大和(カリフォルニア)の作品情報・感想・評価

大和(カリフォルニア)2016年製作の映画)

Yamato (California)

上映日:2018年04月07日

製作国:

上映時間:119分

3.4

あらすじ

神奈川県大和市。この町は戦後米軍基地と共に発展してきた。厚木基地の住所はカリフォルニア州に属しているのだという都市伝説があるという。 10代のラッパー・長嶋サクラは、日本人の母と兄、母の恋人で米兵のアビーに囲まれ、この町同様、複雑な関係性の中で育ってきた。アメリカのラッパーに憧れて、サクラは毎日ラップの練習と喧嘩に明け暮れる。ある日、アビーの娘・レイがカリフォルニアからやってくる。日米のハ…

神奈川県大和市。この町は戦後米軍基地と共に発展してきた。厚木基地の住所はカリフォルニア州に属しているのだという都市伝説があるという。 10代のラッパー・長嶋サクラは、日本人の母と兄、母の恋人で米兵のアビーに囲まれ、この町同様、複雑な関係性の中で育ってきた。アメリカのラッパーに憧れて、サクラは毎日ラップの練習と喧嘩に明け暮れる。ある日、アビーの娘・レイがカリフォルニアからやってくる。日米のハーフで、サンフランシスコで生まれ育ったレイ。好きな音楽の話をきっかけにして2人は距離を縮めていくのだが――。

「大和(カリフォルニア)」に投稿された感想・評価

milagros

milagrosの感想・評価

4.2
こういう映画は大事にしないといけない。地に足がついていて、誠実で、切実にキャラクターを描いている。
明らかに違和感のある飛行機の騒音が、まさに当たり前のように生活に溶け込んでいる、そのことから相当イカれてるけど、それにはまず自分たちの感情と言葉を取り戻さなければならない。
大和でも結構南の方のほうの景色だったので、大和北半分住民の自分には意外と新鮮だった。とにかくもっとラップみたかったな。
基地、ヒップホップ、百合?、、等のトピックがあり、そういうのが全面あるのかと思っていたら、まあそれらが内包された青春映画、といった感じ。

2人が仲違いするシーン、なんかすげー違和感あんだよなぁ。

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の韓のラップに「これは…うまいのか?下手なのか?そういうことではないんじゃないか?」という困惑と共に震えと汗。
何度かあるラップシーン毎回この感覚にとらわれた。
ラストまでもはやこれはホラーなんじゃないかとすら思う。
怖い人じゃないけど何か怖い感。
一方作品は実に堅実。
日常に突然現れる異文化と、土地内の異文化に揺れる中で一つの答えに達する韓。
家の作りもカッチョイイ。
監督も言っていたがほんとに女性を綺麗に撮れてない。
buccimane

buccimaneの感想・評価

3.5
基地がドンとある大和とコピーと言われちゃう日本のラップを重ね合わせるテクはなるほどと思ったけどのど自慢でのアレも型にハマってないようでハマってるしコピーと言われなくなって切り離すことがプライオリティなの?ってモヤッちゃたな。
アンビエントなLil'諭吉さんビーツは良かったし練習してる時のオケもメンフィスでカッコ良い。
宍戸さんは自分もファンだけどGEZANも含めて蛇足に思えたというかコピーじゃないてこういうののことだった?
あとやっぱ遠藤さんの役が日本語上手いだけじゃなくてニュアンスまで完璧だから萎えるよな。したことないんだ?とか。
韓さんはカッコ良かったけどクロスのチャームがださいと思った。
しかし単純にジョイント回したりソーダ割りする様子が描かれたのはエピックだったかな。
上映後トークでファスビンダーの名前出たのなんでだったか忘れたけどレイシストデモの映り込み具合とかファスビンダーぽいなと思った。
yabesaya

