わかめ昆布

マン・オン・ワイヤーのわかめ昆布のレビュー・感想・評価

マン・オン・ワイヤー(2008年製作の映画)
4.0
NYツインタワーを綱渡りで渡るという、稀代のビッグパフォーマンスを達成するまでのハラハラドキドキドキュメンタリー。

規格外な美しいフランス人綱渡り師。
ノートルダム宮殿での綱渡り姿があまりにも美しすぎて…完成された一枚のアート!
パリの壮大な景観と、足二本で綱の上に立つ彼との見事までのバランス。マッチング。
写真をポストカードにして売って欲しい。

意味がわからないことを大真面目にやろうとするバイタリティ。

失敗したとしても素晴らしい死に方だ!と熱弁する友人に、フランス人のアートに対する姿勢を感じた。本気すぎ。生き方がまるで違う。
アートに対してストイックすぎるのが流石おフランスというべきか…

彼の恐るべき集中力には感服!
疲れている中、8回もツインタワーを行き来するオドロキの余裕…天才でしかない。
高所恐怖症からしたら神に見えた。

綱を渡りながら、絶対に届かない群衆のどよめきが聞こえたり、警備員に微笑みかけおちょくったりと状況を楽しめちゃう才能に嫉妬。
生まれながらのパフォーマーなんだな…
完全に惹きこまれた。

こんな人間いないよ。あり得ないし最高!

彼からみんな勇気を分けて貰えた。
命をかけるからこその刹那の美しさ。

今は亡きものとなったツインタワーだから余計に伝説化し、これからも彼は新たなファンを増やしていくだろう。
自分ももちろんファンに成った。

雑味があるフィルムで味はあるものの、
一見素人撮影も多い定番ドキュメンタリー。
しかし、輝かしい賞を多数受賞した。
ドキュメンタリーは、作り手よりも人間が評価されるという認識で合ってるんだな、と思いホッとする。人間が評価されるコンテンツ。やっぱりドキュメンタリーは楽しい。

そしてこの素晴らしいアーティストを全ての人に知ってほしい!感動した。
わかめ昆布

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