horahuki

When Evil Lurks(英題)のhorahukiのレビュー・感想・評価

When Evil Lurks(英題)(2023年製作の映画)
-
記録です。


『テリファイド』のデミアンラグナ監督最新作。人知の及ばない異様で巨大な「何か」に触れる程度に接近するのみ…という前作アプローチを悪魔憑き映画に持ち込んだ異形の怪作。ラグナ監督らしさ全開で、説明的なものは極力排し、納得のいく因果関係や理由づけ等も全て意図的に放棄して、「とにかくそうなるの!」で押し通すやり口が、別の世界の価値観・因果律をそのまま強引に押し付けられる「侵略」の不合理を体感として伝えてくる。当然そこに科学的検証なんてものは何の意味もなく、意味も正確さもわからぬまま彼方の論理に従い対処するしか方法がない。ここ数年のパンデミックなり何なりを経た上で芽生えた感覚がきっとコレなのでしょう。同時期にインドで「死」がその目撃者へと伝搬するホラー『Virupaksha』が製作されているし、それもまた対処法として不合理な価値観を押し付けられ、それに翻弄される人々を根本に置いているために類似性を感じてしまう。ただ対処法とその提示の仕方が安直に感じてしまったのと、その規則性が貫かれてしまうことがある種の“想定”を作ってしまい、そこからの逸脱による快感のようなものが中盤以降減退していったように感じた。残虐具合は確かに容赦なく、その見せ方のクトゥルフ感が残虐度をより高めてはいるのだけど、クライマックスのアレとか結果は早い段階で“想定”に入ってしまっていて、その“想定”の中での振れ幅に過ぎないからそれほど心を動かされなかった。でも不合理に抗う“人間的な”合理性擬きみたいな感覚は良かった。2回目見たら感じ方もスコアも変わるかも。とりあえず『テリファイド』見直したくなった!


書き殴ってるだけなのでコメント等スルーしてください🙏
horahuki

horahuki