コロナ禍は終息の気配を見せず、世間の“withコロナ”の気配には諦めと憤懣がうっすらと、でも確実に入り混じってきた。業界の流れ同様に俳優・木村も、一念発起して補助金や助成金を元に(あてに)小さな映画を作り始める。それは、木村にとってこれまで続けてきた俳優という生業に対するひとつのケジメでもある。懇意にする仲間やスタッフを集め、主役は仲の良い後輩・恵介を据えた。ところが、肝心のアクションシーンで恵介に大怪我を負わせてしまう。三ヶ月の重症。恵介のマネージャー・牧からは、やんわりと損害賠償を持ちかけられたが、最後の頼みの生活補助金も却下の通知が届く。木村は撮影延期を決断する。それが事実上中止を意味する事はスタッフも承知の上だ。時を同じくして娘のアサミから久し振りに連絡がある。離婚も近いと思っていた亭主との間に子供ができたと言う報告だった。しかも産んで一人で育てるとまで。金策に悩む木村、初めて中学の同窓会に出席するが...それは、何らかの縁を期待したからか。再会した雪乃と旧交を温めてみると、彼女は木村の映画に出資すると言い出した。或いは、故郷に戻って自分の会社で雇ってもいいと。しかもこれは「復讐なのだ」という謎の言葉と共に...。東京に戻った木村はスタッフを集め、恵介の回復を待って撮影を再開する事を約束する。そして恵介にもアサミにも、木村は一つの決意を持ちかける...。
1970年代、真夏の尾道。22歳の晃は大学の先輩である吉岡を連れて帰郷する。晃は好意を抱く吉岡のために実 家を提供し、夏休みを共に過ごそうと提案をしたのだった。先輩を退屈させないために晃は…
>>続きを読む地元の田舎に帰る、ミュージシャンの児玉健(25)。昔よく遊んだ橋に佇んでいる。鼻歌を歌っていると初恋の相手・木田遥(25)に声をかけられる。一緒に学校まで散歩をし、思い出を話し合う。話して…
>>続きを読む1972年の夏。父が若い女のもとへ走り、野崎辰雄は母親と2人で暮らしていた。高校3年の辰雄は、仲間たちとの溜まり場だった喫茶店の真紀子にひそかに思いをよせていた。しかし、同じ高校の隆三が彼…
>>続きを読む舞台は 2020 年 11 月 17 日。婚約をしたものの、コロナの影響で結婚式をすることができなかった 20 代の亮介(前原滉)とゆかり(大友花恋)。引っ越しの整理もままならない二人だが…
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