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カミング・ホームの作品紹介

カミング・ホームのあらすじ

ペンシルベニア州西部の小さな町で暮らす79歳のミルトンは認知症の初期症状を娘に心配されながらも、受け入れられずに一人暮らしを続けていた。そんなある夜、庭に突如、空から正体不明の飛行物体が墜落し、彼の静かな日常は大きく揺らぎ始める。 周囲に訴えても相手にされない中、同年代の隣人サンディーとジョイスだけが共に飛行物体を目撃し3人は秘密を共有することに。それぞれの孤独を抱えていた3人は忘れかけていた人生の喜びを取り戻し、やがて自らの“これからの人生”と向き合っていく——。

カミング・ホームの監督

マーク・タートルトーブ

原題
Jules
製作年
2023年
製作国・地域
アメリカ
上映時間
87分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ナカチカピクチャーズ

『カミング・ホーム』に投稿された感想・評価

symax
3.8
"街のスローガンを変えた方がいい…"

何度もそう訴えるが、誰も聞いてくれない…

認知症を疑う娘を尻目に一人暮らしを続けている79歳のミルトンの裏庭にトンデモないモノが落ちてきた…

なんともホンワカしつつも毒もあるSFコメディーっていうところでしょうか?

裏庭に墜落したエイリアンとの静かでそして奇妙な共同生活…秘密を知る三人の老人たちは、それぞれ普段心にしまってある想いをエイリアンに饒舌に話す…

エイリアンは黙って老人たちの話を聞いている…

そうエイリアンは老人たちにとって優秀なカウンセラーであり、奇妙な事に新たな希望をもたらす存在へとなっていく…

まぁ、よく出来た脚本で、それをベン・キングスレーをはじめとするベテラン俳優陣の円熟した演技によって、より味わい深い作品へと昇華しているように感じる…

ちょいちょいブラックな笑いを挟む辺りは流石です…ただ猫好きな方には少々ショックかも?
背骨
3.8
少しボケたジイさんの戯言だと思ったら本当に宇宙人だった話

老いてから出会った新たな友人を通して自分の人生を振り返るほのぼのとそれで希望を与えてくれる優しい映画。老後映画としてあまりにも秀逸すぎる
kuu
3.7
『カミング・ホーム』
原題または英題 Jules
製作年 2023年。上映時間 87分
映倫区分 G 製作国 アメリカ
名優ベン・キングズレーが主演を務め、孤独な老人が隣人たちとともに奇想天外な騒動に巻き込まれるなかで人生の喜びを取り戻していく姿をユーモラスにつづったヒューマンドラマ。

あの『ガンジー』(1982年)の圧倒的なオーラや狂気的な演技をどっかの箱の奥底に完全パージしてきたかのようなベン・キングズレー。
彼は、地域の定例会で同じ愚痴を擦り続ける、ちょっとウザいけど推せる爺さん・ミルホンを演じていました。
彼の日常は、社会から完全にフェードアウトしている状態かな。

​そんな爺さんの庭にUFOがドカンと不時着するわけやけど、ミルホンは腰抜かすようなリアクションをするどころか、おや、転んじゃったのかい。お水をどうぞって、近所の迷子犬でも保護したかのような生活感丸出しの神対応を見せる。
​これは、シモーヌ・ド・ボーヴォワールが著書『老い』で、
社会は年をとった人から現役の役割を取り上げて、ひとまとめに『シニア層』っていうカテゴリーにコモディティ化してしまうって鋭くマウンティング気味に指摘してる。

定年を迎えた途端、なんか急に社会のサブスクのお試しみたいに扱われるディストピア感やメンタルが削られる怖さのことで、せや、ミルホン爺さんはそないな世間のフレームワークにはまらなく、宇宙人の正体も、宇宙の真理も、人間の頭じゃ解析不可能(不可知)とどこかで割り切っているからこそ、プロフィールも過去のステータスも関係ない今、目の前にいる困った生き物と、ただの一個の人間として新規の関係性を築き始める。

