なお

オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウのなおのレビュー・感想・評価

4.2
”オンエア時間”

恐らくたぶん、NHKドラマ史上に残る迷言となっただろう。
演出・脚本・編集・そして主演を務めたオダギリジョーが温め続けてきたという、オリジナル企画を元に作成された、3話構成の単発ドラマ作品。

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物語の主人公は、鑑識課警察犬係に所属する警官<青葉一平>と、そのパートナーである警察犬<オリバー>。
オリバーのことがなぜか中年のオッサンに見えてしまうという一平は、オリバーと「会話」することができるという、かなり変わった能力(?)を持ち合わせている。
(それも、「心と心で~」みたいなロマンチックなものでなく、ちゃんとした日本語で、だ)

そんな一人と一匹が、個性豊かな面々の鑑識課警察犬係のチームと共に、難事件の数々を解決していく。
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これが本当にNHKのドラマなのか-----。
そう疑いたくなるほど、暴力とエロを生業とする反社会的組織と警察たちの戦いを、基本コミカルに、そして時にシリアスに描いている。

オダギリジョーが犬の着ぐるみを着て、警察犬オリバーを演じる。
この時点でかなり荒唐無稽なイロモノドラマだろう、と誰もが思うはずだが、見れば見るほどクセになる不思議な魅力を持った作品。

実力派から個性派、若手からベテランまで、あらゆる層の俳優陣が集結。
そのおかげか、ドラマ全体の安定度も非常に高い。

本当に、これといってケチのつけどころが見当たらない内容なのだが、惜しむらくはたったの3話で一応の完結となってしまっているところか。
だが、第3話のラストシーンから臭う続編の存在、そして回収されていない伏線の数々など、このまま本作が完全な終演を迎えるとは考えづらい。

近年のNHKの番組構成を見ていて思うのだが、あのおカタくて真面目一辺倒だったNHKは完全に過去のものとなりつつある。
NHKの朝ドラよろしく、「夜ドラ」の枠を作って、そこで15分尺でもいいから、ぜひまたオリバーたちの活躍を描き続けてほしい。
なお

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