前科 ドス嵐の作品情報・感想・評価

「前科 ドス嵐」に投稿された感想・評価

流石に前作にマズさを感じたか?助監に中村登、美術に木村威夫を迎え、王道(もしくはベタ)路線にシフトチェンジ。飛び道具(チャカ )と光りもん(ドス)の対比も良い。タイトルバックとエンドロールはスプリットスクリーン。
宍戸錠の死から唐突に始まる本作は前作『前科 仮釈放』よりかは楽しめる。渡哲也とつかず離れずで脇(役)の物語をしっかりと完結させる佐藤允はいつでも最高。ドスで斬り合う、ラストのやり過ぎな殴り込みも悪くない。男たちの暴力に流されていくヒロインに麻生れい子(棒演技)。鬱陶しい母親役に森光子。
穴戸錠が開始数分で死んだので度肝を抜かれたが、遺された妹・麻生れい子がヒロインとなる。
登場した時点でこれでもかと頽廃ムードを醸し出していて、同じく陰のある渡哲也と良い仲になったのもつかの間、今井健二に拉致されて強姦されてしまう。
ヤクザの抗争に巻き込まれた結果強姦され、さらに終盤でまた拉致されて強姦されている。
しかも助けに入った佐藤允はよってたかって殺されるという救われなさ。
とことん男の犠牲にされ続け、欲望に打ちのめされた時の佇まいはまるで石井隆の“名美”を思わせ、清純ヒロインの松原智恵子とは正反対の魅力を放つ。

大ボスは例によって青木義朗なのだが、本作ではちょっと白髪交じりで眉を薄くしたメイクにしていて、ヤクザっぽさがいつもより増している。
渡哲也が男の意地を見せて指詰めをするのだが、自分で詰めるのではなく、敢えて敵である青木義朗にドスを下ろさせるのだ。
渡哲也の苦悶の演技も見事だし、ニヤつきながらわざとゆっくりドスを下ろしていく青木義朗のサディズム全開の演技もクソ憎たらしい。