茜

シャロウ・グレイブの茜のレビュー・感想・評価

シャロウ・グレイブ(1994年製作の映画)
3.6
ダニー・ボイル監督とユアン・マクレガーが初対面した映画であり、名作「トレインスポッティング」が生まれるきっかけとなった作品だそう。
個人的に幸せな終わり方とは言えない気もするけれど、非常に爽快でスタイリッシュな映画である事は間違いないです。

目の前に忽然と現れた大金に目がくらみ、安易に手を出した結果、破滅が破滅を呼ぶ。
大量の札束と一人の男の死体をきっかけに、幸せだった友人関係が次第に歪んで破綻していく様子がテンポよく描かれています。
そしてラストの展開は小憎たらしくありつつも何処かお洒落で、この結末には思わずニヤリとしてしまいました。
こんなに大量のお金を目にした事がないのでリアリティこそないけれど、やはり現金というものはここまで人を狂わせる魔力を持つものなのか。

「もし友達が信頼できなくなったら、どうする?」
劇中でそう語りかけてくるユアンに対して、自分ならどうするかと考えた時、例え巨額の富を目の前にしても、私はこんな危うい人生はご免だなと思わされる。
しかしながら、ふとしたきっかけで大切な人を信じられなくなるような出来事は、いつ誰にでも起こりえる。
だからこそ改めて、今の平凡で地味過ぎるほどの自分の生活に思わず感謝したくなった。
茜