地に遊びに行った時、黒ずくめの男達による怪しげな取引を目撃する。しかし、その仲間に見つかり謎の毒薬を飲まされると、薬の作用でなんと小学1年生になってしまう。困り果てた新一は、隣に住む発明家・阿笠博士の助けを得て、黒ずくめの男達の行方を追うため「江戸川コナン」と名乗り自らの正体を隠す。そして、探偵事務所を営む毛利蘭の家に潜り込むことにした。はたして、新一の体は元に戻るのか?!黒ずくめの男達の正体は!!数々の謎に満ちた怪事件をめぐり、小さな名探偵コナンの活躍が始まった!!
灰原から解毒薬をもらったコナンは一時的に工藤新一の姿に戻り、蘭、園子、世良たちと京都へ修学旅行にやってくる。新一がロンドンで蘭に告白した事もあり、2人をつっくけようと張り切る園子。新一が告白した事はクラスメイトにも知れ渡っていた。園子は告白の返事をしろと蘭をせっつく。この後、新一は清水寺で母、有希子の友人の女優、鞍知景子と出会う。景子は大学時代の同級生たちと友人のお墓参りに来たという。景子は同級生のもとに届いた暗号を解読してほしいと新一に依頼。新一は午後9時に同じホテルに宿泊している景子に部屋に行く事を約束する。 午後9時、新一は蘭、園子、世良を連れて景子が宿泊する1506号室の前にやってくる。その時、歌手の倉木麻衣とマネージャーが部屋から出てくる。倉木たちは中で映画ポスターの打ち合わせをしていた様子だった。この後、新一たちは1506号室に入室。景子は撮影中にタンコブができたらしく、それを隠すために帽子を被っていた。1506号室に集まっていたのは週末に封切られる映画「紅の修羅天狗」の関係者たち。俳優の井隼森也、映画監督の馬山峰人、作曲家の阿賀田力は景子の大学の同級生だった。暗号は脚本家の西木太郎のもとに届いたらしく、新一、景子たちは西木が宿泊する1502号室を訪ねる事に。 新一は西木から暗号が入った封筒を見せてもらう。封筒には干乾びたヤツデの葉も同封されていたという。新一は暗号の頭に書かれた黒い4つの四角のマークについて質問。これは暗号を考えた出栗未智男がいつも使っていたマークだったらしく、出栗は先月、清水の舞台から飛び降りて自害したという。新一は暗号を受け取った後、ラウンジで食事をするという景子たちと別れる。だが、間もなく、新一のスマホに西木の部屋に来てと景子からメールが届く。1502号室ではイスに足をひっかけ、逆さの体勢になった西木が胸から血を流して絶命していて、額には2つのタンコブができていた。 ラウンジに行く前に準備のためにそれぞれの部屋に戻った景子たち。10分後に1502号室に集まる事になっていたが、いくらドアベルを鳴らしても返事がなく、景子たちはボーイにドアを開けてもらって遺体を発見したのだ。現場は養源院の血天井のように天井が血で染まっていた。天井についた血の足跡は窓まで続いていて、それは15階から空を飛び、神通力がある化け物の仕業に見立てた犯行だった。景子たちは天狗に襲われたと恐れ戦く。天狗は今回の映画の題材になっていて、西木の懐には天狗がよく持っているヤツデの葉と新たな暗号が入っていた。 暗号は殺害予告の可能性があり、床にはツルツルした表面の付箋を貼り付けた脚本の原稿が散乱。新一は映画に不満を持った人物の犯行と睨む。その時、新一の体に異変が起き、汗が拭き出し、呼吸が荒くなる。薬の効果が切れそうになっているのだ。新一はコナンの体に戻る前に理由をつけて自分の部屋に帰る。ベッドの毛布に包まって幼児化した新一はベッドに下に隠れていた服部平次に声をかける。クラスメイトと相部屋のため、布団のふくらみでバレないように平次に入れ替わってもらうのだ。一度、幼児化したら8時間は間を空けて薬を飲む事が灰原との約束だった。その頃、1502号室では到着した京都府警捜査一課の綾小路文麿警部が現場検証をしていた。 翌朝、幼児化していた新一は薬を飲んで元の姿に戻る。その時、新一のスマホに景子からメールが届く。1504号室で阿賀田が大変な事になっているという。新一が平次を起こして1504号室に急ぐと、ドアの前に綾小路、景子たちが集まっていた。1504号室から阿賀田の助けを求める声が聞こえてきたため、景子は皆を呼んだのだ。この後、ボーイが部屋を開けると、天井から顔を出した巨大な天狗が怯える阿賀田に襲い掛かろうとしていた。阿賀田は吸いかけの煙草と灰皿を天狗に投げつけ、煙草の火がついた天狗は燃えて消滅する。昨夜、バーで飲んでから寝ようとした阿賀田。だが、飲み過ぎて泥酔し、気付いたら自分の部屋に戻っていたという。起きて煙草を吸っている時に気配を感じた阿賀田は天井を見上げて天狗に気付いたのだ。阿賀田は殺害された西木と同じようにタンコブを2つつけられていた。 新一は自分が部屋に戻った後の捜査の進捗状況を世良に訊ねる。世良は西木の部屋の天井の血は中心部分だけ西木のもので、あとは随分前から塗られた赤い絵具だったと説明。凶器は現場から見つかっていなかった。この後、新一と世良は蘭、園子と合流して映画「紅の修羅天狗」の話になる。新一は映画の詳しいストーリーを蘭に教える。蘭たちが公開前にストーリーを知っている事を不思議がると、新一はこの映画は景子たち5人が祇園芸術大学の時に撮った卒業制作のリメイクだと教える。この卒業制作によって5人は有名になり、ネットにもストーリーは載っているのだ。 蘭は清水の舞台で景子に会った時の事を思い出す。それは映画のラストシーンを連想させる行動だったらしく、景子は押し花を風に飛ばして「待っててね、出栗君。もうすぐだから」と呟いていたという。午後の自由行動の時間、新一のスマホに平次から着信がある。景子たち4人は暗号を考えた出栗の話をするため、お昼に料亭を予約したらしく、平次はその店に警察と一緒に行く事になったと新一に伝える。新一も話を聞くため、蘭たちをその料亭に誘う。この後、新一たちは景子たちが集まる先斗町の料亭前で京都泉心高校の大岡紅葉と偶然会う。蘭は紅葉と同じ高校に通う剣道部の沖田総司の事を訊ね、紅葉は同じクラスだと答える。新一は蘭が沖田を気にしている事に動揺する。 この後、木屋町通りに天狗が出たと騒ぎになる。路地にいた新一たちが表通りに出ると、天狗の面をつけた大勢の人たちが駆け回っていた。その頃、料亭の客間にいた綾小路、平次、景子、阿賀田、馬山、井隼たちも天狗が出たという報告を受ける。景子、阿賀田、馬山、井隼は西木の事件と関係があるかもしれないと怯える。綾小路と平次は景子たちを残して木屋町通りに向かう。平次は天狗の面を付けた人を捕まえて話を聞く。天狗の面をつけて木屋町通りを走り回ったらお金がもらえるとネットで募集があったという。平次が話を聞いていると新一がやってくる。新一と平次は4人が危ないと察して料亭へと急ぐ。犯人はこの混乱の隙に4人の中の誰かを狙っている可能性が高かった。そして、新一たちは料亭の前で犬矢来に足をひっかけ、逆さの状態で絶命した井隼を発見。井隼は首を斬られ、額にタンコブが2つできていた。犬矢来には西木の現場と同じように天狗のような足跡が残っていて…。
灰原から解毒薬をもらったコナンは一時的に工藤新一の姿に戻り、蘭、園子、世良たちと京都へ修学旅行にやってくる。新一は清水寺で出会った母、有希子の友人である女優の鞍知景子から暗号を解読してほしいと依頼される。週末に封切られる映画「紅の修羅天狗」の関係者である景子、俳優の井隼森也、映画監督の馬山峰人、作曲家の阿賀田力、脚本家の西木太郎は大学の同級生だった。新一は西木のもとに届いた暗号を預かって景子たちと別れるが、その直後に西木が殺害される事件が発生。現場には天狗に襲われたような形跡が残っていた。この後も阿賀田が巨大な天狗に襲われかける事件が発生。さらに井隼が殺害される事件が起きる。井隼の現場にも天狗のような足跡が残っていた。 ネットで募集した天狗の面をつけた人たちに騒ぎを起こさせ、その隙に井隼を殺害した犯人。平次は料亭の客間で待つようにと景子、阿賀田、馬山、井隼に釘を刺したが、馬山は井隼、阿賀田と一緒にトイレに行ったと説明。井隼は部屋に1人でいる景子が心配だと言って途中で戻ったという。阿賀田は井隼が戻る前にスマホのメールを見ていたような気がすると新一たちに教える。景子は1人で部屋にいるのが怖くなり、後からトイレに立ったため、井隼とは会ってないと明かす。世良は3人の誰でも井隼をメールで呼び出して殺害する事は可能だったと考える。 犬矢来の足跡はかなり前に絵具で描かれたもので、蘭、園子、紅葉は遺体を見つける前、料亭に来た時にはこの跡はなかったと綾小路に教える。新一は犬矢来のヘリに点々とついた何かの跡に目を留める。西木の時と同じように井隼の懐にはヤツデの葉と共に新たな暗号が入っていた。この3枚目の暗号の頭にも出栗のマークが書かれていて、世良は4つの■を大きな四角で囲むと「出」の文字が浮かび上がる事に気付く。紅葉は暗号に書かれた文字を見て、京都の地名みたいだと新一たちに伝える。上京区の庇野の「庇」、下京区木賊山町の「木」、左京区化野の「化」など、暗号には京都の地名に当てはまる文字が使われていた。続けて、紅葉は京都には上京区、中京区、下京区、左京区、右京区があると教える。紅葉からヒントをもらった新一、平次、世良は暗号の解読方法に近づく。 この後、新一、平次、世良、綾小路は料亭で出栗の話を景子たちから聞く。出栗は景子たちと同じ祇園芸術大学の同級生。皆の学科はバラバラだが、特撮研究会で知り合ったのだ。出栗だけは漫画研究会と掛け持ちだったという。大学祭では皆で撮影した映画を毎年上映していたらしく、馬山が得意だったのは特撮で、景子と井隼は特殊メイクに精通。阿賀田は映像に音楽をつけ、脚本は西木、衣装や化け物のデザインは出栗が担当していたという。新一は今回上映される「紅の修羅天狗」のもとになった卒業制作のスタッフに出栗の名前がない理由を景子たちに訊ねる。卒業制作の脚本に悩んでいた時、出栗が同人誌で描いた漫画「紅の修羅天狗」を発見。景子たちはこの漫画を卒業制作の映画にしたいと頼むが、出栗はプロの漫画家になった時、きちんと発表するから使わないで欲しいと断ったという。だが、景子たちは完成した作品を見れば納得してくれると思い、勝手に「紅の修羅天狗」を撮ってしまったのだ。 だが、完成した卒業制作を見た出栗はこんなのは僕の作品じゃないと激怒し、僕の名前は出さないでくれとスタッフロールに名前を入れる事を拒否。その後、卒業制作は評判になり、出栗以外の5人が脚光を浴びる形になってしまったという。話を聞いた平次は5人が出栗から恨まれても仕方ないと感じる。 馬山は今回の映画化が決まると、製作発表した日に出栗から連絡があった事を明かす。漫画家を諦め、小さなデザイン会社に勤めていた出栗はあの話をリメイクするなら、スタッフロールの片隅に僕の名前を入れて欲しいと頼んできたという。出栗は自分の漫画が映画化されるのが夢だったのだ。馬山は出栗の希望通り、スタッフロールに名前を入れようとしたが、手違いがあって初号試写のスタッフロールには出栗の名前が入っていなかった事を明かす。出栗はその初号試写を見て、失意の果てに清水寺から飛び降りて自害してしまったのだ。その頃、蘭、園子、紅葉は料亭の外で話が終わるのを待っていた。そこに蘭が会いたがっていた沖田総司が偶然通りかかる。沖田はたくさんの天狗が現れたと聞いて、剣道部の部員たちを連れて退治しに来たのだ。園子は沖田が新一にソックリな事に驚く。蘭は沖田を離れた場所に連れて行って封筒を手渡す。園子は親密そうな蘭と沖田の関係を怪しんでスマホで撮影する。 新一は父の優作と一緒にアメリカのロサンゼルスにいる有希子に電話して景子の事を聞く。新一は有希子が景子の事を京子と呼んでいる事が引っかかる。景子の本名は京子らしく、有希子は大学の卒業制作の時にいろいろあって「京」の上に「日」をつけて芸名を景子にしたと教える。景子のように卒業制作の時だけ、馬山は峰人の「峰」を「峯」に、西木は「太郎」を「太郎坊」と名前を変えたという。景子は大学時代に好きだった人を今も想い続けて結婚していないらしく、その想い続けている人は出栗だった。有希子に一方的に電話を切られた後、新一のスマホに園子からメールが届く。「妻の浮気現場だよん」という文章に添えて送られてきたのは親密そうな蘭と沖田の写真だった。 この後、西木が喫煙部屋を予約しようとしたら最初は満室だと断られたのに電話中にキャンセルが出て部屋が取れたという情報が入り、新一、平次、世良、綾小路は祇園ホテルへ確認に行く。フロントマンはこの話が事実だと認める。喫煙家の阿賀田は西木のすぐ後にまたキャンセルが出て予約できたと証言。その時、西木たちはマンションに集まって一緒に予約したという。世良は阿賀田の部屋に出現した巨大な天狗の事を綾小路に確認。綾小路はコゲた天井にノリみたいな物が付いていたと明かす。阿賀田が天狗に向かって投げた灰皿の煙草が落ちてカーペットに3センチくらいの焦げた跡が残っていたという。話を聞いた新一は何かが引っかかるが、写真の蘭と沖田の姿がチラついて推理に集中できない。 その時、新一の体に異変が起きる。薬の効果が切れて幼児化する時間が近づいているのだ。新一は苦しみながらも犯人がわかった事を平次と世良に伝える。だが、捕まえるためにはまだ証拠が薄く、新一は綾小路に協力を求める。翌日、綾小路は自分の部屋から出ないように景子、阿賀田、馬山に釘を刺す。犯行予告と思われる暗号が井隼の遺体からも発見されたため、犯人が新たに誰かを狙う可能性は高いのだ。景子たちは綾小路と別れ、それぞれ自分の部屋に戻るが、この後、犯人が動き出して…。
