なお

ゲーム・オブ・スローンズ 最終章のなおのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

"それぞれの道"

七王国の熾烈な権力争いを描くドラマの最終シーズン。
昨年の6月から視聴を開始し、早1年3カ月…
ようやく、この王家の権力争いのクライマックスを見届けることができた。

✏️呉越同舟
前シーズンに引き続き、人類の共通の敵である夜の王<ナイトキング>を打倒するため、各王家に一時休戦と団結を呼びかけるジョン。
その思いがようやく通じ、ラニスター家からジェイミーが北部に手を貸すこととなった。

絶対に協力しないと思っていたラニスター家から、まさかのジェイミーが参戦。
この展開はあまり予想してなかったので、本当に心震えた。
やはり古今東西、敵が味方になるという展開はアツくなってしまう。

王殺し<キングスレイヤー>の異名をとり、スターク家はもちろんデナーリスとの因縁も深いジェイミー。
そんな因縁を乗り越え、いよいよ死の軍団との戦いが幕を開ける。

第3話「長き夜」である。
もうこれ本当にドラマなのか、と疑いたくなるほどの手に汗握る迫力と死闘っぷり。
第3話の作品時間は1時間21分とちょっとした映画レベルの尺だが、それが全く気にならないほど、人を画面に惹きつけ、夢中にする魅力があった。

惜しむらくは、スマホの小さい画面でこの第3話を見てしまったところか。
電車の中で一瞬も目を離さず画面を凝視してたので、周りから見たら完全に不審人物だったろうな…

✏️最後の戦い
死の軍団に辛くも勝利したジョンたちだったが、当然損失も大きい。
そんな状態で、サーセイ・ラニスターというこの世界で最も強かで容赦のない女王を討たねばならない。

当初はデナーリスと共に和睦を申し出るジョンだが、サーセイは一切聞く耳を持たない。
それどころか、デナーリス腹心の部下であるミッサンデイを目の前で斬首されてしまう。

これに怒り心頭のデナーリスは王都へ侵攻を始める。
「罪なき人々を解放」することが至上命題であるはずのデナーリスが、ドラゴンの炎で罪なき人々もろとも街を焼き尽くしていく…

「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
人々を解放してきたデナーリスが、言ってしまえばミッサンデイ「たった一人の」命を奪われたことから自我を失い、かつてサーセイがそうしてきたように市民をドラゴンの炎で虐殺。
かくも、愛というものは人を狂わせる。

しかし、そんな愛に狂わされなかったのがジョン。
王都を陥落し、鉄の玉座を手にしたデナーリスの命を自らの手で終わらせた。
デナーリスの愛に助けられ、また逆にその愛に殺されていたかもしれないジョン。
GOTらしい、一筋縄ではいかぬラストだった。

✏️背中
全てに終止符が打たれ、良い王も・悪い王もいなくなり、世界にはひとときの平和が訪れた。
ティリオン、サム、ブライエニーたちGOTを影から支えた立役者たちが今度は表舞台に立ち、新たな世界を創ろうとする。

この戦乱を、幼いながらもたった一人で生きて、闘い続けてきたアリアはまたも一人で「北」を目指し旅することを決意。

筆舌に尽くしがたい所業や仕打ちを受けながらも、強い芯を持ち続けたサンサは「北の女王」として君臨する。

落とし子としての運命、そして鉄の玉座の正統継承者としての運命。
両方の運命に翻弄され、最後には再び冥夜の守人<ナイツ・ウォッチ>として元の鞘に収まり、野人を率いることとなったジョン。
やはりジョンには雪(スノウ)がよく似合う。

それぞれの「背中」が語る物語を思い出すと、自然と涙があふれそうになった。

☑️まとめ
完走までの1年3カ月、長かったような短かったような…
でもやっぱり言えるのは、「見続けて良かった」ということだろうか。

海外ドラマの面白さとクオリティの高さと底知れなさ。
それを改めて思い知ることができた作品だった。

さて。周知の通り、現在ジョンたちが活躍した時代の前日譚である『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』が配信中。
んでもU-NEXTかぁ…再契約するかなぁ…
なお

なお