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義父養父
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目次

義父養父の作品紹介

義父養父のあらすじ

服飾デザイナー・リカ(34)の母は少し前、5度目の再婚をした。「男に経済力は求めていない」が母の口癖だった。ある日、リカは母の再婚相手の双子の兄・豊(65)を紹介される。精神疾患のある妻を持ち、自身も末期癌の豊はリカに養子に来てほしいと言う。養子として一緒に過ごすうちにリカは豊に父性を感じ始めるがその矢先、豊が逝く。

義父養父の監督

大美賀均

原題
製作年
2023年
製作国
日本
上映時間
60分
ジャンル
ドラマ

『義父養父』に投稿された感想・評価

4.1
 濱口竜介監督の新作『悪は存在しない』と『Gift』という映画で主演を務めた大美賀均さんの初監督作ということで観に行ったのだが、若いのに随分と老成した作品で、煤けた色はかつての台湾映画のような雰囲気すら醸し出す。冒頭は親子3人でウナギを食べる場面から始まる。服飾デザイナーのリカ(澁谷麻美)は34歳で、向かい合うミノル(菅原大吉)とはどこかぎこちない。ミノルもまたその気まずい雰囲気を埋めるために、無理矢理言葉を紡いでいるように見える。「男に経済力は求めていない」が口癖の自由奔放な母(黒沢あすか)は少し前、ミノルと5度目の再婚をした。うなぎ屋の前で煙草をくゆらす母子の姿が何だかとても心地良い。そんなある日、リカはミノルの双子の兄・ユタカ(有薗芳記)を紹介される。菅原大吉と有薗芳記が双子の設定であることに唖然としたが、何となく雰囲気が兄弟に見えて来るから不思議だ(流石に双子には見えない)。

 『義父養父』という何とも奇妙なタイトルは、双子の兄ユタカと弟ミノルの関係性に起因する。末期がんを患い、余命いくばくもない兄のユタカはついこの間、弟の義理の娘になったリカに養子に来てほしいと秘かに願っている。ほとんど何の接点もない2人だし、若いリカにとってもこの親戚との同居はやんわりと断るべき案件のように感じるが、どういうわけか彼女はユタカの提案を受け入れる。その時点では老人の遺産目当ての魂胆だと疑われるべきだし、実際にサスペンスへと舵を切るべき物語であるが、そうはならない。ユタカの和式の部屋の一つ一つを見て回るリカの姿は何だか美術館巡りをする大学生のように見えて来る。JAZZのレコードに囲まれた居間では『東京物語』の笠智衆と原節子のように、ぎこちない2人はぎこちなく言葉を重ねながら、時間は過ぎて行く。だが主人公のリカはユタカの妻・フミコ(松田弘子)と対面した時、緩やかに血相を変える。末期がんを患ったユタカの妻フミコは何らかの精神疾患を抱えている。居間に佇む彼女の姿はペットの何かのようにぴくりとも動かない。かと思えば窓際でウクレレを弾き語るのだ。ウクレレ・ケースに隠し持つ何かの束には心底ギョッとさせられ、ふて寝したかに見えたフミコとリカのリバース・ショットの張りには今年最も驚く。在りし日の面影に想いを重ねる2人の女性の姿が重なるラストも奇妙な余韻を醸し出す。
濱口竜介監督の「悪は存在しない」で主演をされている大美賀均さんの初監督作品。

服飾デザイナーのリカの母親の再婚相手の双子の兄は、精神疾患の妻がおり、末期癌であるが故に、リカに養子に来て欲しいと頼み込む。一緒に過ごす中で家族のような感情を抱くようになるというお話。

ただ、このあらすじを本編内でほぼ説明がなく、俳優陣の演技の力量と端的に映像のニュアンスだけで見せるだけで、映画になってしまうことの様式美は存分に感じられるのですが、
上映後のトークを聞くかぎりでは、その思惑は伝わり切れていないことが分かります。

何でもかんでも、台詞で全部説明する必要はないですが、人間関係であったり、位置関係であったり、観る側に匂わせるカットなり、台詞なり、もう少しを残しても、今作の洗練された完成度は削がれないと思いました。