​世間が押し付けるお年寄りバイアスを、説教ではなく、のんびりしたマイペースさで軽々とチート突破してしまう、呂布カルマも驚きのムーブ。
この、宇宙の神秘を前にしても自分のルーティンを1ミリも崩さない爺さんの姿が、+αベン・キングズレーが演じてるからたまらなくエモくて痛快でした。

​宇宙の真理も目の前の生命の本質も、人間の解像度では分かり得ない(不可知)。
それなら、社会が強いる老人らしさなんてテンプレに従う必要もない。
お互いにログもマウントも通用しないまっさらな状況で、今この瞬間のマッチングを新しく選択していく。。。
そんな不可知論的な自由さをのんびり体現する彼の、宇宙の神秘を前にしてもルーティンを1ミリも崩さない構図が、善きコンテンツになっています。

​引き算のミニマリズムが光るキングズレーに、ジェーン・カーティンら一癖ある婆ちゃんたちがコミットすることでカオス度は加速し、彼女たちがクラスタを作るのは、宇宙人への好奇心というより、ぶっちゃけ誰かと秘密の共有というパワーワードで、ただ密に絡みたいから。

かつて何者かやった人として扱われる彼女たちが、秘密を通じて今、ここでリアルに生きてるって生存戦略の手応えを求め合う姿はガチで切実です。
​一方で、今作品はいささか塩対応な感想も個人的にはある。
正直、SFとしてのスケール感に欠けてるし、絵面が地味にうつる。
また、宇宙人というパワーパワー設定の割に、派手なデスゲーム感や緊迫感がなさすぎて、高齢者のワンオペ孤独という重いテーマの描き方が、少々ファンタジーのチート能力に寄りすぎてるのは否めない。
映画的なワンオペ大仕掛けやシリアスなドキュメンタリー風社会派ドラマを求める層には刺さらないかも。

​しかし、個人的にはそのミニマルな温かさこそが今作品の最大の神要素であると感じます。
大仰なディストピアを描くSFは他にいくらでもあるけど、老人のリビングルームに不時着し、ただ静かに老いた人々の孤独をデトックスしてくれるような、お腹に?ド頭に?優しい87分のコンテンツは他にあまり見かけないかな。
​言葉の通じひん宇宙人ジュールズとの間に流れる時間は、心理学者カール・ロジャーズが提唱した無条件の積極的関心を、最も尊い形で解釈しているかのようです。
ジュールズはミルホンたちの話を、評価もディスりもせず、ただただ全面的に全肯定する。

社会から無用の長物のように窓際族扱いされてきた彼らが、言葉を超えたこの純粋な承認欲求の満たされ方に触れることで、静かにメンタルケアされていくライフハックには深い感動があります。
​宇宙の果ての真理なんて誰のド頭でもメタ認知できへんが、たとえ日常にドラマチックなバズりイベントが起きなくても、誰かとリアルで目を合わせ、話をインプットし、お気に入りの甘いもんをシェアするだけで、見慣れたルーティンはいつでも優しくアップデートされるのだと思わせてくれます。


あらすじ・キャスト
ペンシルベニア州西部の小さな町に住む79歳の男性ミルトンは、娘デニスに認知症の初期症状を心配されながらも、ひとり暮らしを続けていた。ある夜、空から現れた正体不明の飛行物体がミルトンの家の庭に墜落し、平穏だった彼の日常は大きく揺らぎはじめる。周囲に訴えても相手にされず、ミルトンはともに飛行物体を目撃した同年代の隣人サンディーとジョイスと秘密を共有することになる。それぞれ孤独を抱えていた3人は忘れかけていた人生の喜びを取り戻し、これからの人生と向き合っていく。

「ボディビルダー」のハリエット・サンソム・ハリスがサンディー、「コーンヘッズ」のジェーン・カーティンがジョイス、ドラマ「メディア王 華麗なる一族」シリーズのゾーイ・ウィンターズがミルトンの娘デニスを演じた。監督は「リトル・ミス・サンシャイン」「ラビング 愛という名前のふたり」などのプロデューサーとして知られるマーク・タートルトーブ。

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