なお

ウルトラマンデッカーのなおのレビュー・感想・評価

ウルトラマンデッカー(2022年製作のドラマ)
4.0
輝け、弾けろ、飛び出せ、デッカー!!

前作『トリガー』が『ティガ』のリブート的作品であったことを踏襲し、本作では『ダイナ』をモチーフとした新たな光の巨人・ウルトラマンデッカーが降臨。

物語の主人公は、せんべい屋の跡取り息子・アスミカナタ。
カナタは宇宙から飛来した浮遊物体・スフィアの襲撃を受けるも、謎の光に包まれデッカーの力を手にする。

フラッシュ・ストロング・ミラクル…
力強く輝く奇跡の力を手にしたカナタは、GUTS-SELECTの仲間たちと共にスフィアとの戦いに身を投じることとなる。

✏️ザ・ヒーロー
前作『トリガー』の作品内容が個人的にかなりイマイチかつ消化不良。
さすがに未だ人気の高い「平成3部作」のリブートは難しいのか…と意気消沈していたところに、彗星の如く現れた本作。

てっきりトリガーでリブート企画は終わりかと思っていたので、まさかダイナまでやってくれるとは思わなんだ。

そしてそして。
本作は内容もバッチリなクオリティだったと思う。

何より、主人公・アスミカナタを演じた松本大輝さんの演技がMVP級。
始めは訓練経験もなくズブの素人であるが、持ち前の明るさと溌剌さで能力不足をカバー。
どこまでも清々しく、見ていて胸がすくような気持ちの良いヒーロー・そして主人公を演じきってくれた。

カナタ以外のGUTS-SELECTの面々も個性派ぞろい。
『トリガー』時代のGUTS-SELECTより人数こそ少ないものの、チーム的な活躍を見ていての楽しさという点ではこちらに軍配が上がる。

✏️巨大ヒーローの醍醐味
特撮作品の醍醐味である戦闘シーンの見せ方も◎。
トリガーはどちらかというと単調な戦闘シーンが多かった記憶があるが、本作では一工夫がこらされている。

通常の空撮のように横から撮るだけでなく、時に路地裏の隙間のような場所からだったり、時にカーブミラー越しにデッカーと怪獣の戦いを切り取る。

そのような”人間目線”での切り取り方が絶妙で、ウルトラマンという巨大ヒーローが戦う特撮作品において欠かせない「迫力」を演出することに成功している。

また、デッカーの”大先輩”にあたるダイナの登場のさせ方もニクイ。
『トリガー』においても、ティガが登場してトリガーのピンチを救うという展開はあったが、今一つ盛り上がりに欠けていた。

本作では、カナタが敵に追い詰められデッカーに変身できないという絶体絶命のピンチに登場。
登場時や戦闘時のBGMもダイナ放送当時のものが使用されており、平成3部作ど真ん中世代の自分は思わず目頭が熱くなってしまった。

✏️大人の事情?
トリガーの時もそうだったが、やたら総集編が多いのはなぜなんだろう…
放送枠の関係なのか何なのか分からないが、素直に放送休止ではNGなんだろうか。

3回目の総集編に至っては、いよいよ話すことがなくなったのかデッカーとほぼ何の関係もない世界線の話に飛躍してしまっていた。

☑️まとめ
やはり特撮作品たるもの、ヒーローが悪と戦うシーンはもちろんのことキャスト陣の熱演による「ドラマ部分」の質も欠かせない要素であることを再認識させられた。

さて、この分だと個人的に思い入れの強い「ガイア」のリブートも当然あるんですよね…?
順当に行けば今年の夏あたりかな…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆
なお

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