歩美は道端で転んでしまい、通りかかった緑川紗希が住むアパートで手当てを受ける。質素な暮らしをする紗希の部屋には男性との2ショット写真が飾られていた。紗希は花を窓辺に飾った後、外を眺めながら「へぇ、お友達が来てるんだぁ」と呟く。この後、歩美はコナン、光彦、元太、灰原を連れて紗希のアパートに向かう。歩美が明るくやさしい紗希の話をして、会いに行く事になったのだ。だが、窓辺に佇んでいた紗希は妙に寂しげな表情をしていた。紗希は外にいる歩美たちに気付いて笑顔になる。 紗希は歩美たちと話した後、ジムに行くと言って去っていく。紗希と別れたコナンたちは何か事件はないかと見回りを始める。この後、車が建物に突っ込む事故が発生。近くにいたコナンたちは激突音に驚き、ジムから出てきた紗希も事故現場に向かう。紗希は驚きの声を上げ、集まった野次馬たちに注目される。コナンは野次馬の中にいた堂島多津子、立花淳之介、今野美千代が紗希を忌々しそうに見ている事に気付く。コナンは人に恨まれる覚えはあるかと訊ねるが、紗希はないと笑って去っていく。 コナンは紗希と何かあったのかと多津子、立花、美千代に確認。3人は動揺しつつも惚けて去っていく。歩美は紗希が人に恨まれる人とは思えないと当惑する。多津子、立花、美千代は同じマンションに帰っていき、コナンは3人の事を管理人の小木狭一に訊ねる。102号室の立花はカッコイイと学生に人気の女子大講師だった。真面目で礼儀正しい美千代は302号室に住み、貿易会社に勤務していた。1107号室に住む多津子は社会評論家。テレビにコメンテイターとして出演する事も決まっているという。 コナンたちは紗希の部屋の下に行き、3人が住むマンションの方を確認。紗希の部屋から見えるのは102号室、202号室と縦並びの1列のみ。102号室、302号室は見えるが、1107号室は死角になっていた。コナン、灰原たちは紗希が部屋の窓から立花、美千代の部屋の何かを見た可能性があると考える。102号室の立花はドアの新聞受けに入っていた封筒の中身を見て戦慄する。便箋には「しっかり見ちゃったもんね」「公表されたくなければ金で」と書かれていて、差出人名は「秘密を知っている女」だった。 コナンたちは紗希がいる米花シネマに向かうと、紗希は近くの交差点で信号待ちをしていた。その直後、紗希は車に轢かれそうになり、コナンたちは急いで助けに行く。紗希は考え事をして赤信号で渡ろうとしたという。コナンたちは紗希に話を聞こうとするが、紗希は動揺している事を理由に去っていく。コナンたちは多津子、立花、美千代から話を聞く事に。コナンが紗希を睨んだ理由を3人に確認。美千代はキレイで妬ましかった、多津子は嫌いな従妹に似ていた、立花はフッた彼女に似ていたと答える。コナンたちの心配は杞憂に終わったかに思えたが、翌朝、紗希はマンションから落ちて絶命して…。
コナンたちはひょんな事から明るくてやさしい紗希と仲良くなるが、間もなくして妙な事に気付く。社会評論家の堂島多津子、女子大講師の立花淳之介、OLの今野美千代が紗希を恨んでいる可能性が出てきたのだ。3人の住むマンションは紗希の住むアパート近くにあり、コナンたちは紗希が部屋の窓から3人の何らかの秘密を目撃したと考える。そんな折、紗希が3人のマンションから落ちて絶命する。 コナンは野次馬の中にいる中林ナカに声をかける。ナカは昨日、紗希が車に轢かれそうになった時も現場にいたのだ。紗希は考え事をしていて轢かれそうになったと話していたが、ナカは紗希が背後から何者かに突き飛ばされて交差点に飛び出したと証言。話を聞いたコナンはこの墜落死は自殺ではなく、他殺だと確信する。紗希は何か目撃した事で3人の誰かを強請り、口封じに殺害された可能性が高かった。コナンは紗希の遺体を確認。紗希は手袋をはめ、首には微かな擦過痕が残っていた。 この後、目暮警部たちは捜査を開始する。千葉刑事は紗希が屋上から落ちた可能性が高いと高木刑事に報告。屋上の鉄柵の汚れが拭えていて、その汚れが紗希の服に付着していたのだ。屋上には紗希のピアスも落ちていた。目暮は防犯カメラを調べ、紗希は11階までエレベーターを使用していたと判明。11階から屋上には階段を使うしか方法はないという。携帯の履歴から紗希は誰かに呼び出されてマンション屋上に行った事も明らかになる。元々、明るくて誰からも好かれる女性だったショーパブ専属ダンサーの紗希。だが、3年前から人が変わり、同僚ダンサーを強請ったり、客にたかったりするようになったという。コナンは3人の事を高木に伝え、高木はアリバイがある多津子以外の2人から話を聞く。 立花は脅迫状が届いた事を告白し、紗希が落ちた時は部屋にいたと証言する。紗希に何を見られたか訊かれると、観念した立花はハゲている事がバレたと言ってカツラを取る。美千代も紗希が落ちた時、部屋にいたと証言。紗希から部屋で待っていろと連絡があったという。美千代は昨日、交差点で紗希を押した事は認める。強請られた理由を訊かれると、美千代はある大金持ちが昔作った娘を捜していると聞いて、その娘に成りすまして金をせびっていたと告白。美千代はカツラを外し、自分の正体は沼垣大八という男だと打ち明ける。紗希は部屋でカツラをとった沼垣を見て強請っていたのだ。 この後、紗希は睡眠薬を飲まされていた事が判明。沼垣は今日の事は知らないと主張するが、高木と千葉は沼垣が紗希を殺害したと疑う。沼垣は殺人未遂と詐欺容疑で逮捕されるが、コナンは何かが引っかかっていた。その時、202号室の赤羽根十和が大騒ぎをする。旅行中に宝石類を盗まれたという。コナンはこの空き巣事件と紗希が殺害された事件が繋がっている事に気付き、事件の真相に近づいていく…。
日本探偵連盟のベスト探偵アワードに選ばれた小五郎は授賞式に出席するため、コナン、蘭と福岡の小倉にやってくる。小五郎はコナンと共に警視庁時代の先輩、深町虎三が経営する小倉の会社を訪ね、蘭は1人で観光地を回る事に。専務の桐山栄作は深町が1週間前に転倒事故を起こしたと小五郎に明かす。頭を打った深町は入院中で、今も意識不明だった。膝を痛めてリハビリのために散歩していた深町は駐車場の車止めブロックにつまづいて転倒。倒れた深町を発見したのは社長秘書の泉海乃梨子だった。 桐山は会社に落書きした犯人を捕まえてほしいと小五郎に依頼する。壁には赤いスプレーで「虎」と書かれていて、第一発見者の運転手、宇梶誠は3日前に出勤した時に気付いたと証言。会社の駐車場や倉庫、桐山の自宅ドアにも同じ落書きがされていた。深町の社長復帰が難しい場合、今日の株主総会で桐山の社長就任が決まるため、桐山は深町の息子の虎彦が阻止するために脅迫していると考えていた。 小五郎は泉海に案内され、逃げる犯人を目撃した警備員の岩田源一郎に会いに行く。コナンは別れ際に小五郎に発信シールを貼り、深町が倒れた駐車場を調べる。その時、コナンのメガネからフェリーで移動中の小五郎と泉海の会話が聞こえてくる。泉海は深町と桐山が会社の経営方針を巡り、よく言い争っていた事を告白。泉海は桐山が深町を突き飛ばしたと疑っていた。この後、小五郎は倉庫にいた岩田と会って落書き犯の事を聞く。岩田は後ろ姿だったが、金髪だったので虎彦に間違いないと証言する。 岩田と別れた後、泉海は深町が搬送される救急車の中で「トラ…」とだけ言ったと小五郎に報告する。小五郎と泉海は虎彦が立ち寄りそうな場所に行ってみる事に。この後、コナンは岩田が社長車を洗車している事に気付く。岩田は後部ドアを開けて上半身を突っ込んでいた。コナンが声をかけると、岩田は自分が掃除する担当だと説明する。後部座席には小倉城のマスコットキャラクター“とらっちゃ”が置かれていた。この後、岩田の携帯に着信があり、岩田は社長室にいる誰かに呼び出されて去っていく。 コナンは蘭に連絡し、ランチを一緒に食べられないと伝える。門司港レトロにいる蘭は1人でランチを食べる事に。電話を切った後、蘭は若い男に声をかけられる。悪いヤツに追われているので、少しだけ恋人のフリをしてほしいという。男は蘭を抱き寄せるフリをして顔を隠し、愚連隊風の志垣修平、中丸銀次は男に気付かずに去っていく。この後、社長室から宇梶が出てくる。コナンは社長室に入り、ゴミ箱に入った丸めた封筒に目を留める。その頃、蘭は助けた男と一緒にレストランに入っていた。蘭は男と話をして、深町の息子の虎彦だと気付く。小五郎と泉海は虎彦を捜すため、門司港レトロの展望室にやってくる。小五郎は素行が悪い虎彦と一緒にいるのが蘭だと気付いて動揺するが…。
小五郎はベスト探偵アワードの授賞式に出席するため、コナン、蘭と福岡の小倉にやってくる。小五郎の警視庁時代の先輩である会社社長、深町は転倒事故を起こし、意識不明で入院していた。専務の桐山は会社に落書きした犯人を捕まえてほしいと小五郎に依頼。深町の社長復帰が難しい場合、桐山が社長に就任するという。桐山は深町の息子の虎彦がそれを阻止するために落書きしたと考えていた。落書き犯の捜査を進める小五郎だったが、桐山が深町を突き飛ばした可能性が浮上する。 門司港レトロにいる蘭は志垣、中丸に追われている男を助けて仲良くなる。蘭は男と話をして、深町の息子の虎彦だと気付く。小五郎と社長秘書の泉海は虎彦を捜すため、門司港レトロの展望室にやってくる。小五郎は素行が悪い虎彦と一緒にいるのが蘭だと気付いて動揺する。この後、虎彦は背後から志垣と中丸に締め上げられ、蘭は虎彦を助けるために2人にパンチやキックをして攻撃。小五郎と泉海は蘭たちがいた場所へと急ぐが、駆け付けた時には志垣、中丸しかいなかった。 逃げた後、虎彦は志垣と中丸の正体を蘭に明かす。2人は虎彦が高校の頃から世話になっている小倉署の刑事だった。警察は虎彦を落書きの犯人として追い回しているが、虎彦は自分ではないと断言する。蘭は逃げずにきちんと警察で話せば良いとアドバイスする。だが、虎彦は父親の深町が誰かに背後から突き飛ばされた事を蘭に打ち明け、犯人の証拠を掴むまで捕まるわけにはいかないと訴える。 搬送される救急車の中で「トラ…」と言った深町。虎彦は深町が社長車の後部座席に小倉城のマスコットキャラクター“とらっちゃ”を置いている事を蘭に明かす。昔、深町はとらっちゃに盗難防止のGPSやカメラを仕掛けていたらしく、虎彦はそこに犯人との会話などの証拠映像が残っているかもしれないと考えていた。その時、蘭のスマホにコナンから着信がある。コナンは小五郎が全て解決してくれると虎彦を説得してほしいと話し、蘭はこれから虎彦と一緒に会社に行くとコナンに伝える。 コナンは小五郎に連絡し、蘭と虎彦が会社に向かっていると報告。事件を解決すると意気込む小五郎は専務の桐山、運転手の宇梶、警備員の岩田ら関係者を集めて欲しいと志垣、中丸に頼む。この時、泉海は桐山が深町のお見舞いに行っている事を明かす。小五郎は桐山からお見舞いは遠慮してほしいと言われたため、自分だけ病院に行っている事に疑問を抱く。そして、午後2時過ぎ、桐山を含む関係者全員が会社に集まる。だが、午後3時からは大事な株主総会があり、桐山は急いでほしいと小五郎に頼む。小五郎は深町を突き飛ばした犯人は桐山だと言い放つが、これは見当はずれの推理だった。事件の真相に辿り着いたコナンは慌てて小五郎に麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが始まる…。
小五郎はコナンを連れて競馬場にやってくる。小五郎は馬券売り場で帽子にサングラス、口髭の男に声をかけられる。フリーの競馬ジャーナリストを名乗る男は小五郎に仕事を依頼する。小五郎、コナンが事務所に戻ると、ネットで競馬の予想と評論をしているという別の依頼人が待っていた。この男が帰ると、すぐに競馬ファンという女の依頼人も現れる。この後、コナンは喫茶ポアロで依頼人の女と男2人が密談している現場を目撃。3人は知り合いらしく、コナンはこの依頼には何か裏があると考える。 コナンは小五郎についていき、TOKUYOSHI厩舎にやってくる。小五郎が競走馬のホワイトスピリッツを見ていると、そこに馬主で会社社長の徳吉耕三が現れる。小五郎はこの馬を殺害すると手紙やメールで脅迫されているかを確認。徳吉が脅迫を認めると、小五郎はこの馬を守ってくれと依頼された事を告白。小五郎が依頼されたのは3件とも同じ内容だった。話を聞いた徳吉もこの馬を守って欲しいと依頼する。その様子を見ていた調教師の長谷康孝は何故か顔色を変え、携帯で誰かに電話をかけていた。 翌日、ホワイトスピリッツは競馬場で開催されるレースに出走するため、馬運車に乗せられる。運転手付きの車の助手席には徳吉、後部席には小五郎、コナン、蘭が乗り込む。厩務員の永浦実秋は脅迫されているのに出走するのは無茶だと訴えるが、徳吉は心配するなと聞く耳を持たない。この後、塩見正雄が運転する馬運車が出発し、徳吉、コナンたちが乗る車はその跡をついていく。途中、小五郎は不審な車に気付く。だが、その車は何事もなく追い越していく。運転していたのはホワイトスピリッツにも騎乗する騎手の角田千鶴だった。コナンは依頼人3人の正体は変装した長谷、永浦、千鶴だと気付く。 この後、前方に「工事中につき まわり道」という看板が見え、馬運車は脇道へ入っていく。徳吉の車も脇道へ入るが、前方に馬運車は見えない。その時、別の脇道から馬運車が現れる。塩見は標識が間違っていたと徳吉に伝えて元の道路に戻る。そして、競馬場に到着後、徳吉は車から降ろされたホワイトスピリッツを見て、よく似た別の馬だと気付く。馬の首に巻かれたリボンには紙片が挟まっていて、それは「身代金1億円を用意して、自宅で連絡を待て」と書かれた徳吉宛の脅迫状だった。 馬運車を運転していた塩見は妻と子供がさらわれ、脅迫されていたと告白。脇道に入った時、もう1台の馬運車に乗り換えたという。コナンはこの事件がコナン・ドイルの小説「白銀号事件」に似ていると感じていた。この後、塩見の家族は解放されて無事保護される。そして、徳吉の自宅の郵便受けに誘拐犯から新たな指示が届く。それは取引には徳吉1人で来いというものだった。徳吉は身代金1億円を持って指定された公園へ向かい、コナン、目暮警部たちも徳吉に気付かれないように跡を追うが…。
