すがり

貞子DXのすがりのネタバレレビュー・内容・結末

貞子DX(2022年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

監督、木村ひさし。
この監督とは合わないのが本当によく分かった。
当日座席についてFilmarksで監督の名前を見た瞬間、屍人荘の殺人で絶望したのを思い出す。
貞子は見たかったから何も考えず足運んじゃったよ。もう。

まず、TRICKから離れよう。離れてほしい。
あれはあの作品だから成り立ってて面白いだけで、その実結構しょうもないと思うのよ。
他所ではどうなのって話じゃん。

でもまあ退屈の大半は文華の天才設定だと思う。
IQ200なら突拍子もなさすぎて、かえって受け入れてもらえるとでも思ったのかよ。だめだよ。
どんな形であれ頭良い設定出してきたら、頭良いことして感心させてくれなきゃだめだよ。
それは観客にも伝わっている情報をいかに繋ぎ合わせて答えを導くかでやってほしいわけで、犬の毛がとかお供えものがとか登場人物しか知らない情報で内輪の解決をしてほしいんじゃないし、知識としての用語や理論を持ち出して議論してほしいわけでもない。

しかも呪いに対する解決策、その答えだった「映像を見ることで殺されるまでの時間が更新される」ってやつ。貞子なりホラーなりに親しんでる観客はまずその発想になるのよ。だってその観客らはホラーとか呪いとか、受け入れてるからね。
その点で言えば呪いを信じない文華が別の答えにたどり着くのは不思議ではないけどさ。

映像を見るとウイルスに感染する、集団で見れば集団免疫を獲得して安心っていやさすがに?
あそこで言う集団免疫の内容にも少しの違和感を覚えつつ、映像見たらウイルス感染ってなんだよ。それなら以前のルールとして出て来たビデオ渡すことで感染が広がるの方がよっぽど説得力がある。
だからね、そこ。
全体としてずーっと退屈な理由が大体そこです。
映像見たら貞子のウイルスに感染してたんだじゃねえんだよ。
でも宿主をすぐ殺してしまうのは感染を広げるには不利とか先に進んでんじゃねえよ。
どうして急に映画しようとしてんだ。
呪い否定派なら、我々呪い肯定派が納得する根拠と説明を出してきてくれないと困る。

最後にこれは呪いですとか認められても、そりゃあ、まあ、ね。知ってた。
取り立てて死ぬとこが見たいわけでもないけど、主人公側に喪失がなさすぎるせいで襲われる絶望感もないし呪いを認めるに至った恐怖も伝わらない。
やっぱり、ホラー映画じゃないからだよね。
だからまあ、良いのか、これは。
耳裏ぐりぐりするやつもツボ押してんのかなくらいにしか思わない癖だったけどかわいいから良いよね。かわいいから。

それにしても文華のフォロワーやばすぎるでしょっていうの。文字通りのつぶやき、完璧な独り言も返信形式だし。
特に返信キボンヌおじさんあんた絶対パート1じゃないだろ!映画時間の以前からキボンヌしてるだろうが!正直に返信キボンヌパート322とか白状しろよ!
返信もらうたびにパート1に戻るんだったらごめん。更新が起きるのは呪いと一緒だね。

あと感電ロイド!
こてっこての引きこもりスーパーハカーみたいな状態で出てくるくせにびっくりするくらい役に立ってないのなんなんだよ!
そのくせ最後に「あ、見ちゃった」じゃねえよちくしょうちょっとかわいかったから許す。

王司は許さない。
すがり

すがり