北田直俊監督による、2017年に埼玉県で起きた連続猫虐殺事件をモデルに、司法の矛盾に焦点を当てたドラマ。

⚠️動物虐待シーンが若干あります⚠️

とても良かった。
前半は重くなりすぎす、とてもナチュラルでユーモアに溢れており、作品の世界にスムーズに入れる。
低予算ながらもとても丁寧に愛情をもって製作された事がうかがえる。

小坂明子さんの主題歌「あなた」もやっぱりいい。

計画的で冷酷かつ残忍である………

ここまで怒りに震えた映画も初めてかもしれない。
怒りの矛先は犯人に対してではない。

写真家兼トラック運転手を勤める陽平と大学講師として働く妻の由美。偶然見つけた捨て猫を喜雨と名付けて保護し、家族同然に可愛がり温かな日々を過ごす。しかしある日喜雨が行方不明になってしまい、後日逮捕された連続動物虐待犯によって殺害されていた事が発覚する。犯人の判決は執行猶予。陽平は何食わぬ顔をして過ごす犯人に復讐心を抱くサスペンスドラマ。

2017年の埼玉で実際に発生した連続猫虐殺事件をモチーフとして作られた作品。愛する猫を惨たらしく殺されて、その犯人は逮捕されても執行猶予で普段と同じ生活を過ごせるという実態。あまりに軽々しく扱われている動物虐待の量刑について一石投じた内容になっています。

前半は陽平と由美の日常生活が描かれ、喜雨の行方が分からなくなってから不穏な空気が充満。そして発覚する最悪の事態。何とも言えない喪失感と憤りを抱える2人。それがたたり由美は精神を崩し、入院してしまう事に。陽平自身も仕事に身が入らなくなり、交通事故を起こしてしまう。

行き場のない虚しさはやがて犯人へと向けられる。復讐心が沸き上がる中、自分の中にある良心との葛藤。それを巧く表していたのは陽平を演じる杉本凌士。演技力は流石だなと感じましたね。

ただ本作自体が低予算映画との事で、演出のチープさは否めませんでした。特にクライマックスの犯人との対峙は演出力不足で緊迫感が欠けていたかなと。

それでも本作のメッセージは強く感じますし、1時間半の短さの中でもメリハリがついた構成だったと思います。ペットを飼っている方だとより一層引き込まれる作品かもしれません。

あぁ…非常に憤りだけが残る作品。
お猫様への虐待もそうやし。
こういう命の尊さを描くのであれば、もっと真剣に作ってほしい。と感じてしまった。

お話の本質は、物凄く考えさせられるのに…如何せん画が稚拙で貧弱。些か観るに耐えないのよね。
それでも、この作品がある意味は十二分に理解もできる。

だって、お猫様は家族なんだもんよ。
それを虐げられて、許せるわけねぇやん。その言葉にならず、魂の居場所がわからない怒りと喪失感たるや。

故に、この作品の表現力の乏しさにも腹が立つのよ。無駄としか思えないカットの多さと奇を衒った演出に納得がいかない。

唯一の救いが、お猫様のネーミングセンス。喜びの雨と書いて"喜雨（きう）ちゃん"。

流石にクロお猫様の可愛さをもってしても補いきれへんのよね〜ん。
鑑賞後に、僕の魂が彷徨う作品。

Cast(役者·キャラ) 1.5
Story(物語) 3
Architecture(構成) 1
Picture(画) 1
Acoustic (音) 1
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