小五郎は脅迫された競走馬のホワイトスピリッツを守ってくれと3人の依頼人から別々に依頼される。小五郎はこの馬の馬主で会社社長の徳吉に会って事情を説明し、徳吉からも同じ事を依頼される。コナンは依頼人3人の正体は変装した調教師の長谷、厩務員の永浦、騎手の千鶴だと気付いていた。翌日、ホワイトスピリッツはレース出走のため、馬運車で競馬場に移送されるが途中でニセモノとすり替えられる。犯人は身代金1億円を要求し、徳吉は指示に従って1人で取引きに向かう。 徳吉は犯人の指示通りに陸橋の上から1億円を入れたバッグを落とす。そして、犯人が現れないまま30分が経過。目暮警部、小五郎たちがバッグを確認しに行くと、バッグの中には雑誌が詰まっていた。小五郎は落とした直後に隠れていた犯人が中身をすり替えたと推理する。翌日、ゴミ集積所からホワイトスピリッツがまとっていたホースラグが見つかる。ホースラグには血が付着した馬のたてがみが絡みついていた。目暮たちは匿名の通報があり、このホースラグを発見する。 この後、ホースラグに付着した血はホワイトスピリッツのものと判明。目暮はこの馬がすでに殺害されている可能性もあると考える。マスコミは人気競走馬の事件を大きく取り上げ、同時に小五郎や目暮の失態も報じる。小五郎は徳吉が協力してくれたらこんな事にならなかったと愚痴る。コナンはすでに誰が犯人かに気付いていて、事件の全容を明らかにするため、もう一度事件を洗い直す事に。 コナンは移送中にホワイトスピリッツとニセモノがすり替えられた脇道にやってくる。妻子を人質にとられた運転手の塩見はこの脇道でニセモノが載った馬運車に乗り換えたと証言。コナンはすり替えられた場所で2色の絡み合った馬の毛を発見する。そして、コナンは2台分並んだ馬運車の轍を調べ、事件の核心に近づいていく。この後、コナンは近くにあるコンビニの防犯カメラに注目。コナンは小五郎のフリをして高木刑事に連絡し、コンビニの防犯カメラが見たいと頼む。 コナンはコンビニにやってきた高木と共に防犯カメラの映像を確認する。コナンは馬運車が映っている映像の日付を見て驚く。この後、コナンは高木とTOKUYOSHI厩舎を訪ね、見習い厩務員の井原敏司から話を聞く。井原は3日前からもう1台の馬運車が戻っていないと告白。ホワイトスピリッツの予備の馬具やグルーミング用の道具も見当たらないという。馬房の柱には血が付着していて、井原はホワイトスピリッツがささくれに身体をこすってケガをした事を明かす。幸い大したケガではなく、獣医が診て治療も終えているという。話を聞いたコナンは今回の事件の真相に辿り着いて…。
古い洋館で絞殺された馬場貞子の遺体が発見され、目暮警部、高木刑事たちが捜査を行う。貞子は占いの館で霊感占い師、バーバラ貞子として働いていた。朝、貞子を自宅まで迎えに来た秘書の尾久将也が第一発見者だった。殺害されたのは昨夜の可能性が高く、尾久は昨夜、貞子は小五郎から電話があって会いに行ったという。馬場邸に呼ばれた小五郎は電話はしていないと主張する。小五郎は貞子と面識がなく、一緒に来たコナンも小五郎が自宅にいたと昨夜のアリバイを証明する。 目暮は犯人が小五郎と偽って貞子を呼び出したと推理。貞子は屋外で殺害され、自宅に運ばれた可能性が高かった。コナンは自宅にある貞子のPCを調べ、「また殺されかけた。犯人はあの三人の中の誰なのだ?Kか?Eか?Sか?」という文章を見つける。尾久は1週間前にテレビの生放送に出演後の貞子をテレビ局前で3人の客が待ち伏せしていた事を明かす。元土木作業員の金輪芯介、OLの遠藤深美、元ラーメン屋の漣諒一は占いのせいで悲惨な目に遭ったと貞子に言い掛かりをつけてきたという。 高木は遺体の傍らで深美のブローチを見つける。この後、芝浜公園でロープと貞子の名刺入れが発見され、目暮はここが殺害現場と判断する。昨夜この公園で大きな物を車に積んでいる不審な人影を見たという匿名の110番通報が今朝あったという。現場からは金輪のライターも発見される。この後、馬場邸の近くに漣の車が乗り捨てられていた事が判明。目暮はこの空き地に金輪、深美、漣を呼んで話を聞く。漣は2日前に盗まれた車だと証言。車のトランクからは毛髪が採取される。金輪はライター、深美はブローチを自分の物と認めるが、2人とも失くした物だと主張する。 小五郎は3人が共謀して貞子を殺害したと推理するが、コナンは3人の持ち物が都合よく発見された事に違和感を抱いていた。この後、漣の車から見つかった毛髪は貞子の物と判明する。昨夜は自宅にいたためにアリバイがない3人。男性から電話があり、貞子がお詫びに伺うので自宅で待っていてほしいと言われたという。3人はアリバイ潰しのために真犯人にハメられたと訴える。 この後、貞子の死亡推定時刻は昨夜の8時から9時の間と判明し、コナンは貞子のPCを再度確認する。コナンが思った通り、例の文章が入力されたのは昨夜10時過ぎだった。コナンはこの文章を書いたのは貞子ではなく、遺体を運んできた犯人だと確信する。小五郎、目暮たちは3人の犯行と思わせるために真犯人が仕組んだ事と考える。だが、コナンは真犯人にハメられたのではなく、そう思わせようとした犯人が3人の中にいると推理。コナンは犯人が3人の共犯と思わせた理由、探偵の小五郎を巻き込んだ理由について考える。そして、コナンは改めて3人から話を聞き、誰が犯人なのかを見破って…。
朝、光彦、元太、歩美は農家の人たちが野菜や果物を販売するイベント、米花町ファーマーズマーケットにやってくる。歩美は北海道に行く急用でコナンが来れなくなったために落ち込んでいた。このイベントでは目暮警部が講演する予定になっていた。光彦たちがキッチンカートがたくさん停まっている駐車場の脇の細い道を歩いていると、その向こうから門倉伸夫、山脇雄二、菅野佳織の話し声が聞こえてくる。佳織たちは「計画通り、派手にドカーンといきましょうよ」と物騒な話をしていて、光彦たちは山脇たちが目暮を狙って爆弾を仕掛けようとしていると推理する。 この後、光彦、歩美、元太の前に妄想のコナンが現れる。光彦は妄想のコナンからヒントをもらい、警察を動かすためには犯行の証拠が必要だと気付く。妄想のコナンはこの後も光彦たちの前に何度も現れて捜査に協力する。そして、山脇たちは分かれて行動を開始。元太は山脇、光彦は門倉、歩美は佳織を尾行する事に。その近くでは高木刑事、佐藤刑事が不審者に備えて警備体制を確認していた。 山脇はホームセンターでサラダ油、ガスカートリッジなどを買い、元太は爆弾を作る材料だと睨む。佳織はシンガポールレストラン「マリーナ」に入っていく。歩美は様子を窺っていたが、血まみれのエプロンに包丁を持った佳織に気付かれる。門倉は喫茶店に入るが、すぐに携帯に着信があって退店。門倉は近くのタバコ屋に入り、紙袋を持って出てくる。その直後、光彦は尾行している事を気付かれる。 駐車場に戻った後、光彦は会話を聞いたと伝え、どういう事か説明してほしいと門倉に詰め寄る。そこに荷物を抱えた山脇が戻ってくる。尾行していた元太は爆弾の材料を買っていたと伝えて光彦に警戒を促す。門倉と山脇は誤解だと笑い飛ばし、イベントでシンガポール料理のチキンライスを売ろうとしていた事を明かす。「マリーナ」に勤める門倉たちは皆に料理の味を知ってもらうためにイベントに参加。山脇たちはチキンライスを派手にドカーンと売りまくろうと話していたという。 門倉がタバコ屋から出てきた時に持っていた紙袋の中身は印刷所の友人に頼んでいたイベント告知のチラシだった。喫茶店で受け取る予定だったが、友人は時間がなく、顔なじみのタバコ屋に預けたと連絡があったという。そこに佳織が配膳コンテナを押しながら歩美と共にやってくる。佳織は店まで仕込んだ鶏肉を取りに行っていたのだ。歩美は佳織が悪い人じゃない事を光彦たちに伝え、自分たちの誤解だったと察するが…。この後、光彦の前に妄想のコナンが現れ、「いいのか、探偵。この程度で引き下がって」と問いかけてくる。光彦は諦めずに疑問に思った事を門倉たちにぶつけていく。だが、門倉たちが言っている事に不審な点はなかった。光彦たちは勘違いだったと3人に謝罪するが…。
コナン、元太、光彦、歩美、灰原は阿笠博士、蘭と共にカガミスタジオにやってくる。阿笠がコナンたちにモニターを頼んだのだ。庭には大型フィギュアがいくつも展示されていた。秘書のしのぶはコナンたちを見学用のドームに案内。しのぶはカガミスタジオ社長の加賀見栄三の娘だった。歩美はスタジオの様子をカメラで撮影。ドーム内には森が広がり、頭上には空を呼ぶ船、筋斗雲などが飾られていた。 天井は電磁石になっていて、ブランコに吊られた巨大な和船は振動しながら移動。しのぶはリモコンを使えばブランコの位置を移動できると説明する。この後、しのぶはリモコンを操作し、王城の壁の向こうから青銅の巨人タロスが出現する。和船とタロスは客に合わせてガイド役のしのぶが動かしているのだ。営業主任の羽生正は未完成のタロスの下半身は今後も作らないと明言。フィギュア制作はお金がかかるため、予算を重視する羽生と将来への投資と考えるデザイナー主任の山県徳一は言い争いに。 社長室では加賀見が友人の阿笠と話していた。タロスの駆動装置を安く設計してほしいと阿笠に依頼したしのぶ。だが、加賀見は頭ごなしに阿笠のプランを却下する。阿笠は加賀見が逃げ腰では職人の山県が腕をふるえないと忠告。続けて阿笠は山県の技術力あってのスタジオだと訴えるが、加賀見は経済的に苦しくなったのは山県の先代の時からだと言い返す。山県は2人の会話を偶然耳にする。 コナンたちは制作棟で軽食をご馳走になり、離れた席では羽生がスタジオを売りに出している事を恋人のしのぶに伝えていた。この時、蘭は羽生が鈴木家のパーティーに来て、園子に気に入られていた事を思い出す。身売り先の候補の1つは鈴木財閥だった。売却を成立させるために必要なのは手土産の企画で、しのぶは山県の力が必要になると羽生に伝える。スタジオの警備員2人は庭を巡回中に通用口のドアノブの鍵が壊れている事に気付く。トイレに行こうとして迷った元太は壊れている通用口のドアに気付き、ドアの前に重しとして彫刻を置いておく。 羽生は交渉の状況を聞くために加賀見に会いに行く。社長室にいる加賀見は交渉相手に電話して大詰めの話をしていた。この時、加賀見は2度ドアを開閉する気配を感じ、手が離せんと怒鳴り声を上げる。ラウンジでは阿笠、しのぶが加賀見の事を話していた。しのぶは加賀見が上海のトップ企業と交渉している事を阿笠に明かす。羽生も別の企業と交渉していたが話し合いは難航していた。阿笠たちは帰る事になり、制作棟の個室にいる山県に声をかけて庭に出る。その時、ドーム棟が突然暗くなり、誰かの悲鳴が聞こえてくる。そして、バラバラと固いものが無数に落下する音がした後、すぐに明かりが復旧する。阿笠たちがドーム棟に駆け込むと、そこでは後頭部を強打された羽生が倒れていた…。
コナン、元太、光彦、歩美、灰原は阿笠博士、蘭と共に大型フィギュアを制作するカガミスタジオにやってくる。フィギュアの制作はお金がかかるらしく、予算の事を考える営業主任の羽生と将来への投資と考えるデザイナー主任の山県は言い争いになる。このスタジオは経営が苦しく、身売り先を探している状況だった。そして、コナンたちが帰ろうとした時に事件が起きる。ドーム棟が突然暗くなり、何者かの悲鳴が聞こえてくる。バラバラと固いものが無数に落下する音がした後に明かりが復旧。フィギュアや模型が落下したドーム棟では後頭部を強打された羽生が倒れていた。 しのぶは羽生の殴られた痕に青銅色の塗料が付着している事に気付く。それは巨人タロスと同じ色で、阿笠はタロスに打ちのめされたように感じる。羽生は病院に搬送され、しのぶも一緒に病院に行く。この後、目暮警部たちが捜査を開始する。警備員は通用口のドアが壊れていた事を千葉刑事に打ち明ける。山県はそこから犯人が逃げたと推理する。だが、元太はドアの前に重しとして彫刻を置いた事を報告。彫刻は動かされた形跡がなく、千葉は犯人がまだ中にいると判断する。 コナンはドームの電源を操作するリモコンの数を加賀見に確認。加賀見は山県としのぶが持っている2台だと答える。コナンはリモコンを持っているか山県に訊ね、山県は作業着のポケットからリモコンを取り出す。目暮は皆に犯行時刻のアリバイを確認する。加賀見はオフィスを出た時に羽生の悲鳴を聞いたと証言。コナンはもう1台のリモコンをしのぶが持っているか、羽生が落としたままかが気になる。 コナンはリモコンを捜してほしいと光彦たちに頼む。事件の時、電気が消えた後にすぐ復旧したため、コナンは羽生がリモコンを持っていたと推理。リモコンは放したら電源がじきに回復する仕組みで、コナンは暗くしたのは羽生の意思だったと考える。結局リモコンは見つからず、コナンはリモコンが消えた状況に思考を巡らせる。そして、コナンはドームの天井が見学した時と違う事に気付く。コナンは歩美が撮影したカメラの画像を確認。犯行前と犯行後では天井に張り付いた和船の位置が違っていた。コナンはグラスファイバー製の和船が天井に張り付いている理由を考え、その答えを見つけ出す。 加賀見は事件前、電話中に誰かが2度社長室に入ったと目暮に伝える。2度とも同じ人物かはわからないという。加賀見は社長室に来たかと山県に確認するが、山県は自分ではないと答える。加賀見は同業者が山県のアイデアを盗むために忍び込み、羽生と鉢合わせになって事件が起きたと推理する。この後、加賀見はコナンに促されて病院にいるしのぶに連絡。コナンはしのぶにリモコンを持っているかを訊ね、しのぶは持っていると答える。それを聞いたコナンは誰が犯人かを見破って…。
