140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

4.5
”ブリティッシュ落語”

街の小悪から中悪、そして大悪な奴らが数奇な運命に流れ流され、”なるようになっていく”様を、スタイリッシュな群像劇として描いた、”我らが”という言葉を使いたくなる、ガイ・リッチー監督の処女作。

ってオイ!!
これを引っ提げて長編デビューとか凄すぎだぜリッチー兄貴。
イカしたセリフ回し、イカした音楽、イカしたキャラたちが次々に起こるトラブルと次々に偶発していく災難に苛まれながらも、ある種”数奇な運命”のパズルのピースがカチカチカチカチとハマっていく様を、多視点が認められる観客が目の当りに”できる”という痛快さ、主人公たちに降りかかる災難を滑稽さをデフォルメ化して、落語のような”アリエナイ”日常を提供してくれるという贅沢な作品。

単純に”楽しい”と思える銃撃戦や爆破シーンや喧嘩シーンではなく、このシーンとこの会話とこのギミックはどこで交わるのだろうか?とワクワク感と、迎えるべきクライマックスという名の落としどころにて”笑うヤツ”は誰なのか?と考えられるようにロジカルに進めるため飽きがこない+ランタイムもすっきりしているので、サクッと見られるので、大傑作ではないが、フェイバリットとしての存在意義は大いにある作品。

ラストのラストのお間抜けな絵が最高だね!