モモモ

地獄が呼んでいるのモモモのレビュー・感想・評価

地獄が呼んでいる(2021年製作のドラマ)
4.4
このひと月でイカゲームに今、私たち…に話題の韓国Netflixドラマを観漁ったが、1番ドツボにハマったのは本作だ。読めない展開、視聴者を突き放し裏切る3話、そして完璧な6話。最高だ。
日本のNetflixは「デスノート」をこのクオリティのドラマで出して闘うしかない。以下、感想。


1話
デスノートの香りを感じる「罪人に神罰」が降る物語。ハルクの様な地獄の使者が、フィジカルでゴリゴリに痛めつける冒頭には笑ってしまった。あまりにも物理的な攻撃、怖すぎる。

2話
おお、ここで終わるかと言う見事なクリフハンガー。狂気に染まっていく民衆、罪人への死を願う姿にここから感情移入していくのだろうか。
「何も起きないが緊張感が持続する」空港までの逃亡が最高。
神の啓示を利用した殺人を実行する議長と娘、これがどう作用していくのか。
燃える人間を見て溢れる憎しみ、喜び、戸惑い、悔恨が笑みとなる名演技。この作品は良い演技合戦が見れそうだ。

3話
とんでもないドラマだ…すげぇ…。まさかS1をかけて描くと思っていた物がここで終わるなんて。
前回の続きをバイオレンスを描き切り、ネットリンチの暴走を揶揄しながら、既存の世界の崩壊を描く。
自信の存在証明と哲学を懸けた「自律」への問い掛けはさながらキリングジークのバットマンとジョーカーの様だ。「信念」と「幸福」をかけた戦いに敗れた者を迎入れる娘の眼差しで「世界の変貌」を語る。あの頃の世界は、あの頃の娘は、もうどこにもいない。
「何故こんな事が?どんな罪が?」に対して「そんな物はない」と言い切る不条理さが良い。

4話
前話の怒涛の展開のせいで、まるで安心できない居心地の悪い瞬間が持続し続ける。冒頭から「あー、奥さんが宣告を…」と思いきや。まさかのそっちかと。何て胸糞の悪い。横領とエロ動画?の保存程度で死んだ人がいるなら、やはり宣告には裏があるのだろう。それとも3話で示した通り「罪がなくても死ぬ」不条理な物なのだろうか。敗北では終わらず「傷ありショートヘア」での再登場、最高です。かましたれ!

5話
すげぇ、やっぱりデスノートじゃないですか。Lが敗れ世界が一変した様に、3話で刑事が信念を折られ世界は一変した。矢尻や教団の「見たいものを見る」姿勢で世の中を揶揄しつつ、全体主義的世界の中で戦い秘密結社を主人公に添えて一級品のエンタメスリラーを描く。宣告に裏もクソもなく、理解できない何かでしたかない。いやぁ、これは面白い。手ブレ揺れが多すぎるが1カット演出も天晴。韓国Netflixすげえぜ。


6話
す…すげぇ…とんでもねえ最終回だ…。「親の愛」故に敗れて生まれた歪な世界を「親の愛」が再度破壊する。このシーズンで生まれた悪を成敗し「人の世」を説いた末に「地獄から帰ってきた」「人ならざる者」で物語を閉じる。すげぇ…とにかくすげぇ…。どんな話に傾いていくんだ…。流石に地獄の使者の攻撃法が単調で飽きたなと感じていたところに「高速タックル引き摺り回し」を観れて大満足です。
モモモ

モモモ