コナン、歩美、灰原、元太、光彦は化石発掘を体験するため、阿笠博士と共に群馬にあるロッジ化石館にやってくる。展示している珍しい化石は海外から買い付けたもので、オーナーの大神明は来月もアメリカまで買い付けに行くと明かす。この後、ジャーナリストの宮下海果が現れる。村会議員の中谷創元は「金で解決した」と大神に話した後、海果に対応する。コナンは2人の会話を聞いていた。この時、大神は流せる除菌シートで腕を拭く。海果はこの村で珍しい化石、月のおさがりが発掘されたと知って取材に来たのだ。中谷はこの化石を村のシンボルにしようと計画。今は駅舎に展示しているという。この時、海果は「負のシンボルにならなきゃいいけど」とボソッと呟く。 コナンたちは採集場に移動し、化石の発掘に取り掛かる。海果は月のおさがりの事をPR担当の中谷に質問。中谷は化石に詳しくないので大神に任せっきりだと答える。この後、大神は地層を調べていた海果に話すべき事があると声をかける。だが、その直後に大神は中谷に呼ばれて話は中断。大神は後で話をすると海果に伝えて去っていく。この後、歩美と灰原は化石館のトイレに行くが、すでに中には誰かが入っていた。中から水が流れる音が聞こえてた後、何かがドアにぶつかる音が聞こえ、歩美たちは中で誰かが倒れたと考える。灰原はコインを使ってトイレの鍵を開けると、中では大神が苦悶の表情を浮かべて絶命していた。駆け付けたコナンは独特な匂いから青酸性の毒物による中毒死だと判断する。 この後、群馬県警の山村警部が捜査を開始。山村は誰かがトイレに毒を塗って大神を殺害したと推理する。中谷は大神が数日前から悩んでいて、自殺を仄めかしていたと打ち明ける。山村が原因を訊ねると、海果は月のおさがりが原因かもしれないと証言。海果は発掘現場の取材ではなく、大神の偽装を暴くために来た事を明かす。海果は月のおさがりが発掘されたのは別の採集場だと疑っていた。海果は大神が自分の犯した罪に耐えきれなくなって自殺したと推測する。海果は化石に詳しくない中谷が気付けなかったのは仕方ないと同情する。月のおさがりで村おこしを計画していた中谷はショックを受ける。 話を聞いた山村は自殺と判断するが、コナンは自殺する人が来月の旅行を楽しみにしているのはおかしいと指摘。コナンは化石に詳しい大神が杜撰なウソをついた事も疑問を持っていた。山村は念のため、皆の身体検査を行う。だが、どこからも毒物反応は出なかった。コナンは必死に自殺に仕立て上げようとしているが、中谷の犯行に間違いないと考えていた。この後、鑑識課員は大神が持っていた除菌シートが市販のものより酸性度が高かったと山村に報告する。この除菌シートが事件と関係があると判断したコナンは元太たちの会話をヒントに事件の真相に近づいて…。
成瀬純は恋人の水沼果帆が数日前に突然姿を消してしまったと小五郎に捜索を依頼する。小五郎、コナン、蘭は果帆のアパートを訪ね、アパートの大家から話を聞く。果帆が引っ越してきたのは3ヵ月前。靴棚には果帆のスニーカーが並んでいた。部屋のカーテンは閉められていて、コナンは窓の桟の一部に溜まった埃に目を留める。そして、コナンは部屋に飾られた果帆の写真数枚を見て、何か違和感を抱く。 この後、警察から連絡があり、コナンたちは果帆の手掛かりが発見された現場に向かう。現場の橋の上では目暮警部たちが捜査をしていた。橋の上には果帆のスニーカー、写真入りマイナンバーカードが置かれ、小五郎は自殺したと推理する。小五郎は濁流の川を見て、遺体を見つけるのは難しいと考える。新聞配達の大学生、潮哲也は午前5時15分頃、橋から飛び降りる長い髪の女性を見たと証言。潮はその時の様子をスマホで撮影していた。動画を見たコナンは女性の胸元で何かが光っている事に気付く。 果帆がこの現場までタクシーに乗ってきた事が判明。タクシー運転手の大原マキは深夜2時半に乗せ、3時頃にこの現場に降ろしたと証言する。防犯カメラにもタクシーに乗る果帆の姿は映っていた。高木刑事は果帆の自宅の住所を見て、3ヵ月前の事故現場に近い事に気付く。3ヵ月前、公園の階段の下で転落死した女子大生の遺体が発見されたのだ。腕にタトゥーの入った男と一緒にいたという目撃情報もあったが、警察は酒に酔って転落した事故と処理していた。 コナンは皆を送ってほしいとマキに頼み、蘭、潮、成瀬と共にマキのタクシーに乗り込む。移動中、コナンは手掛かりを探すため、果帆が飛び降りた動画を何度も確認する。この後、コナンはバックミラーに掲げられているお守りのような若い女性の写真に気付く。マキは病気で他界した1人娘だと打ち明ける。途中、コナンたちがコンビニに立ち寄ると、棚には「目撃情報求む!」というビラが平積みされていた。それは転落死した女子大生と一緒にいた、腕にタトゥーがある茶色い長髪の痩せた男のイラストだった。コンビニの店長は遺族に頼まれてビラを置いているとコナンに教える。 マキはコンビニでコンタクトレンズの洗浄液と2人分の弁当を購入。金髪の潮は新しいバイトの面接に備え、黒髪染めを買う。それを見たコナンはハッとなり、忘れ物をしたと理由をつけ現場に引き返してもらう。コナンは橋の欄干付近を調べている時、小五郎、高木の不注意から川に落下。この時、コナンは橋の方を見上げ、果帆の胸元で何が光ったかを見破る。マキは川へ飛び込んでコナンを救助。マキは国体に出場したほど水泳が得意だった。マキは濡れた免許証を干し、コナンはその免許証を見て何かに気付く。この後、コナンは潮と成瀬を見て、謎に包まれた事件のカラクリを見破って…。
蘭が京都の修学旅行から自宅に戻ってくる。コナンは阿笠博士の家に泊りに行って風邪を引いた事にしていた。コナンは風邪が治ったと言うが、蘭にまだ安静にしていろと言われて学校を休む事に。コナンが京都のお土産を持って阿笠博士の自宅を訪ねると、隣りの工藤邸の前にはたくさんの報道陣が集まっていた。その時、コナンのスマホに灰原から着信がある。目立つ行動は避けろと忠告していた灰原はコナンに激怒。ネットで新一は生きていて、紅の修羅天狗殺人事件を解決したと話題になっているのだ。灰原は対策を考えるから阿笠の自宅にいろとコナンに伝えて電話を切る。 この後、担任の小林澄子先生は東尾マリアの事を灰原、元太、歩美、光彦に相談する。この日、マリアは学校を休んだが、小林はマリアが休んだ理由がわからないと明かす。小林はマリアの両親の仕事先に電話したが、両親はマリアが今朝もいつも通り登校したと話しているという。灰原たちは小林に頼まれ、マリアの自宅まで様子を見に行く。だが、自宅の呼び鈴を鳴らしても応答はなし。歩美は先日他界した祖母の手紙を見つけたとマリアが話していた事を思い出す。昨日、マリアは祖母が自分のために家の中に宝物を隠しているので、コナンと一緒に探したいと話していたという。 灰原たちは向かいにある祖母の自宅を訪ねる。鍵は開いていて、玄関にはマリアの靴とランドセルが置かれていた。灰原はマリアが登校する前にここに立ち寄ったと推理する。玄関マットの横には「スタート!マリアちゃん頑張って」というメモ紙が貼られていた。メモ紙には矢印が書かれていて、灰原は矢印の先にある部屋にヒントがあると推理する。その頃、コナンは世界一の工藤ファミリーフリークを自称するブロガーの呟きが今回の騒動のネタ元だと気付く。 灰原たちが矢印の先にある寝室に入ると、ドレッサーの前に化粧品が倒れていて、上には矢印が貼られていた。灰原は化粧品が倒れているのは昼頃にあった大きな地震のせいだと推理する。歩美は「女の子は身だしなみが肝心!ちゃんと寝グセはチェックしたかしら?」というメモ紙を発見。灰原は三面鏡を見て、メモ紙のヒントを解読する。矢印が示しているのは書斎だった。 この後、灰原たちは書斎にやってくる。地震の影響で本棚は倒れていて、元太たちは協力して本棚を元に戻す。そして、光彦が散乱した本の中に「整理整頓 ヨロシクね」と書かれたメモ紙を発見。メモ紙は漫画本に貼り付けられていて、灰原たちは82巻まで出ている漫画本を本棚に並べる事に。灰原はマリアが登校前にこの家に来て、メモ通りに進んでいって、どこかの部屋に閉じ込められた可能性が高いと考える。灰原たちはマリアを助けるため、急いで本をきれいに並べて整理整頓するが…。
工藤邸の前にたくさんの報道陣が集まる。ネットで新一は生きていて、紅の修羅天狗殺人事件を解決したと話題になっているのだ。コナンは騒動が鎮まるまで阿笠の自宅に身を潜める事に。放課後、灰原、元太、歩美、光彦は担任の小林に頼まれ、東尾マリアの自宅を訪ねる。いつも通り登校したはずのマリアが学校を休んだのだ。マリアは他界した祖母が遺した宝物を探している可能性が高く、灰原たちは祖母の自宅を訪ね、宝物探しのヒントが書かれたメモの解読に挑む。 帝丹高校にもマスコミが多数集まってくる。世良は新一の事がワイドショーで話題になっていると蘭に教える。灰原たちは本棚の所に書かれた矢印が地下の部屋を示していると見破る。灰原たちが地下の部屋に入るとベッドやタンスにぬいぐるみが置かれていた。サイドテーブルには「夜中のおトイレも、これで安心ね」というメモ紙が貼られていた。灰原がスタンドのライトを点け、部屋の電気を消すと、壁にデコボコの模様が映し出される。灰原はサイドテーブルの上に何か置かれていた跡がある事に気付く。灰原がその跡に合わせて写真立て、台座付きの人形を置くと、投影された壁の模様が変化。さらに元太が棚の上で倒れたヨットの模型を起こすと、壁に大きな矢印が投影される。 灰原たちは矢印が示した隣りのトイレにやってくる。洗面台の下には矢印と「バードちゃんのお世話してね」というメモ紙と共にコップに入った水飲み鳥の人形が置かれていた。灰原たちはこのヒントを解読できず、光彦と歩美はコナンに聞こうと提案。灰原はコナンのスマホに連絡し、話を聞いたコナンは水飲み鳥に水を与えれば動くと教える。灰原たちはコナンの指示通りに水飲み鳥に水を与え、矢印が示しているのはトイレの向かいの部屋だと判明する。 その頃、工藤優作と工藤有希子は羽田空港で今回の騒動の発端になった工藤ファミリーフリークの女性と会っていた。この後、灰原はコナンに再び連絡し、トイレの向かいの部屋の扉が開かないと助けを求める。優作と有希子はブロガーの女性と別れた後、コナンに会いに行く。コナンは今回の一軒で黒ずくめの組織に目を付けられた可能性が高くなっていた。優作は羽田浩司の殺害現場に残されていた暗号を解き、ついに黒ずくめの組織のボスの正体がわかったとコナンに伝えて…。
小五郎のもとに毒島豊子という女性ファンから招待状が届く。豊子は月島でやっているもんじゃ焼きの店に来てほしいという。小五郎は写真を見て美しい豊子を気に入り、コナンを連れて豊子の店を訪れる。小五郎が軒先で踊っている老婆に声をかけると、老婆は店の中に入っていく。老婆が厚化粧をすると写真と同じ豊子の顔になるが、すぐに厚化粧は剥がれて老婆に戻る。豊子は老婆だったのだ。 この後、小五郎とコナンは隅田川の方に向かった豊子の跡を追う。豊子は隅田川の月島岸で不気味に踊っていた。昔、豊子は銀座の大きな劇場のダンサーだったという。小五郎とコナンは豊子の店に戻り、もんじゃ焼きをご馳走になる。店の壁には東京婆ールズコレクションのポスターが貼られていた。豊子もコナンたちと一緒にもんじゃを食べるが、もんじゃを喉に詰まらせて苦しみ出す。小五郎が水を飲ませると、豊子はキャベツの芯を吐き出す。豊子は何者かが命を奪おうとして芯を入れたと怯える。 豊子が犯人と疑っているのは幼馴染みの布田英子、宇賀神京子、周防友子の3人だった。豊子はブー、英子はフー、京子はウー、友子はスー。豊子たちは月島のブー・フー・ウー・スーと呼ばれていた。豊子はこの事件の調査を依頼。探偵料をもらった小五郎は依頼を快く引き受ける。小五郎とコナンは東京駅の新幹線のホームでジョギングしているフーこと英子に会いに行く。英子は豊子を恨んでいる事をあっさり認める。中学の時、英子は交際していた卓球部のキャプテンを豊子に奪われたという。 この後、小五郎とコナンはウーこと京子、スーこと友子にも会いに行く。中学の時、京子は付き合っていた野球部キャプテン、友子は彼氏だった柔道部キャプテンを豊子に奪われたらしく、2人とも豊子の事を恨んでいた。コナンは3人が豊子を恨んでいると言いながらも楽しそうに笑顔だった事が引っかかる。小五郎は英子、京子、友子から話を聞き、3人が共謀して豊子を殺害するためにもんじゃの中にキャベツの芯を入れたと推理する。だが、コナンは小五郎の推理は絶対にあり得ないと呆れる。 小五郎は幼馴染み3人が犯人だと豊子に伝える。豊子は警視庁捜査一課の目暮警部に連絡してほしいと頼む。豊子は自分の余命が幾許もないと情に訴え、小五郎は目暮に連絡すると約束する。豊子は目暮に連絡する小五郎を見て微笑む。豊子が調理場に消えた後、コナンは東京婆ールズコレクションのポスターに目を留める。ポスターには豊子、英子、京子、友子の笑顔の写真が載っていた。コナンは調理場を覗き、嬉しそうに踊る豊子を確認。コナンはそんな豊子を見て、事件の真相を見破る…。
