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赤いアニンシー; あるいはいまだに揺れるベルリンの壁をつま先で歩く

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『赤いアニンシー; あるいはいまだに揺れるベルリンの壁をつま先で歩く』に投稿された感想・評価

違う声を捨てて、自分の声を取り戻すには時間が掛かるけどね。

2回観た。ラブ・ストーリーだった。かなり変わった。
意外と政治的で、意味深で、細かいギャグがあって、気持ちよく踊って終わる。

Normal Screen にて
3.5
【ユースフル・ゴースト監督が放つスパイ劇】
『ユースフル・ゴースト』が公開されて話題となっているが、企画イベントでラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督の短編映画『赤いアニンシー; あるいはいまだに揺れるベルリンの壁をつま先で歩く』が観られるということで配信権を購入して観てみた。

『ユースフル・ゴースト』に引き続き、本作はB級映画の仮面を被りながらタイ社会を描こうとしている。雰囲気としてはアピチャッポン・ウィーラセタクン『アイアン・プッシーの大冒険』に近いアプローチだろう。主人公のアンが男性を装いながら潜入するスパイものとなっている。銃撃の場面ではその瞬間は提示せず、赤い点滅で表現しているアート映画としての拘りが見える。映画はスパイ映画におけるバレるかバレないかといったサスペンスを通じてタイ社会で生きるマイノリティのバレるかバレないかといった緊迫感を表現しており、ライトなタッチに思わせておいてターゲットと対峙する場面では強い緊張が生まれている。短編映画時代からパワフルな作品を放っているため、次は間違いなくカンヌ国際映画祭コンペティション部門進出かつ何かしら賞を獲るだろう。
horry
4.5
吹き替えを使うことで、人の声が奪われる様を描いていて、こんな演出があったかと驚いた。口の動きと声にズレがあり、翻訳調というのか、昔の映画のような喋り方で、不気味だ(タイ語を理解できるわけでないのに、なぜか昔の映画吹き替え的であることはわかる)。
その不気味さは、映画の舞台である冷戦時のタイの政治的状況と、セクシュアルマイノリティであることを背景とした不自由さを示していて、文字通り「声を奪われる」ことの恐ろしさを示している。
最後に、ワークショップで自分の声を取り戻すのだけど、そこで見たのは、社会的にふさわしくないと見なされ頭ごなしに否定されるゲイの姿(それもガトゥーイによって)。自分の声を取り戻すことには制約があることが描かれ、そのままディスコのようなダンスシーンとなる。抑圧下で踊ることと、この映画が撮られた2020年、暴力にさらされながらタイでデモが行われていたことは繋がっているのを感じた。

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