さっこ

エンパイア・オブ・ライトのさっこのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.2

1980年代初頭のイギリスが舞台(失業率最低で黒人差別が激化、黒人側も暴動を起こし人種間が緊張状態だった)

映画館で働く主人公(オリヴィアコールマンは49歳)、新たな従業員として出会ったのは25歳の黒人男性。
二人の恋愛がメンストーリーなんだが、すごくいい。
ラブストーリーなんていくらもあるわけだけど、こと「年配の女性と若い男の恋愛」となると圧倒的に少なくなる。
(若い男がエロい人妻に誘惑されるみたいな話ではなく)

これがおじさんと若い女性のラブストーリーだとグッと数は増えるだろう。
なぜだ。これって何か変じゃないだろうか。
現代では中高年でも独身の女性は多いし、そんな人たちも恋愛はするし、それって素晴らしいことだと思うんだが、映画や漫画ではなぜか扱われない。

弘兼憲史の漫画「黄昏流星群」(中高年の恋愛をテーマにした連作形式の漫画)でも「おばさん×若い男性」のパターンはあまりない🤔
弘兼憲史は連載した作品は全てヒットするみたいなすごい漫画家です。





本作のオリヴィアコールマンはすごく魅力的で、すごいかわいく見える。
とにかくオリヴィアコールマンがいい!そこがまず本作の素晴らしいところだろう。

映画の終わり方、中年女性と若い男性の恋愛はどうなるのか?
二人の関係はこうなるように思えたし、若い男性の自己実現というとても正しいことのために…というのは…。😭だった。

若いときには40代50代の人間なんて全く想像の及ばない生き物だったけど、結局人間は60歳になっても20代の時とおなじようなことで思い悩む生き物なのだろうな、と思った。
だから年取ったら抑圧されることは多いけど、それでも、もういい年だから…なんて思わず自分の好きなことをやればいいと思う🤔

映画を見るシーンが希望として描かれています。





メンタルを病んでる人の描写が第三者目線になってしまって、当人の苦しみが伝わらないような気がした。当人の苦しみより、周囲の人が困るみたいな描写だった。
…と思いきや、海辺のベンチにモッサリした格好でぼんやりと座ってる精神を病んでるコールマン…。思わずハッとしてしまうほどものすごい孤独感が伝わってきた😨


細かいところで思うこといくつかあったが、心に染みる映画だった。



感想オワリ


































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ここから怖い話です👻
長いのでお好きな方だけお読みください😨







【柿の木】



前回、静岡の人間は穏やかでのんびりしてるイメージに対してそうかな?って書いたけど。これもそれに関係する話。


自分の生まれ育った実家は、とても田舎。
昔、祖父の代は、集落でもとても貧しい家だったらしい。というのも自分の曽祖父、曽祖母というのが仲睦まじい夫婦で子供を10数人も産んじゃった。だから家計がすごく圧迫されたらしい。
で、隣の家は自分と同じ青田姓(仮名)で、もともと親戚だったらしい。
自分の青田って苗字は地元の小学校、中学校に通っていた時はクラスで必ず何人かいる苗字でした。
また近所の歯科医が「奥歯というのは根っこが三つあるのが普通なのだが、この土地の人間の奥歯は根っこが四つある人が多い」と言っていた。

つまり田舎ってのは元を辿ればみんな親戚のようなもので距離が近い。
そしてその分ドロドロしたもんがあると言うことです。




また、平和な田舎の集落のようで、長い年月の中には怖い事件や家族の確執みたいな事件もあったらしい。

一つ例を出すと、自分の家から少し下にある家は、昔から犬を飼っていた。
あるとき、近所の幼子がこの家に入ってきて、その飼い犬に噛み殺されたということがあったそうだ。
どのような賠償問題に発展したのか、その死んだ子供の家はその後どうしたのか?(たしか70年代以降にできた団地に住んでいた家庭の子供と思われる)その後の話は一切わからない…。
でもその家はその後、自分が子供の頃には新たな犬を飼いだしていた。よほど犬が好きなのか。近隣住民は密かに犬キチガイと言ったとか…。





さて、ここから本題です。こんなこと書いていいのかな💦50〜60年くらい昔の話。
隣の青田家は、貧しい我が青田家のことを馬鹿にしていたらしい。また、とても意地悪な家だった。
ある朝、この家のお婆さんが朝飯に起きてこなかった。この家の嫁は家族にご飯の準備ができたことを伝えていたが、お婆さんにだけはいつも言わないようにしていたらしい。
つまりあまり仲が良くなかったのだ。

それでもいつもお婆さんは朝食の時間には食卓に来るのに、この日はいつまでもこない。寝ているのかと寝室を見たらお婆さんがいない。
どうしたことかと外を探してみると、裏山の畑に生えた柿の木に首を吊って死んでいたそうだ。

昔のことだから自宅で葬式をやり、集落のもの皆んなが手伝い弔いをした。
そしてその後、皆んなあの家の婆さんが首を吊ったのは嫁の気性が悪いからだ、意地悪したからだ、と噂した。本当のところは家族以外わからない。




それから1ヶ月ほどしたある日、この集落の子供が歩いていた。
何気なく山の方を見ると、隣の青田さんの家の裏山の畑に女の人がいるのが見えた。
それ自体は普通のことだが、その女の人は手を振っている。どうやらこちらに向けて手を振っていた。
それはあのお婆さんのようだった。しかし青田の家のお婆さんは首を吊って死んだはずだからそれはありえないだろう。じゃああの柿の木の下で手を振っているお婆さんは誰なのか?疑問に思っていると強烈な違和感を覚えた。
手を振りすぎている…。なぜ自分に手を振るのかはさておき、先ほどからずっと手を振っている…壊れたおもちゃのようにずっと手を振り続ける動作が異常に見えたのだ。
恐ろしくなって、その子供は走って家に帰ったと言う。




そんなことがあった翌日、その柿の木は家人の手により切り倒されたのだと言う。
まぁ自分の家の家族が首を吊った木は切ってしまうのも当然だろう。
そして何か心境の変化があったのか、その家はその後キリスト教信者となった。
だがこの家の主人は変わらず意地が悪い。

子供の目撃した手を振る老婆の話は当時の子供…現在はお爺さん、本人に聞いた話である。


終🌲👵🏻👋🏻
さっこ

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