《帰れってひどい》
〝ついてきちゃいけねえ。俺についてきても女の幸せはねえんだ。俺は渡世人だ。どこで果てるか明日の命も分からねえ身だ〟〝でもどんなことがあってもついていこうとそう決めたの。わたし💗〟

昔世話になった音松親分が殺され、敵を討つために大寺組の組長を襲う高見沢村次（渡哲也）だったが…。大寺組の客分赤間竜吉（露口茂）に阻まれ、大寺組の子分の腕を斬り落としたことで、1年半の実刑を食らって投獄されちゃうというトホホな殺人未遂案件。

その後は刑期を終えた村次が、再び大寺組に乗り込む展開だけど、出所するまでが長すぎて間延びしちゃいそう。村次がいない間は、村次の彼女の加代（松原智恵子）にスポットが当てられ、腕を切り落とされた大寺組の子分とその家族の面倒を見ながら、けなげに村次の帰りを待ち続けるという内助の功の物語が繰り広げられるのだけど…。これって渡哲也さん主演の王道の任侠映画と見せかけて、実は松原智恵子さんによる〝極道の女〟の映画だったんだね。

純情可憐な松原智恵子さんと任侠映画って、あまりにかけ離れていてピンとこないけれど、少女漫画のような任侠映画だった〝侠花列伝 襲名賭博〟同様の見事なギャップ萌え。〝侠花列伝 襲名賭博〟では、博徒の世界に足を踏み入れて、どんどん覚醒して凛としていくのだけど、本作では待ち続けるだけなので物足りないし、何か空回りしている感じ。長門裕之さんが思いとどまらずにバシッと彫っちゃっていたら覚醒したのかも。

露口茂さんと渡哲也さんの戦いって〝太陽にほえろ〟VS〝西部警察〟だね。ラストは怒涛の血で血を洗う争いに発展して見応え十分。青春歌謡映画だけじゃないってところを見せつけた日活の任侠映画も面白いね。

視聴メモ：2025.04.03/066/日活フィルム・アーカイブ

〖1960年代映画：ヤクザ映画：日活〗
1969年製作で、渡哲也と松原智恵子コンビによるヤクザ映画らしい⁉️
渡哲也が出所するまで、ほとんど出ない…出所したらもちろん大暴れ…な作品でした😅

2023年2,395本目

• #2023年鑑賞
• #1969年製作
• #ヤクザ映画
• #日活
• #渡哲也
• #松原智恵子
• #奈良岡朋子
• #長門裕之

「帰れって、ひどいそんな」いきなりはじまるいつものやつ。哲がお務めしてる間にがんがんにモテまくるチイコ。哲のバシタになるべく生真面目に頑張りまくるチイコだけど、ひとの言うこと聞かないしもちろんそのせいで大勢死んでます。いいヤツ露口茂とのキスに簪。全部お見通し先回りが達者で気が利きすぎ露口茂。なんかあったら浅草に訪ねておいで、深江さん迎えにきてピストル渡世人の扇ひろ子姐さん。チイコの肌に惚れ込む長門裕之。哲のバシタと知って彫るの諦めるも、彫ってくださいって言うと思ったーチイコさん。草の青々とした河川敷での対マンもカッコいいし、モンタこと片腕なくなった近藤宏さんちに謝り行って夜明けまで松竹梅。背中に彫り物背負った哲のお姿が新鮮でドキドキした。瞬きなしの死に顔も最高。