コナン、光彦、歩美、灰原は米花中央病院に搬送された元太のお見舞いに行く。元太が同じように事故に巻き込まれた無職の大坪菊英と劇団員の神楽澄人と話していると、会社員の河内山豪、劇団員の伊部遥が神楽のお見舞いに来る。河内山は事故に遭ったのに神楽を嬉しそうに撮影する。銀行に1本の電話がかかってきたのは約1時間前。それは銀行に仕掛けた爆弾を1分後に爆発させるという電話だった。 客や行員たちは我先にと外へ逃げ出し、銀行前を通りかかった元太たちが巻き添えを食ってケガしたのだ。電話はすぐ近くの公衆電話からかけられたものと判明したが全くのデタラメだった。銀行は被害者たちに治療費や見舞い金を支払うと約束したという。コナンは事故に遭ったのに嬉しそうな理由を神楽と河内山に訊ねる。半月前、神楽は道を歩いている時に工事現場の不発弾の爆発に巻き込まれていた。 神楽は工事業者から相当な見舞金をもらって借金を一気に返済。河内山は爆発に巻き込まれた神楽をネタにした写真をSNSにアップして、たくさんの“いいね”をもらっていた。今回も神楽は見舞金をもらえ、河内山は“いいね”を稼げるので嬉しそうなのだ。河内山は狸ポン吉というアカウント名を使っている事を明かし、それを聞いた大坪は忌々しげに河内山を見つめる。 神楽と河内山は昔からの親友で、神楽と遥は同じ劇団に所属。3人はいつも一緒に遊んでいるという。皆が退院する時、コナンは大坪と知り合いなのかと河内山に質問。河内山は知り合いじゃないと答える。この後、コナンたちは誰が銀行にウソの電話をしたのか調査を開始。コナンは神楽が半月間で2度も同じような目に遭った事が気になる。コナンは見舞金に味をしめた神楽が銀行に電話をかけ、巻き添えの被害者を装った可能性もあると考える。コナンたちは手分けして神楽と大坪を調べる事に。 歩美と灰原は神楽を尾行し、元太と光彦は劇団主宰者の出羽恥一朗が営む喫茶店を訪ねる。出羽はまたおいしい巻き添え被害に遭いたいと神楽が話していた事を明かす。コナンは大坪のアパートを訪れ、隣人の安川シロから話を聞く。大坪は“いいね”を稼ぐ事が生き甲斐で、狸ポン吉をライバル視していた事が明らかに。3日前、大坪は運の悪い神楽を尾行すれば、また不運な目に遭うからネタにできると話していたという。大坪が銀行前で不運な事故に巻き込まれたのは神楽を尾行していたからだった。 この後、コナンは元太たちと合流し、それぞれ調べた内容を報告し合う。元太や光彦は神楽が犯人だと疑うが、コナンは決定的な証拠がないと考えていた。尾行していた大坪は神楽が銀行に電話をかける姿を目撃した可能性があり、コナンたちは明日にでも大坪に会って話を聞く事にする。だが、翌朝、公園で頭を殴られて殺害された大坪の遺体が発見されて…。
銀行に爆弾を仕掛けたというウソの電話があり、銀行前を通りかかった元太や無職の大坪と劇団員の神楽は騒ぎに巻き込まれてケガをする。半月前にも工事現場の不発弾の爆発に巻き込まれて見舞金をもらった神楽。友人の河内山は運の悪い神楽をネタにした写真をSNSにアップして、たくさんの“いいね”を稼いでいた。コナンたちは銀行にウソの電話をした犯人捜しを開始するが…。翌朝、公園で殺害された大坪が発見される。光彦は神楽が爆弾騒動の犯人と気付かれ、口封じのために殺害したと推理する。 コナンたちは証拠を掴むため、昨日騒動があった銀行に向かう神楽に直撃する。昨日がバイトの給料の振り込み日だったが騒動があって下ろしそびれたという。神楽は大坪が殺害された事を知らない様子だった。コナンはまた見舞金がもらえるような巻き添え被害に遭いたいと皆に話していたのかと確認。神楽はそんな事は言っていないと否定する。この後、神楽は河内山が自宅に飲みに来るから買い出しに行くと言ってコナンたちと別れる。コナンたちは劇団主宰者の出羽からもう一度話を聞く事に。 出羽は巻き添え被害に遭いたいと神楽から直接聞いた訳ではなかった。そして、この発言を聞いたという発信源は河内山と判明。出羽は河内山が神楽を陥れ、遥を振り向かせるためにデマを流したと疑う。灰原は河内山、神楽、遥は単純な仲良し3人組ではないと推測。コナンはスマホで河内山のSNSを確認して何かに気付き、遥に会いに行く。コナンが河内山、神楽と三角関係なのかと訊ねると、遥は全くないと笑い飛ばす。元々、役者としての神楽のファンだった遥は一緒に芝居をやりたくなって劇団に入ったという。その後、遥は神楽から河内山を紹介してもらったのだ。神楽と河内山は大学時代からの友人で、大学時代は河内山も芝居をしていた。遥は3人の間に恋愛感情はなく、仲間である事を強調する。 遥と別れた後、灰原は遥に自覚がなくても2人が彼女をどう思っているかが問題だと指摘。コナンは爆弾騒動と大坪を殺害した事件の背景が見えてきていた。コナンは現場の公園に戻り、高木刑事、千葉刑事に捜査の状況を確認する。コナンは予想に反し、爆弾事件の手掛かりがないと高木から聞いて驚く。だが、銀行に電話があった直後、問題の公衆電話を清掃する作業員は目撃されていた。清掃会社はその時間に作業をしていなかったらしく、千葉はその人物が犯人に間違いないとコナンに教える。 この後、大坪が殺害された昨夜8時頃に現場の公園から慌てて逃げ去る人物を目撃したと匿名の110番通報がある。通報者はネットで話題の運の悪い男かもしれないと神楽の事を話していたという。それを聞いたコナンは犯人の企てがまだ終わっていない事に気付く。コナンの推理が正しければ、手掛かりを残さなかった事も説明がつくのだ。コナンは犯人の新たな犯行を阻止するために急ぐが…。
鹿屋建設社長の梅木弘道と野々垣不動産社員の水沢翔は管理地を巡回中に干上がったダム湖で車を発見。車内から白骨化した佐伯由利の遺体が40年ぶりに見つかる。遺体の腹部にはナイフが刺さっていた。40年前に消えた呪いの宝石、ボルジアの涙。当時は由利が持ち逃げしたと噂されたが、車内から宝石は発見されなかった。由利の孫の佐伯菫は小五郎の事務所を訪れ、40年前の事件について相談する。 40年前に制作されたヤマトテレビ創立5周年記念ドラマ「私が殺しました」(通称ワタコロ)。菫はこのドラマの主演女優、朝比奈なぎさの付き人だった祖母の由利は事件の被害者だと訴える。小五郎は警察に電話して捜査状況を探る。殺人と断定できないというのが警察の見解。由利が宝石を紛失し、自ら命を絶った可能性もあるという。40年という時間の壁もあって捜査の続行は困難だった。 コナンと蘭は菫を送りながら話を聞く。米花町のテレビ局からロケ先のダム湖まで宝石を運ぶ役目だった由利。菫は祖母の無実を証明したい様子だった。この時、鹿屋建設顧問の鹿屋辰馬が菫に声をかけてくる。菫は40年前の由利にソックリだという。鹿屋は40年前ワタコロを撮影したカメラマンだった。コナンたちは鹿屋の自宅に行って当時の話を聞く。由利となぎさは姉妹のように仲が良かったという。 録画ではなく、生放送されたワタコロ。なぎさはクライアントの娘だったために女優デビューできたという。朝比奈家はボルジアの涙を買い込んだ程の成金だった。生放送当日、由利はボルジアの涙の指輪を持ってロケ現場に現れず、最終的に小道具の指輪を使ったという。鹿屋はロケ地の湖畔の詰所でリンゴを剥くなぎさを撮影した事を今も鮮明に覚えていた。鹿屋は放映直後になぎさが倒れたと明かす。なぎさは40度の熱があったという。生放送を中止にできないため、なぎさは無理して撮影をしたのだ。 コナンたちは介護施設にいるなぎさに会いに行く。菫が由利の名前を出すと、なぎさは「由利さんごめん なさい。許して!」と絶叫して拒絶反応をする。コナンは2人の間に何かがあり、それがなぎさのトラウマになったと考える。この後、介護施設の前庭で西洋史の教授だった千住英雄が由利と間違えて菫に声をかけてくる。千住もワタコロの関係者の1人だった。 千住はボルジアの涙は歴史上に実在しない偽物だったと明かす。千住は40年前、テレビ局からは本物と証言してほしいと頼まれた事を告白。千住は無理に本物と言えば持ち主が大恥だと忠告したが、まともに話を聞いてくれたのは由利だけだったという。夕方、小五郎は知り合いの水沢に相談があると呼び出され、野々垣不動産を訪れる。小五郎は焦げ臭い事に気付いて建物の中に入っていく。小五郎は煙がもうもうと噴き出す部屋のドアを開けた途端、噴き出した猛烈な炎に巻き込まれて…。
ダム湖で車に乗った由利の遺体が40年ぶりに発見される。遺体の腹部にはナイフが刺さっていた。40年前に消えた呪いの宝石、ボルジアの涙。当時は由利が持ち逃げしたと噂されたが、車内から宝石は発見されなかった。40年前に制作されたドラマ「私が殺しました」(通称ワタコロ)の主演女優、なぎさの付き人だった由利。コナンと蘭は祖母の無実を証明したい孫の菫に協力し、ドラマ関係者たちから話を聞く。その頃、小五郎は知人の水沢に相談があると野々垣不動産に呼び出されて火事に巻き込まれる。 鹿屋建設社長の梅木と共に由利の遺体を発見した野々垣不動産社員の水沢は原因不明の火事によって命を落とし、小五郎もケガをして病院に搬送される。関わる人に災いをもたらすというボルジアの涙の噂は本当だった。目暮警部は水沢が火事の前に殺害されていた事を明かす。水沢は写真を撮るのが好きだったが、スマホには写真が1枚も残っていなかった。高木刑事は犯人に消されたと考え、コナンは犯人に都合が悪い写真があったと推理する。高木は削除された写真データの復元を鑑識に手配する。 目暮は小五郎の証言から火事になる前の午後5時から5時半に水沢は殺害されたと考える。その時間、野々垣不動産の野々垣社長は車で法要に向かっていた事が明らかに。だが、証人は身内の奥さんだけだった。梅木は5時頃から友人数人と一緒に飲んでいた事がわかる。この後、コナンは火元の書斎を調べる。書斎はガラクタ置き場になっていて、コナンはアルコール度数90度以上の強いお酒があったと聞いて犯人が仕掛けたトリックを見破る。 翌日、鹿屋建設顧問の鹿屋から連絡があり、コナンは阿笠博士と共に鹿屋邸を訪れる。鹿屋はコナンに頼まれていたワタコロのラストの映像を探し出したという。コナンはフィルムを見て、窓について確認する。当時カメラマンとして現場にいた鹿屋は窓を閉めていたと答える。コナンはワタコロのラストを撮影したロケ現場のダム湖にやってくる。コナンは40年前に小屋が建っていた場所に行き、そこから何が見えるかを確かめる。40年前のボルジアの涙が消えた事件と水沢が殺害された事件、2つの事件の真相に辿り着いたコナンは小五郎、目暮警部らを鹿屋邸に集める。コナンは変声機を使い、眠りの小五郎として、2つの事件の謎を解き明かしていく…。
コナン、歩美、元太、光彦、灰原、阿笠博士は米花恐竜館にやってくる。コナンたちは中央ホールで行われた着ぐるみの恐竜が戦う恐竜ショーを楽しむ。この時、恐竜に追われた歩美が転倒。実況をしていた司会者の内藤辰樹は歩美を抱き起す。恐竜ショーが終わった直後、突然大きな音が鳴り響く。音が聞こえてきた第二展示ルームの前で呆然となる事務員の桂川結愛。そこでは巨大な恐竜の化石像が崩れ落ちていた。学芸員の朽木良人は崩れた化石像にショックを受けて落胆する。 コナンは崩れた化石像の下で絶命した館長の志田信久を発見する。コナンは遺体の近くの床の一部が濡れている事に気付く。駆け付けた目暮警部たちは関係者から話を聞く。朽木は展示物を組み立て中だったため、第二展示ルームは立入禁止だったと証言する。この後、崩れた化石像のワイヤーは何者かに切られていたと判明。近くにはワイヤーを切ったと思われるワイヤーカッターも落ちていた。 化石像が崩れた前後で建物に出入りした人はおらず、目暮たちは内藤、結愛、朽木の誰かが殺害した可能性が高いと考える。コナンたちは捜査の邪魔になると外に出される。この時、コナンは第二展示ルームの裏口付近で小さな石片2、3個を見つける。目暮はショーの実況をしていた内藤を除く2人のアリバイを確認。コナンたちは裏口から顔を出して聞き耳を立てる。結愛は1人で事務室にいたと証言。朽木は1人で恐竜館裏の準備室にいたという。目暮は2人には確かなアリバイがないと判断する。 朽木は結愛が犯人だと疑う。結愛は病気の母の治療費が足らずに志田に相談。志田はお金を貸す代わりに自分の女になれと結愛に迫っていたという。結愛は志田を恨んでいた事を認めるが、朽木も志田を恨んでいたと証言する。化石の展示を大事にしたい朽木と集客のために派手なショーを重視する志田は意見が合わずに衝突していたという。この後、結愛がいた事務室はスタッフルームの奥にあり、スタッフに気付かれずに外に出る事は不可能だとわかり、結愛のアリバイが立証される。 目暮は館長室のゴミ箱から証拠が見つかったと皆に伝える。それは志田を第二展示ルームに呼び出す朽木からの手紙だった。朽木はそんな手紙は知らないと訴える。内藤は事前にワイヤーを何本か切り、志田が第二展示ルームに来た時に最後の1本を切ったと朽木の犯行を推理。朽木は自分はやっていないと無実を主張する。目暮は化石の保護に使う液体、パラロイドが現場の床にこぼれていた事も明かす。これは朽木が普段から使っている液体だった。朽木はいくつも証拠が出てきて言葉を失う。この後、コナンは館長室の前の廊下で小さな赤い破片を発見してハッとなる。コナンは館内図を確認した後、館内を調べ直して事件の真相に辿り着く。
