このレビューはネタバレを含みます
"がんじがらめ"
ガンを宣告された化学教師、ウォルター・ホワイトと、違法薬物の下っ端売人、ジェシー・ピンクマンのコンビが織り成すクライム・サスペンスドラマのシーズン4。
当シーズンでは、幾度も命の危険を感じる瞬間が増え、このビジネスから足を洗いたがっているウォルターがとうとう「引き返せないところ」まで来てしまったことが如実に描かれる。
それとは逆に、ジェシーは奇妙な経緯ではあるがガスからの信頼を得始め、彼なりのポジションを組織内に築いていく。
リハビリがほぼ終わり、DEAの業務に復帰しつつあるハンク。
前シーズンでは半ば自暴自棄だったことが信じられないほど、目に精気が戻った。
彼の必死の捜査は実を結び、ブルー・メスの製造に関わっているのがガスの経営するファストフード店、ならびにクリーニング工場であることを突き止め、いよいよ「点と線」が繋がり始める。
これに焦るのがウォルター。
「家族のために」始めたはずのビジネスが完全に「保身」に目的がすり替わり、かつて冷静沈着だった彼の姿は見る影もなく、その振る舞いは傍若無人を極めつつある。
だが辛くも、そのなりふり構わなさはついにガスの命を奪うに至る。
ガスという巨悪---もうここまで来ると誰が「善」で誰が「悪」なのか判別がつかないが、ウォルターは一応の区切りをつけることに成功する。
☑️まとめ
「家族のために」という、一見尊くも聞こえる理由からヤクの製造売買に手を染めたウォルターだったが、命の危機が迫るにつれ彼自身のエゴがどす黒く染まり、肥大化しているようにも感じた当シーズン。
ジェシーと固い握手を交わし、当シーズンは幕切れとなる。
果たしてこれでめでたしめでたし…となるのか？
