なお

仮面ライダーセイバーのなおのレビュー・感想・評価

仮面ライダーセイバー(2020年製作のドラマ)
2.8
令和仮面ライダー第2作。
小説家であり、本屋の経営者でもある主人公<神山飛羽真>が「ワンダーライドブック」で変身。
実在の童話や著作物をモチーフとした力を借り戦う。

(問題点)
・登場人物に魅力がない。
『龍騎』と比肩するほどのライダーが登場する作品でありながら、誰一人として、いわゆる「推し」がいない。
特に、主人公の飛羽真に感情移入できなかったのはイタい。

後半はほとんど
「世界を救う!!!」
「ルナを助ける!今度こそ!!!」
「物語の結末は、俺が決める!!!」
この3つの決めゼリフをひたすら連呼している印象しかない。

・中盤~終盤にかけてのストーリー展開。
メインの登場人物約2名が闇堕ちしてなかなか戻ってこなかったり、飛羽真が組織から追われる身になる流れなど。
全体的に「中だるみしっぱなし」に感じた。

仮面ライダーファルシオンの存在。
何のために出したの?の一言。
映画でもあっけなくやられ、本放送の方でも存在感が薄い。

・ベルトの変身ボイス
大塚明夫さんはまだいいとして(「xxマシマシ!!!」みたいな俗語的表現はやめてほしかったけど)、「プリミティブドラゴン」などの一部変身ボイスをなぜ『ジオウ』と同じものにしたのか。

『ジオウ』はお祭り企画的な色合いが強い作品のため、ノリノリな感じのボイスでも良かったが、本作においては雰囲気が全く合っていない。

サーベラのベルトボイスも。
サーベラの必殺技である「ショットインセクト」の際に放たれる
「インセクト~ショット♡」
いやいやいや。
茶化してるようにしか聞こえない。

もうこのへんは好みの問題かな。

(評価点)
・「本」をモチーフとした力で戦うという設定
斬新で、とても良かった。
第何話かは忘れたが、セイバーの通常フォームである「ブレイブドラゴン」から、「ジャックと豆の木」をイメージした能力である「ドラゴンジャッ君」と何かをかけ合わせたフォームに変身したあの瞬間。

もう10年以上ライダーを追い続けている大きいお友達の自分としては、否が応でも『W』や『ビルド』を連想させ、ライドブックの組み合わせ次第で無限の戦い方ができるのでは…!と期待を膨らませたのは今ではいい思い出。

中盤~終盤はほとんどドラゴンの力で乗り切っていて、最終話で思い出したようにライドブック総出演。いただけない。

・CG技術
CGもスゴかった。最初の数話で力(予算?)尽きたようだけど。

(総評)
自分の中でのピークは序盤から中盤にかけての数話だけ。
それ以降は全くと言っていいほど登場人物に感情移入できないし、物語の世界観に入り込めない。

たくさん種類のあるライドブックをもっと使って戦ってほしかった。
間延びしたようにしか感じられないドラマパートを、もっと別の展開にして色々な事件を起こしてほしかった。
名作になる下地があっただけに、とても残念。

次作『リバイス』に期待。
なお

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