小五郎は日売テレビのラジオ番組「昼までワイド」お悩み相談コーナーにゲスト出演する。本番前、プロデューサーの万田照臣(まんだてるおみ)はディレクターの鯨井守(くじらいまもる)、アナウンサーの犬山二之助(いぬやまにのすけ)、放送作家の矢代楓(やしろかえで)、ADの阿部理恵(あべりえ)を小五郎に紹介する。小五郎はお調子者の万田に勧められ、お酒を飲んでから本番に臨む。 TMという女性からの相談はマンションの真上の部屋に住む女性が非常識で困っているというもの。その女性は騒音を出し、タバコの吸い殻や空き缶をTMのベランダに投げ落とすという。酔った小五郎はこの迷惑女に対して暴言を連発。万田たちは放送が盛り上がって大喜びする。数時間後、都内マンションの302号に住む鬼島公美(きじまくみ)は202号室の万田十和子(とわこ)の部屋に怒鳴り込む。公美は自分の事をラジオで笑い者にしたと憤怒し、十和子も言い返して激しい口論になる。 翌朝、撲殺された十和子の遺体が発見され、小五郎とコナンは遺体が発見されたマンション近くの公園にやってくる。死亡推定時刻は昨夜の午前0時前後。目暮警部は十和子と揉めた公美の事を犯人と疑っていた。昨日、公美は郵便受けに入れられたCDとワープロ打ちの手紙を発見。手紙には「お前の事を世間の笑い者にしてやったもんね」と書かれ、CDには録音したラジオの放送が入っていたという。公美は十和子の仕業だと思って怒鳴り込みに行ったのだ。 だが、楓は相談者のTMは十和子ではなく、森川つぐみという別人だと証言。CDを入れたのも十和子ではなく、誰が入れたかは高木刑事が捜査中だった。 元タレントの十和子は万田と別居中の奥さんで、万田は離婚を求めたが十和子は断固応じなかったという。この後、CDを公美の郵便受けに入れたのは万田と判明する。観念した万田は公美にラジオを聞かせれば面白い事になると思ってCDを入れたと認めるが、殺害されるとは思っていなかったと主張。楓は公美の無実を証明してほしいと小五郎に頼む。楓は公美が犯人なら事件を引き起こした万田も罪に問われると心配する。7年前、万田は楓が持ち込んだ脚本をラジオドラマに採用。万田は放送作家としてデビューさせてくれた恩人なのだ。1ヵ月前に楓はプロデューサーの交代で番組に来た万田と再会したという。 この後、犯行時刻に公美が飲み屋で酔い潰れていた事がわかる。目暮たちは公美の無実が証明されると、今度は十和子が殺害されて得をする万田を疑う。目暮が昨夜のアリバイを訊くと、万田は皆と飲みに行ったが眠くなって帰宅したと証言。犯行時刻に1人で自宅にいた万田はアリバイがないに等しかった。犬山と鯨井も万田が公美の犯行に見せかけ、十和子を殺害したと疑う。目暮は詳しく話を聞くため、万田を署まで連行するが、コナンはお調子者の万田に計画的な犯罪ができるのかと疑問を抱いて…。
真上に住む女性が非常識だという相談がラジオ番組で取り上げられ、都内マンションに住む公美はラジオで笑い者にしたと真下の十和子の部屋に怒鳴り込む。翌朝、十和子の遺体が発見され、目暮警部はと公美を犯人と疑う。昨日、ラジオ放送を録音したCDが郵便受けに入っている事に気付いた公美は十和子の仕業だと思って怒鳴り込みに行ったのだ。十和子はラジオプロデューサーの万田と別居中の奥さんで、離婚には断固応じなかったという。そして、CDを公美の郵便受けに入れたのは万田と判明する。 万田は2人を揉めさせるためにCDを入れた事を認める。この後、公美の犯行時刻のアリバイが証明され、目暮たちは十和子が殺害されて得をする万田を犯人と疑う。目暮は詳しく話を聞くため、万田を署まで連行するが、コナンはお調子者の万田に計画的な犯行ができるはずがないと考え、アナウンサーの犬山、ディレクターの鯨井を真犯人と疑う。万田は独立してフリーになろうとする犬山を妨害。鯨井は番組を私腹を肥やす道具と考える万田を軽蔑。2人は万田を陥れる動機があるのだ。だが、放送作家の楓は2人が万田を陥れるために十和子に殺害するなんて馬鹿げた事はしないと考える。 コナンはADの理恵から話を聞く。理恵は鯨井が万田を無能呼ばわりしていたと証言。万田がディレクターの頃に演出したドラマ「さよならも言わずに消えた」を酷評していたという。それは楓の放送作家のデビュー作だった。楓にとっては万田を恩人と慕う事になり、鯨井にとっては万田がを無能と見限る事になったドラマ。コナンはラジオ制作部に行って、このドラマの台本に目を通す。さらにコナンは理恵に頼み、このドラマを録音した音源を聞かせてもらって何かに気付く。 音源を確認後、コナンは台本の登場人物表の主人公、井坂希子(いさかきこ)役の安達十和子(あだちとわこ)という女優に注目する。コナンは変声機を使い、小五郎として当時のプロデューサーだった神尾義隆(かみおよしたか)に電話し、この女優の話を聞く。この後、コナンは昨日の反省会の時、「今日のお悩み相談、万田さんの奥さんの上の人にも聞かせてあげたかったね」と誰かが言っていたという話を思い出し、誰だったのかを理恵に確認。その発言をしたのはコナンの推理通りの人だった。 コナンは再び変声機を使い、問題のお悩み相談を投稿してきたTMこと森川つぐみに電話をかける。コナンの推理通り、つぐみがあの相談を投稿したのは偶然ではなかった。事件の真相に辿り着いたコナンは目暮や小五郎、関係者たちを屋上庭園に集め、真犯人を徐々に追い詰めていく。真犯人が今回の事件を企てたのはプロデューサーの交代で万田が皆の前に現れた1ヵ月前。万田が皆の前で離婚に応じない別居中の奥さんの話題を話した時だった…。
玉木ブックカフェ店主の玉木裕次郎(たまきゆうじろう)は出張買取の依頼を受けて水谷明子(みずたにあきこ)の自宅を訪問。コナン、光彦、元太、歩美、灰原も裕次郎を手伝うために同行する。書斎にはたくさんの本があり、その中の10冊は価値のある稀覯本だった。稀覯本は入院中の夫のものらしく、裕次郎は稀覯本を買取らず、夫の了承を得てほしいと明子に伝える。 コナンは写真立てに飾られた花々の写真に目を留める。どの写真も一部分が黒くくすんでいた。この後、歩美は本の中に小さい虫の紙魚(シミ)がいる事に気付く。裕次郎は紙魚対策として、歩美からもらったウサギのキャラ絵の紙にラベンダーの香りがする液体を数滴垂らして本棚に挟む。ラベンダーの香りが苦手な紙魚はいつの間にかいなくなるという。 夕方、玉木ブックカフェに沢田良介(さわだりょうすけ)が現れる。沢田は10冊ほどの古書の背表紙が写ったスマホ画像を見せ、いくらになるかと訊ねる。本は貴重なものばかりで、裕次郎は状態にもよるが最低でも200万円だと興奮気味に伝える。金額を聞いた沢田は「あの野郎」と呟いて去っていく。後日、コナン、光彦、元太、歩美、灰原、阿笠博士は玉木ブックカフェにやってくる。裕次郎の息子の玉木一朗(いちろう)とその恋人、吉川美知子(よしかわみちこ)が接客する。 裕次郎は奥で明子から買取った本の状態の確認と修理をしていた。夫が稀覯本だけは売らないと言ったらしく、それ以外の本を買取ったという。その時、明子から店に電話がある。稀覯本が盗まれたらしく、明子は裕次郎を犯人と疑っていた。身に覚えがない裕次郎は直接釈明するため、明子の家を訪れ、コナンたちもついていく事に。明子は11時半頃に友人とランチに出掛け、13時頃に帰宅して窓ガラスが割られ、本がない事に気付いたと明かす。それを聞いた裕次郎はずっと店にいたため、盗みに入る事は不可能だと身の潔白を主張。だが、明子は誰かに盗ませた可能性があると裕次郎への疑いを解かない。 明子の自宅を出た後、コナンたちは裕次郎と別れて家路につく。この時、コナンはスマホをカフェに忘れた事に気付いて取りに戻る事に。裕次郎が閉店作業をしていると、沢田が正確な買取金額を知りたいと稀覯本を持参して現れる。裕次郎が査定したのは明子の家にあった稀覯本と同じだった。この時、本からウサギのキャラ絵の紙が落ち、裕次郎は明子の自宅から盗まれた本だと察する。沢田は通報しようとする裕次郎を突き飛ばして去っていく。この後、コナンたちがカフェの横にある公園を通りかかると、野次馬が集まっていた。規制線の向こう側には目暮警部たちと服が血で汚れている裕次郎の姿。地面には沢田の遺体が横たわっていた。裕次郎は事件の重要参考人だった…。
小五郎は脅迫状が届いたという資産家の諸岡郡蔵(もろおかぐんぞう)から仕事を依頼され、コナン、蘭、喫茶ポアロの安室透を連れて諸岡に会いに行く。待ち合わせた黒ウサギ亭はバニーガールが接客する飲食店だった。諸岡が執事の深町惇史(ふかまちあつふみ)と現れると、小五郎は脅迫状の内容を確認。そこには「命が惜しくば、黒ウサギ亭に近づくな」という切り抜き文字が貼りつけられていた。 諸岡はバニーガールの朝倉有里(あさくらゆり)を指名。諸岡は好きな注文して良いと伝え、有里はフルーツ盛り、玉子焼きなどを注文する。有里は指先にユリの花を描いた付け爪をしていた。深町が席に座って、メガネを拭いてテーブルに置くと、玉子焼きが運ばれてくる。諸岡はソースを取って欲しいと深町に頼む。メガネを外した深町が手間取っていると、諸岡は立ち上がって自分でソースを取ろうとする。その時、諸岡は床に落ちた深町のメガネを踏んづけてしまう。 諸岡は小五郎と一緒に駐車場の車に置いてある深町の予備のメガネを取りに行く。この時、諸岡は有里たちバニーガールの脇を通って外に出る。バニーガールの村上紗菜(むらかみさな)は売り上げがトップになりそうな有里を忌々しそうに見る。その時、店内に警報音が響き渡り、有里はグラスを置いてスマホをチェックする。深町はスマホを触っている時に誤って警報音を鳴らしてしまったと謝罪する。 この後、紗菜は有里とぶつかり、紗菜のワインが有里のカフスにかかる。有里はテーブルにグラスを置き、更衣室にある替えのカフスを取りに行く。駐車場に着いた後、小五郎は深町の事を訊ね、諸岡は先日他界した奥さんの家に古くから仕えていた事を教える。小五郎は親しそうな有里との関係も質問。諸岡は店の隣りの洋服屋でスーツを新調した時に会いに行く程度の関係だと答える。 諸岡、小五郎たちは席に戻るとお酒と会話を楽しみ、有里はフルーツを食べながらお酒を飲む。その直後、有里は苦しみながら倒れ、小五郎はすぐに救急車と警察の手配を頼む。紗菜は諸岡と有里の関係を勘繰っている事を蘭に教える。諸岡は有里の事をちゃん付けしていたが、有里が倒れた時は呼び捨てにしていたという。この後、目暮警部たちが捜査を開始し、有里が飲んでいた酒からヒ素が検出される。有里は一命をとりとめたものの意識は戻っていなかった。 諸岡は自分が脅迫されていた事を目暮たちに打ち明ける。諸岡は犯人が自分を殺害しようと盛った毒を有里が間違って飲んだと考えていた。だが、コナンは諸岡と有里のグラスの形状が異なり、間違いようがないと指摘。高木刑事は犯人の狙いは有里の可能性が高いと考える。安室は有里のグラスに毒を混入できたのは諸岡、深町、紗菜だと確信。コナンも3人の中に犯人がいるのは間違いないと考えるが…。
小五郎は脅迫状が届いたと資産家の諸岡から仕事を依頼され、コナン、蘭、安室と共に黒ウサギ亭で諸岡、執事の深町と会う。脅迫状は「命が惜しくば、黒ウサギ亭に近づくな」という内容だった。この後、諸岡たちを接客していたバニーガールの有里が酒を飲んだ後に苦しみながら倒れる。有里は一命をとりとめたが意識は不明だった。有里のワインからヒ素が検出され、安室は有里のグラスに毒を混入できたのは諸岡、深町、バニーガールの紗菜だと確信。コナンも3人の中に犯人がいると考える。 目暮警部は諸岡に事情聴取し、諸岡は深町のメガネを踏んづけた状況を説明する。目暮が玉子焼きにソースをかける諸岡の味覚に驚くと、バニーガールの1人が有里も玉子焼きにソースをかけると教える。諸岡はメガネを取りに行った時に有里とすれ違っていた。諸岡はお気に入りの有里に毒を盛る理由はないと訴えるが、小五郎は愛人の有里に結婚を迫られ、妻にバレる前に命を狙ったと疑う。小五郎は有里が玉子焼きにソースをかけるのも諸岡のクセが移ったと推理。だが、諸岡の妻は半年前に病死していた。 深町はスマホを触っている時に誤って警報音を鳴らしたと目暮に明かす。その時、皆はグラスを置き、毒を盛れるチャンスはあったが、深町はメガネをかけていないので誰がどのグラスなんてわからないと犯行を否定する。紗菜は有里とぶつかり、紗菜のワインが有里のカフスにかかった事を目暮に伝える。紗菜はその一瞬で有里のグラスに毒を入れる事なんてできないと犯行を否定。だが、紗菜は売り上げNo.1の座を脅かす有里を忌々しく思っていた。No.1には半年ごとに多額のボーナスが出るという。 コナンと安室は駐車場に行って諸岡のボディガードから話を聞く。ボディガードは諸岡が最近痩せたり太ったりと体型の変化が激しい事を明かす。転んでケガする事も多く、諸岡は何かに悩んでいた可能性が高いという。安室はケガと聞いて、幼い頃、宮野エレーナに治療を受けた時の事を思い出す。この後、バニーガールの1人が新事実を目暮に証言。深町が1人で有里に会いに来た事があったらしく、最初は楽しそうに話していたが、深町が封筒を出した途端に険悪な雰囲気になったという。小五郎は深町が諸岡と別れてくれと有里に頼みに来て、手切れ金を渡そうとしたと推理する。 バニーガールの1人は諸岡が若い頃、好きな女性と駆け落ちして、鳥取に4年くらい住んでいたと話していたと証言する。結局、諸岡は親に連れ戻されて許嫁の奥さんと結婚したという。偶然にも有里と紗菜も鳥取の出身。有里は鳥取の話題で諸岡と意気投合したという。その時、紗菜のスマホに父親から電話がある。紗菜は病気療養する父親の手術代を必要としていた。安室はボディガードから聞いた話を目暮、小五郎に伝える。安室は話している時に再びエレーナとの記憶を思い出して…。