それでも、生前の想いとは裏腹に、残された者への重苦しい重圧が支配する後半の映像はすさまじく、60分のいう短さながらに、後を引く内容ではありました。

偶然にも同時期公開のギャスパー・ノエ監督の「VORTEX ヴォルテックス」と近い設定の物語でもあり、短いシナリオからアドリブ的に膨らませていく手法も同じで、少し不思議な気持ちにもなりました。
矢吹
4.3
ダンス。のようだった。
これは、人の生活を現す踊り。
再現であり、再演だった。
そもそもが映画という演技であるとかは、まあいいとして、その上で、登場人物たちが繰り返す、狸寝入り。生活の中の、オンとオフの境界。がめっちゃ頻発される。
電話を盗み聞き、ギターを弾いてるフリ。などなどの、自分という存在を、コミュニティや、対話の中で、無視させるための、聞いてないフリ、かくれんぼ。
この人は、いったいどこまで聞いていて、どこから聞いていなかったのか。
クローズアップされる、指と睡眠。による、観客の僕らと、その人だけの、答え合わせ。
1人では、寝てばっかりの生活と、
養子の前での、おじさん双子の、明るい立ち振る舞い。
どっちも本当の自分であり、どっちも一つの、嘘であり、演技であり、コミュニケーション。
コンテンポラリーとは違う。
世の中に、あるから、やってる。その動き。
肉体が沈黙したり、すこし蠢くことによって、映像は、真実を雄弁に語る
カトウシンスケの足と、解決した問題。
鰻待ちの静止。シガーキスの躍動。ドーナツを持つ腕の導き。
会話が生まれる前や、終わった後の、
セリフのない時間を目の前に残してくれる。
正直、大多数の映画のなかで、無闇にやると、かなり不自然になる可能性が高いショット。
そして、これが、これは、まったく、余白じゃない、事実、人が生きて関係する限り、余白なんてないんだから。つながるはずなのだ。
だって、あなたの、体の動きって、生きてる間に、途切れたこと、ありますか?
寝るも、歩くも、寝たふりも、動きの中にある。
だから俺の身体は、生まれてこの方、ずっと続いている。そういえばそうだと思ったんだよ。
きっと、あなたと、あなたも。
そうなるべくして、なることと、
そうするために、起こすこと。の積み重ね。
丁寧に積み重ねられる、果てしなく、意味のある時間。

回転するポジション。
騙すとか嘘とか。
握った拳に対して、真に誠実な態度とは。
開いてもらうべきか、ぶつけてもらうべきか。
もたらされる、静止と変化。
追いかけたカメラと、染めるカーテン、弾くギター。人が動くと。その生活と景色もまた、あの部屋の中の色はカーテンによって青から赤へ、剥き出しへ。と移り変わる。
青から赤の、その動きはまるで、
土曜日から日曜日へ、つまり、すぐ隣にはいつもの黒が待ち受ける。
平日の黒と、喪服の黒は、どう違うか。
こうやって、色などを、カレンダーに照らし合わせて弄る感じ、クイズ研究会っぽくない?

服を纏う、展示する。
生花は、命の再配置。
コツコツ集めた、おクスリ。
ゆたかさんと一緒にいたい。
椅子に座った、3人の横並び。
最初から、彼らが座ることが決まっていたから、空いてたのか、空いていたから、彼らが座るしかなかったのか、どっちともとっていいかのような、椅子たち。
ボーッとしてるフリ、もしくは、待ち時間、ひいては、覚悟までの助走。
邪魔しないでね。
歩いていく後ろ姿、リカとふみやん。
その、離れていく、距離、距、離。

相変わらず、頑張って話してたね。とか、
会話の途中で鳴った電話を一回無視して、あなたを優先するつもりはあります。という提示。のあとの、大丈夫ですよ、を言ってもらうための、イントロ。とか、
実家に何か言われたんだろう。とか、
周りのみんなが言ってるよ、金目当て。とか、
5人も6人も変わらないわよ。とか、
確かに交わした、会話は会話で、
キャラクターそれぞれの奥行きを掘りまくってくる、洗練された文字と言葉。
踊りも、声も、光も音も、透き通っているのに、どこまでも深い。
総合芸術。

音楽がずっと鳴ってた、悪は存在しない。のテーマのような。記憶として、紐付けられたのは、なぜなら、上映直前に、予告を流していたから。振り返っても、そう聞こえてたはず。
そんなことあっていいのかと、ないよね。
とも思う。普通に映画見てたらさ。
全然違う作品なのに。完璧にシンクロしてしまった。
監督脚本が、おおみかさんなんだから、もちろん、便利屋の、あの男の顔がずっと、頭にも、あったからでもある。
こればっかりは許して欲しいかもな。
とにかく、音楽すらも、とってもいい音楽だったってこと。

これは余談なんだけど、
あれは、幽霊じゃ無い。ということは、幽霊な、時があるじゃんね
サンドイッチは両手で食べた方が美味しい。
しかも、これは、新曲じゃ無いらしい。
鰻と瓢鮎図。禅問答。義持。

風合いと風の体は、いいんだよ。
どこから見ても、こちらを見ているように見えるタイプの彫像。スタチュー。

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