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セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
"人生なんか、怖くない"

「ボンヤリしないで。うつむいて自分の靴を眺めてる間に、大切な時間は過ぎていくわ。人生に置いていかれるわよ」

垢抜けない女子大生サロールと謎多きセックスショップオーナー熟女カティアの、友情と成長のシスターフッド映画。
芋な少女の成長の弧は、アダルトグッズ専門店から始まる……なんて、まず普通の興行作品ではお目にかからないユニークな物語は、不思議なほどにアングラ感がなく、むしろ爽快な青春映画であったというのが、観賞後の明るい余韻に繋がっています。

少女がメンターに出会い女へと成長していく、という構造自体はありふれているものの、描かれる場所やキャラクターのクセの強さもあって、なんだが非常に新鮮でした。

モンゴルのカルチャー界隈について全く知らないのですが、劇中唐突にインサートして物語を区切っていく謎の歌手は、モンゴルで大人気のシンガーソングライター、ドゥルグーン・バヤスガラン(ステージネーム:Magnolian)で、劇中歌うのは彼のヒット曲とのこと。独特で面白い雰囲気作りに一役買っていて、味がありますね。


海外のアダルトショップを見たことがないのでなんとも言えませんが、おそらくセットと思われるサロールバイト先の店舗は、些か安っぽい感じでしたね。
というか、普通にバイアグラを売ってたりしましたが、モンゴルの法律的には問題ないんですかね。
日本でいう改正薬事法のような規制の対象外なのか、はたまたこの店は販売許認可を得ているのか、単に違法取引なのか……。瑣末ごとなうえ超どうでもいいことですが、妙に気になります笑
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