VRChatで生活する人達のドキュメンタリー。コミュニティ作ったり、イベント運営したり、恋愛したり、空気感が日本のコミュニティとは違うものの、大筋は同じでVR空間の良さをうまく伝えられていたと思う。

ただ、開幕からポケモンの版権アバターが映ってて笑ってしまったw
U-NEXTに流すなら権利関係しっかりしよ😂

予期せず、2024年270本目。

全編VRのワールドでのドキュメンタリーとのことで。

ダンスステージで運営が「変なことされそうになったら言って」ってバーチャルでもあんのね。そういう行為に加えて倫理的ルール。

まだこのときの世界には、黒いものは存在せず、優しい世界なのだな。

• #oki_mee2024

バーチャルリアリティーの在り方は、実際にその世界を堪能している人と、そこに所属せず外からやいのやいの言ってる人では、その認識の仕方が違う。それをこの映画は伝えてくれるのだ。

かつてなりきりチャットやMMOでのチャット欄が"黒歴史"といえるような「なりたい自分」の表現の場であったように、今やインターネットやSNSは「なりたい自分」を表現する場になっている。本当の自分という言葉の意味が、「自分の本質」よりも「こう見られたい自分」に傾きつつあるのは、そういった避けがたい現実を避けることの出来るそういったインターネットやSNSなどの手段が、完全に現実と融合したからに他ならない。
VRchatはその先にある世界であり、現実とは確実に地続きな世界であり、現実との繋がりを誰しもが意識的であろうとしている。VRchatの世界は参加者にとって、現実逃避の場所ではなく、「現実の緩衝材」になる場所なのだ。 コロナ禍に流行ったその場所は、希薄になった人間関係をかさ増しする場所というだけでなく、外見や年齢を度外視し「人間性」だけで関係性を作り出せる「新しく恒久的な人間関係の可能性」を予感させる場所になっていたのだ。
作中で描かれる恋愛や結婚、そして喪失の受容は全て現実から持ち込まれる。彼らがそれを持ち込むのは、そこが逃避の場所ではなく、現実の痛烈さを和らげる為のオブラート或いはクッションを求めるからなのだ。恋愛も結婚も、結局は現実に帰するという部分に、自分は好感が持てたし、そこを共通認識しているという部分に、外部の人間の理想化された拡張現実とは違う血の通った部分を見た。


作中の言葉で、「生まれる場所や育つ環境、出会う人は自分では決められない だけど人間関係は自分で選び、築くことが出来る」というのが本作とVRchat世界の象徴として機能している。また環境や方法は関係ないとも述べている。
そのコミュニティに属し、そこでこその人間関係が結ばれていく様子を見ていたからこその至言であったと思う。

この映画を見るほとんどの人間は、外部の人間だろう。
閉ざされたコミュニティにはどこか倒錯した理解不能のロジックが生まれ、それを覗き見ることには言葉にしようのない興奮が生まれ、ある種見世物小屋的な享楽を感じてしまう。
だが、そんな視線を意に介さない強固な現実がVRchatの世界にはあり、そういう世界が守られていけばなと思った。

• #Arch_D