【さらば青春の光】
MUBIでビル・ロス4世＆ターナー・ロスコンビの『Gasoline Rainbow』が配信された。ビル・ロス4世＆ターナー・ロスコンビといえば、社会と隔絶されたバーの奇妙な空間を捉えた『Bloody Nose, Empty Pockets』が印象的だったので期待していたのだが、そこまでピンとくるものがなかった。

若者たちが社会という大海原に放たれる前に自由の大海原を航海する。街をふらつき、車を爆走させ、スケボーで遊ぶ。そんな彼らのポートレートをありのままに捉えていく。迷える子羊のように自由奔放に大地を駆け巡る。その果てで、海岸へたどり着く。海岸ではピアノに火をつけ、盛り上がるのだが、日が昇り、焼けた跡の海岸を見て感傷的になり抱き合う。さらば青春の光と言いたげな「エモい」空間がそこに生まれる。正直、『スプリング・ブレイカーズ』のような抜けがなく、ただダラダラと青春を捉えているだけのように思えてピンと来なかったのだが、空気感は結構好きで嫌いになれない映画であった。

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