なお

転職の魔王様のなおのレビュー・感想・評価

転職の魔王様(2023年製作のドラマ)
4.0
額賀澪氏による同名の小説作品を原作としたドラマ作品。

様々な悩みや葛藤を抱える転職者たちを時に諫め、時に導くキャリアアドバイザー・来栖嵐(成田凌)とそのパートナー・未谷千晴(小芝風花)の活躍を描く。

✏️あなたの人生、このままでいいんですか?
成田さんと小芝さんのダブル主演ということで何気なく見始めたドラマだったんですが…社会的なテーマ性もあって結構良かったじゃん…?なドラマ。
Filmarksでの評価が振るっていないのが残念。

「どんなに嫌なことがあっても3年は働け」
そんな”神話”ももはや前時代の遺物となりつつある日本社会。
今の会社で数年スキルを磨いて「転職する」「自分で会社を興す」という選択肢を採る者もそう珍しくなくなってきた。

特に若い20代でその傾向が顕著になっているイメージで、そのような社会情勢で本作に登場する来栖や千春といった「キャリアアドバイザー」の存在の価値は高まっているし、もはや必要不可欠と言っていいかもしれない。

そんなキャリアアドバイザーという職業にスポットを当て、様々な悩みや転職(復職)したい理由や事情を抱えた転職希望者たちに文字通り道を示し、導いていく。

まあぶっちゃけ来栖のように常識的に考えれば失礼な物言いをしたり、転職希望者の個人的な事情に立ち入ってまで問題解決しようとするキャリアアドバイザーなんて恐らくいないだろうが、一つのドラマ作品の中の世界観として見ればこの構成は正解、そして痛快。

来栖の失礼な物言いも真に転職希望者の「今後の人生」を考えたもの。
「このままでいいんですか」と時に道を正したり、
「このままでもいいんじゃないですか」と、決して自分たちの利にはならない、転職を思いとどまらせる、という選択肢を与えたりもする。

「このまま”で”いいのか」
「このまま”でも”いいのか」
言葉的には一文字違うだけだが、どちらの選択を採るかでその後の人生は大きく変わる。
自分は今のところ転職は考えていないが、もし自分が転職を考えている時にこのドラマを見たら…
ふと立ち止まり、自分のこれまでとこれからを見つめ直すきっかけになったドラマかもしれない、そう思った。

主演二人のほか、二人を取り巻く準主役クラスの登場人物の掘り下げもしっかりとできていたのは◎。
これをやるかやらないかで物語の奥行きが違いますからね。

☑️まとめ
「多様な生き方」が重要視される今日このごろ。
「多様」という言葉は「無限」にも近い意味合いを持ち、どんな生き方をしようか…と迷う人の一助となるキャリアアドバイザーという職業の重要性を知ることのできた良い作品だった。

自分もいずれはキャリアアドバイザーのお世話になることがあるのかしら…
もしそうなったら、来栖のような人に担当されたら泣きながら家に帰ることになりそうなので、ぜひ千春のように明るく背中を押してくれる人に担当してもらいたい。

っていうか風花ちゃんに担当してもらいたい。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★☆☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★★
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆
なお

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