何者かが黒ウサギ亭の有里の酒にヒ素を入れる事件が発生。有里は一命をとりとめたが意識は不明だった。コナンは有里のグラスに毒を混入した犯人は諸岡、深町、紗菜の中にいると考える。安室はコナンと共に関係者から話を聞いている時に幼い頃、宮野エレーナに治療を受けた時の事の記憶を少しずつ蘇らせる。ケガして宮野医院を訪れた安室はエレーナと夫の宮野厚司の会話を偶然聞いていた。研究をバックアップしてくれる施設に行くか悩んでいた厚司。その施設のスポンサーは烏丸グループだった。 蘭は店でユリの花が描かれた有里のつけ爪を拾って高木刑事に渡す。蘭は気付かない内につけ爪を踏んでしまってボロボロになっていた。コナンは有里がそのつけ爪をいつも付けているのかをバニーガールの1人に確認。バニーガールは有里が私のトレードマークと言って、そのつけ爪をいつも付けていたと答える。蘭は有里のつけ爪を踏んづけたために今日は散々だとぼやく。蘭はこの前にも財布を落としていたのだ。コナンは財布の事を訊ね、蘭はトイレ前で安室が拾ってくれたと答える。 この後、コナンと安室は小五郎の何気ない一言をヒントに事件の真相を見破る。犯人は有里のつけ爪を標的にして有里のグラスに毒を入れていたのだ。目暮警部は諸岡、深町、紗菜の事情聴取を続ける。諸岡はグラスを持った有里とすれ違った事は認めるが、その一瞬で有里のグラスに毒を入れる事なんてできないと身の潔白を主張。紗菜も有里にぶつかってワインをひっかけた時に毒を入れる事なんてできないと無実を訴える。深町もメガネをかけていなかったので、有里がグラスをテーブルに置いた時に毒を入れる事なんてできないと犯行を否定する。 諸岡は早く解放してほしいと目暮に要求する。諸岡は有里が心配なのですぐに病院に行きたいと訴える。目暮はただの客の諸岡がそこまで心配する事に違和感を抱く。小五郎は諸岡が有里から結婚を迫られ、困り果てた末に毒殺しようとしたと推理。紗菜は諸岡が病院にとどめを刺しに行くつもりだと疑う。だが、諸岡は紗菜の犯行を疑っていた。有里がいなくなれば、売り上げNo.1になる紗菜。諸岡は多額のボーナスを手に入れるために紗菜が犯行に及んだと疑う。紗菜は難病の父親の手術費を必要としていた。 紗菜は有里に手切れ金を渡そうとした諸岡に言われたくないと激怒するが、諸岡は手切れ金と聞いてもピンとこない。紗菜は深町が有里に金を渡そうとして突き返された話をして、諸岡はどういう事だと深町に詰め寄る。この後、コナンは目暮に声をかけ、容疑者2人は言動から犯人の可能性はない事を伝える。そして、コナンは犯人が使ったトリックを暴きながら徐々に犯人を追い込んでいく。事件解決後の夜、安室は合鍵を使って工藤邸に侵入。安室と赤井は拳銃を構えたまま対峙して…。
コナン、元太、光彦、歩美は村営昆虫人間牧場がある黒野須駅に降り立つ。その時、不気味な鳴き声が聞こえてくる。音がするのは立入り禁止の看板がある森の中だった。森では村人たちがショベルカー、ブルドーザーで作業をしていた。不気味な鳴き声の正体は作業の音だったのだ。コナンたちは村人たちに睨まれ、慌てて逃げていく。コナンたちは駅の方に戻り、食堂の前でカブトムシ人間に遭遇する。 カブトムシ人間はカブトムシに仮装した小学生だった。小学生は昆虫の仮装をしている理由を紙芝居「村営昆虫人間牧場事件」を使って説明する。政府の役人はこの村の森に国立カジノ付きスーパー銭湯を作ろうと計画。村の大人たちは大喜びするが、村長だけは猛反対する。村の森には、かつてこの世の昆虫たちをこよなく愛した蛾蛾姫のお墓があった。政府の役人たちは森を視察した時に蛾蛾姫の祟りに襲われ、建設計画は中止になる。村長は代わりに村営昆虫人間牧場を作ると宣言したという。 猛反対した大人たちは村会議を開いて村長を首にする。その後、元村長は退職金で森を買い取って発掘作業を始める。そんな折、元村長はこの食堂で食事中に突然絶命。元村長は蛾蛾姫の宝の地図を持っていた。元村長は宝を独り占めしようとしていたのだ。村の大人たちは蛾蛾姫の宝の亡者となって発掘作業を開始。子供たちは昆虫人間牧場の夢を捨てきれず、昆虫に仮装して留守を預かっているのだ。歩美、元太、光彦はラーメンを注文するが、コナンは食事をせず、この村で起きた事件の調査を始める。 コナンは郵便局を訪れ、元村長に配達した郵便物の記録を確認。村長はハロウィン用の蛾のコスプレを購入していた。政府の役人たちを襲った蛾蛾姫の祟りの正体は蛾のコスプレをした村長だったのだ。食堂の食事には昆虫人間に仮装できるサービスが付いていて、元太はカマキリ人間、光彦はコオロギ人間、歩美はコガネムシ人間になる。続いて、コナンは村の医院を訪れる。元村長は末期の癌で、自分の命が短い事を知っていた。コナンは余命わずかな元村長が宝を独り占めしようとした事に疑問を持つ。 この後、コナンは村役場を訪れ、村の歴史がわかる資料を確認する。資料には森にかつて大きな前方後円墳の形をした蛾蛾姫の墓があったと書かれていたが、蛾蛾姫の宝の事は何も記されていなかった。宝は存在していなかったのだ。コナンは村長が何の目的で森を買い取り、何の作業をしていたのかを推理する。その時、森の方から元太の悲鳴が聞こえてくる。昆虫人間になった元太、光彦、歩美は森を訪れ、宝に目がくらんで正気を失った村人たちに追われていたのだ。コナンは森に行って元太たちを助けようとする。この時、村人たちが持っていた古地図が吹き飛ばされてコナンの顔に被る。地図には発掘する仕方や手順まで書かれていた。コナンはこの地図を見て、元村長の本当の目的に気付いて…。
米花公園で頭をカチ割られた門脇栄二の遺体が発見される。栄二は門脇家にとっては忌まわしい問題児だった。栄二は母親の安子に暴力を振い、兄の優一が栄二を止めていたと近所で噂になっていた。不審な男が門脇家の事を嗅ぎ回っていた事も明らかになる。目暮警部は優一の犯行を疑うが、優一には犯行時刻のアリバイがあった。この後、不審な男は元小学校教師の安子の教え子だった高瀬と判明。目暮たちは高瀬に話を聞きに行くが…。
米花公園で頭をカチ割られた門脇栄二の遺体が発見される。門脇家の問題児だった栄二は母親の安子に暴力を振い、兄の優一が栄二を止めていたと近所で噂になっていた。不審な男が門脇家の事を嗅ぎ回っていた事も明らかになる。目暮警部は優一の犯行を疑うが、優一には犯行時刻のアリバイがあった。この後、不審な男は元小学校教師の安子の教え子だった高瀬と判明。目暮は安子の次男が殺害された事を高瀬に伝え、犯行時刻のアリバイを訊ねる。高瀬は居酒屋で3時間の飲み食い放題に挑戦していたと答える。その頃、門脇家で火災が発生。優一は逃げ出したが、安子は遺体となって発見される。 目暮は栄二の殺害も火災も門脇家に恨みを持つ同一犯によるものと睨むが、コナンと小五郎は栄二の殺害に関しては安子を恨む高瀬が怪しいと考える。翌日、コナンと小五郎は高瀬のアリバイ工作を暴くため、居酒屋店員の宇野に会いに行く。そして、高瀬は皆に背を向けて飲み食いしていた事が判明。居酒屋から犯行現場までは往復1時間必要だった。目暮たちは門脇家で捜査を続け、火元は台所のガス台にかけてあった油の鍋とわかる。司法解剖の結果、安子は焼死ではないと判明。後頭部に打撲痕があり、遺体が階段の下にあった事から油の鍋をかけている最中に階段を踏み外した転落死の可能性が高まる。 小五郎は不運な事故の可能性が高いと連絡を受けて納得するが、コナンは栄二が殺害された後にそんな事故が偶然起きる事を信じられずにいた。この後、コナンと小五郎は居酒屋入口付近の防犯カメラの映像を確認。コナンは派手な服装の高瀬と体つきは似ているが、地味な服装の男に注目する。午後9時8分頃、男は入店して10分もしない内に顔を隠すように退店。男は10時半頃に再び居酒屋に戻っていた。コナンは高瀬と地味な男がすり替わったアリバイトリックを見破り、小五郎もこのトリックに気付く。 コナンと小五郎は高瀬と男、恩田松夫を見つけ出して昨夜の事を訊ねる。恩田は高瀬の友人だった。恩田は話をはぐらかそうとするが、コナンたちは恩田の態度から2人が居酒屋ですり替わった事を確信する。コナンは高瀬が犯人という確証が必要と訴えるが、小五郎はアリバイ偽装を伝えれば犯行と認めるはずだと安易に考える。この後、コナンと小五郎が高瀬に会いに行くと、高瀬は水上バスに乗って逃げようとする。だが、コナンと小五郎も水上バスに乗り込んでいた。小五郎は居酒屋の替え玉トリックを暴くが、高瀬は自分が犯人という証拠がないと開き直る。コナンは高瀬と話している時に高瀬の本当の犯行動機、火災の真相を見破って…。
午後8時頃、小五郎、コナン、蘭はドッグフードの会社の社長、火乃宮アンナ(ひのみや)の誕生パーティーに呼ばれ、ヨットハーバーにやってくる。係留された大型クルーザーでは副社長の稲村幸四郎(いなむらこうしろう)、専務の江波真知子(えなみまちこ)がアンナに誕生日プレゼントを渡していた。その時、半地下の船室から現れた黒いレインポンチョに黒手袋、黒い覆面をした男が散弾銃を発砲。撃たれたアンナは絶命する。犯人は顔に巻いていた黒いタオルをはぎ取りながら闇に紛れて逃げていく。 駆け付けた目暮警部たちは捜査を開始。コナンは遺体の爪の派手なマニュキアに残る筋状の傷に目を留める。船室には袋からこぼれたアンナの会社の新商品のドッグフードが散乱。この後、船室の収納ロッカーからロープで後ろ手に縛られ、口にガムテ―プを貼られたアンナの秘書の森島草太(もりしまそうた)が発見される。森島は午後7時過ぎのパーティーの準備中に覆面の男に殴られ、意識を失ったと証言。稲村と真知子はアンナの元カレの豹藤誠(ひょうどうまこと)が犯人だと訴える。 豹藤はウソの投資話でアンナの会社から5千万円近くを騙し取り、アンナ個人からも多額の借金をしていた。小五郎、高木刑事は豹藤を見つけ出して話を聞く。散弾銃は稲村のものだったが、稲村は3日前に散弾銃を積んでいた車ごと盗まれたと証言する。かつて交際していた豹藤と真知子。豹藤は真知子が彼氏を奪ったアンナを恨んでいたと暴露。さらに豹藤はアンナがいなくなって一番得するのは副社長の稲村だと言い放つ。豹藤は真知子、稲村の犯行と疑うが、小五郎は豹藤が犯人と考えていた。 目暮は犯人が船室に潜んでいた午後7時から8時のアリバイを訊ね、豹藤はアンナの自宅に空き巣に入っていたと白状する。豹藤は7時20分頃、合鍵を使って部屋に侵入し、現金3万円を盗んだと打ち明ける。豹藤はその時にジムのメンバーズカードを落としたと明かす。高木はアンナの部屋に行き、豹藤のカードが落ちている事を確認。コナンは壁にかけてあるヒョウ柄のワンピースを調べて何かに気付く。 この後、部屋に設置されたペットカメラの映像を確認。空き巣は映っていたが、顔までは確認できなかった。コナンはプードルのサリーが侵入者に飛びつく姿に注目する。小五郎はアリバイ偽装のため、わざとカードを落としたと疑い、映像に映っているのは共犯者と推理する。アンナの自宅はヨットハーバーから車で15分。共犯者がいなくても7時20分に自宅に侵入し、8時にアンナを殺害する事は可能だった。だが、森島は覆面の男はずっと船室にいたと証言。コナンは犯人が最初から証人にするために森島に目隠しをしなかったと推理する。その時、蘭が連れていたサリーが急に走り出す。サリーは豹藤の足元へと飛び掛かり、豹藤は乱暴にサリーを払い除ける。警察が豹藤を逮捕できずにいると…。
女社長のアンナは覆面の男に散弾銃で撃たれて絶命。その日の深夜には容疑者のアンナの元カレ、豹藤が何者かに殺害される。目暮警部は副社長の稲村、専務の真知子、秘書の森島からもう一度話を聞く。小五郎は発見された証拠品のタオルから稲村が豹藤の共犯者と疑うが、稲村は豹藤が犯人という証明もできていないのに共犯者扱いされて憤慨。コナンはプードルのサリーの行動、稲村たちの証言などから事件の真相に辿り着いて…。
