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世界で戦うフィルムたち

『世界で戦うフィルムたち』に投稿された感想・評価

4.3
私が最初に製作した短編CRYINGBITCHはノアドさんに全面協力頂きました。その時紹介されたのが亀山さん。
この作品は、今の日本映画界がおかれている状況が描かれています。そして、突貫小僧ならぬ突貫女子亀山監督。何事にも諦めず、トライトライトライ。彼女の行動力、凄まじい破壊力です。やはり、映画は監督のものだと思います。ある意味、嫉妬します。ドキュメンタリーでも、こんなに面白いのはなんでだろう。編集のうまさかな。あの、コーヒーブレイクには、まいりました。あれをいれることで、全体が無茶苦茶引き締まったと思います。亀山さんにはもっともっと大きく世界にはばたいて欲しいです。そして、今準備されている新作には是非とも参加させて頂きたい。応援してます!
亀山睦実監督が自身の長編自主映画を映画祭に出品した様子と日本のインディペンデント映画の課題を映画監督や関係者にインタビューするドキュメンタリー。

亀山監督が通訳なしでも英語で受け答えしながら海外の映画祭に挑戦する行動力は凄い。
深田監督のインタビューで、日本の年間の作品数がフランスの2倍以上なのは驚いたし、それだけ各作品が低予算で作られているという意味なんですよね。

日本の映画界がメジャーとインディペンデントでパラレルワールドになっているのは、東宝・東映・松竹に資本が集中し過ぎているからで説明がつくと私は思っている。実際この3社は本作で一切の言及がなく、戦うべき“敵”であることが本作の意図に反して明示されてしまっている。
民間資本が半ば寡占状態の日本で、フランスや韓国のような政府のセクターがつくれるか、難しいからこそ戦わないといけない。それは各作品の予算規模を大きくしたり、マーケティング調査費や宣伝費に充当することができたり、興行会社にも支援が拡充されたりといった個別具体的なものではなく、広く日本の映画文化を発展させるために。それこそイ・チャンドンが、文化観光部長官になったように映画監督もアクションを起こさなければいけないと思う。

もう一つ本作の主眼が、映画監督が予算を獲得して海外の映画祭で評価されるような映画を作り、それで生活できるためにはどうすればよいかであることは、百も承知だが、地方の映画館や映画界の人々を軽視し過ぎだとは思う。地方の映画コミッションだって、ホームページを英翻して、海外にも周知しようとは思っているはずである。けれどそれは能力ではなく予算の問題である。また地方の映画館の現状と言えば、ミニシアター系の映画館はほとんどなくシネコンばかりである。インディペンデントの映画なんて上映されないし、本作の存在さえおそらく認識もしていない。だから海外や配信志向になるのも無理はないが、それで日本の観客が増えるとは正直思わない。それも能力の問題ではなく、映画界の問題であるが、個別の監督や作品がどこまでできるか全く分からない。

結局、アートマネジメントしようや英語を勉強しようといったことを解決策にするのは、とてもリベラルでよいように思える。だが日本の映画界の問題を個人の努力に回収してしまい、「神が勝利を与える」とは到底思えない。だからラディカルな戦い方を。その手がかりを探るため、私は60年代の闘争に向かうのであった…
IMAO
-
なんだろう、このモヤモヤした気分は…この映画の監督・亀山睦木さんが努力しているのは分かるし、彼女の姿勢は前向きで、その行動力は尊敬に値する。でも問題なのは、その方向が主に自分に向かっているところかもしれない。そこに「人のため」とか「映画産業のため」という意識は薄いように思える。少なくともこの映画を観る限りにおいては…(この映画の中でインタビューに答える深田晃司監督は違う、と思いましたが)
もっと平たく言うと、結局彼女は何のために映画を撮っているのだろうか?世界で勝負する映画を撮るためなのか?有名になりたいからか?それならば「いいね!」が欲しいだけのYouTuberとなんら変わらない。多分、これは自分自身が迷っている。それを証拠に、彼女は様々な人々にインタビューし様々な意見を聞くが、そこに一貫した答えがない。答えが無いのは当然だが、編集段階でも迷っている。彼女自身が今その渦中にいるので、一番大事なことが抜け落ちているのだ。図らずもそうした迷いこそが、この映画のテーマになっている。だからこれは『世界で戦うフィルムたち』ではなくて『世界で戦う私』だと思ったりもした。
そういう意味でこの作品は、映画というよりは良く出来たYouTube映像という感じがするが、ワンカット良いカットがある。それはラストの方で、彼女が多分ルーティンとしているコーヒーを煎れる作業だ。そこには彼女の顔は映っていない。だがそれ故に、彼女自身が写っている。この映像を入れなくてもこの作品は成り立つが、このカットをあえて入れたことが、この作品をギリギリ映画足らしめていると思う。

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