yabesayaの感想・評価

3.5
映画『大和(カリフォルニア)』鑑賞。サクラがレイと一緒に、いつもいく場所を辿りながら街の中を移動して、音楽を軸に少しずつ心が解けていくシーン、良かったです。でも、どこか最後まで主人公サクラのことが好きになれず、、、作品に込められたものを、自分が受け止めきれなかったのかもなあと。遠藤新菜ちゃんはとてもヨカッタ!!!
主人公のラップ(になってないが)というかマイクパフォーマンス、下手糞な役柄とはいえ、もう少しなんとかならんかったのか。下手糞なりのリアリティ狙ってるんだろうけど、ダサい。トラックはいいのになー。
あとクラブでのオーディエンスの身体の動きあんなん全然ヒップホップじゃないよ。固すぎ。
まあなんにせよこういう現代的なトピックふんだんに盛り込むとえてして社会学っぽい説教くささが出るもので、これも例外ではない。青春映画としても極めて微妙なところ。暴力描写の痛々しさだけが救いか。
MinKFJ

MinKFJの感想・評価

-
音が…
凄いですよコレ
耳の感覚でいうならリリースを待ちかねたアルバム2枚分一気に聴いたようなstream。サウンド・デザイン森永さん。成る程…

空から空気を震わせる米軍機の轟音とイライラとしたライム、圧倒的にフロウが足りないラップ以前のほとばしり。地元のcoolな先輩NORIKIYOさん。夢うつつから立ち昇るpsyche rock。何か掴んだね地元のど自慢大会。

国道沿いを走らせる原付からはあまりにもありふれた郊外に乱立するチェーン店。見るからにマイルドヤンキーなジャージ上下に安物のサンダル。

家族で住む家も、鰻屋も、ドンキやショッピングモールでさえも、
フェンスの向こう(カリフォルニア)以外は何もかもが廃墟のようにすら感じる。

ハーフのレイちゃんが可憐だった♡
nidryk

nidrykの感想・評価

-
好きな色の絵の具を混ぜまくると最後に濁った色になってあーあ。
話が強引めで興醒め。

結局何を言いたいのか、分かるけど分からなかった。

ただ大和のショッピングモールの五重の塔にはやられた。
まず題名、それだけ見ても何の映画なのかわからない。分かりやすいだけで気骨のかけらもない題名ばかりの昨今、異物感たっぷりで素晴らしい。タイトルイメージと題名の字面が見事に補完しあい、この映画が何であるのかが理解できた時のカタルシスも最高。

そして多面性や多層性の描き方がとても豊であること。日本でありながら主権の及ばない米軍基地が幅をきかせる神奈川県大和市という土地、米兵を父に持つ主人公のアイデンディティ分裂、ラップという借り物のアートフォームで自己表現することの居心地の悪さ、等々。
メインキャストの2人の女優が外国人のアイデンディティを持っていることも、本作が描こうとしていることに説得力を与えているようにも感じる。

こういった多数性は、本作が既成の物語から大きく逸脱することにも表れている。
ラッパー志望の少女の物語というと、卓越したラップスキルでライバルを蹴散らしていくという、フリースタイルなんとか的なものが想像されるわけで。しかし本作は、ラップという表現手段の本質である「自分の想いを自分の言葉で世界に表明する」ことに狙いを定め、それを正確に撃ち抜く。

音楽映画の側面もある本作は、音楽面においても多様性が貫かれている。ラップ〜ヒップホップ以外にもサイケデリックロックが大きくフィーチャーされ、バンドが紡ぐノイズミュージックは米軍機が撒き散らす騒音ともシンクロする。
主人公はノイズミュージック(=米軍機の騒音)と一体化し乗り越えることで、はじめて自らの言葉を獲得するのだ。

分かりやすい成功譚に回収されることのないオープンエンドにより、物語はこれから始まるのだという予感を湛えながら幕を閉じる。このマージナルな土地で生き抜くために相応しいマインドはどんなものか、彼女なりの答を力強く謳いあげながら。

蛇足を少々。大和市を含む相模地区は本当にヒップホップが盛んな土地で、SIMI LABをはじめ多くの才能を輩出している場所でもある。なので、ある意味ドキュメンタリー的な楽しみ方もできる作品かと。
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