コナン、光彦、元太、歩美、灰原は公園でサッカーをしている時に1人でワインを飲んでいる小森朋子(こもりともこ)と知り合う。朋子は涙を流しながら最愛の彼が亡くなったと告白。朋子は未亡人だった。この後、コナンたちは朋子に植物館に連れてきてもらう。朋子は元太たちと遊んでいる間は悲しみを忘れている様子だった。この後、歩美が植物館の中で迷子になる。朋子はインフォメーションセンターを訊ね、迷子の館内放送を頼む。しばらくすると、梶木浩平(かじきこうへい)が歩美の手を引いてやってくる。朋子は歩美を見つけてくれた梶木に感謝し、お礼がしたいと言って梶木の連絡先を訊く。 後日、コナンたちは下校中に朋子と梶木と偶然会う。朋子はこの前のお礼として梶木を食事に誘ったのだ。コナンたちは朋子、梶木と一緒にレストランで食事をする。梶木はメンズコスメブランドの社長だった。梶木はよく公園や植物園を散歩するらしく、雑誌のインタビューでもその話をしているという。別の日、コナンたちは梶木と一緒にサッカーをする。この時、梶木は朋子の手作り弁当を食べて絶賛。梶木はこんな手料理を作ってくれる奥さんがほしいと語り、灰原は遠回しのプロポーズと冷やかす。 後日、コナンたちは朋子の自宅に招待され、阿笠博士は子供たちの世話をしてくれる朋子にお礼を言うために付き添う。朋子の自宅は3階建ての大豪邸だった。コナンたちは朋子に迎えられる。すでに梶木は3階の屋上で皆を待っているという。朋子は梶木がお酒を飲み過ぎて寝ている事をコナンたちに教える。コナンたちが朋子に連れられて屋上の扉の近くに行くと、どこからかスマホの呼び出し音が聞こえてくる。朋子が扉を開けると、コナンは「危ない」と声を上げる。その直後、屋上の縁の方で梶木がよろけて転倒。木製の手すりが壊れ、梶木はそのまま転落して絶命する。 この後、目暮警部、高木刑事たちは捜査を開始。梶木の死因は転落による脳挫傷だった。目暮は梶木との関係を朋子に訊ね、朋子は内縁関係にあったと答える。朋子は最近、梶木からプロポーズされたが、夫を亡くしたばかりだったため、結婚は気が進まなかったという。光彦は転落の瞬間を目撃したと目暮に伝え、事故だったと証言する。屋上でお酒を飲んでいる時に酔って寝てしまった梶木。そして、スマホに着信があって、目を覚ました梶木は慌ててスマホに出ようとしたのだ。梶木は酔っていたため、スマホを落としてしまい、それを拾おうとして転落した可能性が高かった。この後、元太は屋上の床に落ちている梶木のコンタクトレンズに気付く。梶木は目をこすったのか、片方だけコンタクトを落としていた。元太はテーブルの水のボトルを取ろうとして倒してしまう。コナンはテーブルから床に滴り落ちる水を見て、梶木が転落した事故の真相に辿り着く。
コナン、蘭、園子は優雅さと快適さを兼ね備えたキャンプのグランピングを楽しむため、豪華なキャンプ施設にやってくる。施設では会社社長の戸崎敬大(とざきけいだい)、妻の戸崎響子(きょうこ)、メイクの三浦美香(みうらみか)、シェフの田辺博(たなべひろし)が豪華なBBQを前に写真を撮っていた。夜、コナンたちが焚き火の前でまったりしていると、広場の方から従業員の悲鳴が聞こえてくる。広場では戸崎の遺体がライトアップされ、暗闇に浮かび上がっていた。 戸崎の遺体の顔には化粧。口にはタラバガニを入れられ、手にはメモが握りしめられていた。そこに田辺、美香、響子がやってくる。コナンは挙動が怪しい3人に何かしたのか訊ね、3人は戸崎に何かした事を認める。響子は夫の戸崎、美香と一緒に戸崎の友人でもある田辺の料理を食べに来たと証言。美香は戸崎の宣材写真のメイクを気に入られ、そのご褒美としてここに招待されたという。響子は部屋を少し離れ、戻った時には戸崎が絶命していたと打ち明ける。 響子は自分が犯人と疑われるのを恐れ、人のせいにする事にしたと明かす。響子は田辺の部屋に遺体を運び、田辺の犯行と思わせるために厨房の冷蔵庫にあったカニを口に突っ込んだと証言する。田辺は部屋に戻ると遺体があったため、メイクの仕事をする美香に罪を擦り付けようと思ったと証言。田辺は遺体の顔にマジックでメイクをして美香の部屋に運んだという。美香は部屋に戻って遺体を見つけ、人のせいにする事を決断。美香は「犯人は嫁」というダイイングメッセージを紙に書いて遺体に握らせたと証言。美香は遺体を戸崎の部屋まで運ぼうとしたが、面倒臭くなって広場に置いたという。 響子、美香、田辺はお互いに陥れようとした事に腹を立てて言い争いになる。この後、駆け付けた目暮警部、高木刑事たちが捜査を開始。高木はカニを口に入れた理由を響子に訊ねる。響子は戸崎がカニアレルギーだった事を明かし、コナンはアナフィラキシーショックが死因の可能性が高いと考える。田辺も戸崎がカニアレルギーという事は知っていた。表向きはおしどり夫婦の戸崎と響子だが、田辺は2人の夫婦仲は最悪だったと暴露する。田辺は美香を戸崎の愛人と勘繰る。 目暮たちは戸崎との関係を美香に訊ね、美香は仕事だけの関係だと答える。コナンは皆の証言を聞いて、誰かが嘘をついていると確信する。コナンは広場にいる鑑識官から話を聞いた後、容疑者3人の中の1人のテント内を調べ、床に落ちている黒い何かを発見する。コナンは施設のロビーにいる響子に声をかけ、昼間に撮った写真を見せてもらう。それは響子たちがカヌー、食事、お茶をしている時の写真だった。コナンはその写真を見て、事件の真相、誰が犯人かを見破って…。
小五郎、コナン、蘭は打ち合わせのために弁護士の妃英理と会う。明日開催されるHISHIDAホールのリニューアルを記念した小五郎の講演。英理は後半のトークイベントに参加するのだ。帰り際、英理はファイルの一部を落とし、コナンは拾うのを手伝う。そのファイルは大学教授の殺害事件の新聞記事だった。翌日、講演前の小五郎が景気づけにワインを飲んでいると、ホールのオーナーの菱田順子(ひしだじゅんこ)、支配人の氏森勇作(うじもりゆうさく)が楽屋まであいさつに来る。 続けて、イベント会社社長の角筈直也(つのはずなおや)がスタッフの甘木康介(あまぎこうすけ)、古井紀保(ふるいきほ)、筑波芽衣(つくばめい)を連れて小五郎の楽屋に現れる。さらにトークイベントに参加する警備会社社長の月野木英樹(つきのぎひでき)、俳優の猪越健一郎(いのこしけんいちろう)も楽屋を訪問。その時、ロビーの方から元支配人の冷泉茂吉(れいぜいもきち)の大声が聞こえてくる。 先代の時代遅れの経営理念を一新し、同時に冷泉との契約を打ち切った順子。冷泉はステッキを順子に突き付けて激怒していた。この時、冷泉を止めようとした猪越と月野木が言い争いになり、灰原は2人には何か因縁があると察する。講演20分前、歩美、元太、光彦、灰原はサッカーを観戦するためにホールの出口に集まる。灰原は姿を見せないコナンを呼びに行き、歩美たちは先に出発する事に。灰原はコナンがいる小五郎の楽屋を訪れる。コナンと蘭は酔ってうたた寝をする小五郎に呆れていた。 その時、猪越の楽屋の方から紀保の悲鳴が聞こえてくる。コナンたちが駆け付けると、猪越の楽屋のドアの隙間から血が流れていた。ドアは内側に5センチほど開いて動かなくなり、コナンたちは中庭に行って窓から猪越の楽屋の様子を確認。コナンの予想通り、心臓付近にナイフが刺さった猪越の遺体がドアの開閉を阻んでいたのだ。コナンはこの状況から密室殺人と判断する。 この後、目暮警部たちが捜査を開始。猪越の上着の左の胸ポケットには破損した懐中時計が入っていた。破損した部分と凶器の刃は一致していて、目暮は時計が止まっていた2時50分が犯行時刻と考える。床には遺体を椅子に座らせたままドアまで引きずった跡があった。コナンはイスの背に小さなくぼみを見つけ、密室トリックを見破る。芽衣も密室トリックに気付いていた。氏森は講演を1時間遅らせようと提案。小五郎は1時間以内に事件を解決すると意気込む。高木刑事と千葉刑事は関係者を事情聴取。犯行時刻にアリバイがなかったのは控え室に1人でいた冷泉だけだった。小五郎は冷泉が犯人だと言い放ち、ステッキを使った密室トリックを暴く。だが、そのトリックは力を使うため、芽衣は高齢の冷泉には無理だと指摘する。小五郎たちの話を聞いていた冷泉は殺害を認めるが…。
小五郎の講演会が開催される会場で事件が起きる。トークイベントに参加予定だった俳優の猪越が密室状態の楽屋で何者かに殺害されたのだ。小五郎は元支配人の冷泉が犯人だと推理し、ステッキを使った密室トリックを暴く。だが、容疑者の冷泉が自供したのは全く別の殺害事件だった。冷泉がステッキを使って非常階段から突き落としたのはオーナーの順子。冷泉のステッキの先端と遺体のうなじの痣も一致する。冷泉は先代のやり方をないがしろにする順子が許せなかったと供述する。 この後、講演を1時間遅らせる事が正式に決まり、小五郎はトークイベントに参加する警備会社社長の月野木に迷惑をかけると謝罪する。この時、コナンは話している2人を見て何かに気付く。高木刑事は防犯カメラの映像を確認し、冷泉が順子を殺害した時間が判明する。冷泉と順子が非常口を出ていった時間は午後2時45分、冷泉が1人で戻ってきた時間は2時55分だった。猪越が殺害された時刻は2時50分のため、目暮警部は猪越を殺害した犯人は別にいると考える。2つの事件が起きたのはほぼ同時刻。その時間の冷泉を除く関係者たちにはアリバイがあり、目暮と小五郎は犯人が消えたと困惑する。 ロビーでは支配人の氏森、イベント会社社長の角筈、スタッフの甘木、紀保が集まって事件の事を話していた。講演が始まるまで30分を切り、氏森たちは名探偵、眠りの小五郎が解決してくれる事を期待する。コナンと灰原は猪越の楽屋を調べ、窓の近くに重石を置いた2枚の紙片を見つける。紙片は雑誌を破り取ったものらしく、コナンたちは事件後に誰が何のために置いたかを考える。コナンはピンときて、順子が殺害された現場も確認。コナンの推理通り、現場の階段には同じような紙片2枚が置かれていた。コナンと灰原はこの紙片は何かのメッセージだと確信する。この時、コナンはスタッフの芽衣から知らせた方が良いと助言され、紙片の事を小五郎に教えに行くが、小五郎は全く相手にしない。 小五郎と目暮は密室トリックについて考えていた。遺体を座らせたイスをステッキで支えて密室を作ったと推理した小五郎。コナンはステッキの代わりに何を使ったかに気付き、誰が犯人かを見破る。コナンが小五郎に気付いてもらうためにヒントを出そうとすると、芽衣が先に何気なく小五郎にヒントを出す。コナンは芽衣がタダ者ではないと察する。小五郎は芽衣の発言もあって、密室トリックを見破って犯人を特定する。だが、容疑者は犯行時刻にアリバイがあると無実を主張して…。
小五郎の講演会が開催される会場で2つの事件が起きる。元支配人の冷泉はオーナーの順子を殺害。俳優の猪越を殺害したのは警備会社社長の月野木だった。月野木の密室トリック、犯行時刻をズラしたトリックを見破り、犯人の証拠まで見つけたスタッフの芽衣。コナンは芽衣の推理力を目の当たりにして驚きを隠せない。この後、HISHIDAホールで小五郎の講演が始まる。小五郎が名探偵の極意を語る第一部は無事に終了。第二部のトークイベントに参加する弁護士の妃英理も会場にやってくる。 第二部のゲストだった猪越、月野木は参加できなくなり、急遽、芽衣が新世代推理女子として、小五郎と英理と共にイベントに参加する事になる。芽衣は大学で犯罪心理学を勉強していた。コナンは芽衣に推理力がある理由がわかって納得する。スタッフの甘木、紀保は英理を楽屋に案内。英理はテーブルに置かれた重石と紙片2枚に気付く。コナンと灰原は紙片を捨てようとする甘木を慌てて止める。 この後、第二部が始まり、光彦、元太、歩美もサッカー観戦から戻ってくる。コナンは2件の殺人事件が起きた事を光彦たちに伝える。事件現場と英理の楽屋にあった紙片は暗号の可能性が高く、コナンはこの暗号を解くコードブックとなる破られた雑誌を一緒に探してほしいと頼む。トークイベントでは芽衣が名探偵の小五郎に質問。芽衣は1年前にある大学で起きた殺人事件の謎を訊ねる。被害者は大学の教授で、犯人として逮捕されたのは芽衣の友人の兄である研究助手の芦田大翔。自分の論文を教授の著書の盗作と言われ、職を追われそうになった事が動機だった。英理は芽衣の話を聞いて顔色が変わる。 容疑者は犯行を自供し、裁判でも有罪が確定。小五郎は何も問題がないと答えるが、芽衣は大ありだと言って怒りを露わにする。その頃、光彦はスタッフルームで複数のページが破られた雑誌を発見する。雑誌はアメリカのニュース雑誌の日本版だった。コナンは目次を見て、大学教授の殺害事件に目を留める。コナンは英理が大学教授の殺害事件の新聞記事を持っていた事を思い出す。 芽衣は「兄が他人の論文を盗むはずがないし、そんな事で殺害するのも信じられない」と友人が話していた事を小五郎に伝える。公判では控訴も行われずに判決が確定したらしく、芽衣はその理由を推理してほしいと小五郎に頼む。コナンは変声機を使い、小五郎として高木刑事に電話をかけ、ある事を調べてほしいと頼む。小五郎が芽衣の質問に困惑していると、芽衣は彼が控訴しなかった理由は勝手に担当を降りた国選の弁護人に絶望したからだと言い放つ。その弁護士とは英理の事だった。この話は友人の話ではなく、芽衣は服役中の芦田の妹だったのだ。コナンは高木に調べらもらった事を足掛かりに芦田の事件の真相に気付き、小五郎に麻酔銃を発射して…。
高校生探偵・工藤新一は、警察もお手上げの難事件を次々と解決するほどの頭脳の持ち主。ある日、幼なじみの毛利蘭と遊園地に遊びに行った時、黒ずくめの男達による怪しげな取引を目撃する。しかし、その…
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>>続きを読む(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996