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シャイニングのRのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
4.9
史上最強のホラー映画! 全てのショットが恐しく計算しつくされてて、ホラー的な要素よりもそっちに釘づけ。ステディカムによる流麗なキャメラワークで舐めつくすように映し出される整然としたホテルの画に冒頭から終りまで目がはなせない。前半は主人公ジャックがおもむろに狂気に追いやられていく様子がサイコスリラー的。数々に起こる不可解な出来事は、ジャックの白昼夢なのか? 本当に起こってるのか? 現実と非現実が知らぬ間に渾然となっていくのがスリリング。過去にOverlook Hotelで起こった惨殺事件の名残りのようなものがホテルに染み込み、何かのきっかけで現代に甦る。小説を書けないフラストレーション、禁酒によるストレス、外界からの隔離、妻の存在などにより、トランスの精神状態が極度に乱されたせいか。過去の亡霊がジャックを乗っ取るシーンの執拗なほど仔細な描写がとても不気味! で、主演2人のキチガイじみた熱演がやばい! ジャックニコルソンのわらけるほど激しい顔芸と、平常なときでさえ病的なシェリーデュヴァルの阿鼻叫喚! あと音楽もいい!オープニングのおどろおどろしい不穏なスコア、劇中に流れる弦楽器の不協和音や不気味な電子音などは、実に効果的。ホテルを三輪車で走り回る息子、“All work and no play makes Jack a dull boy.”の原稿を見つけたウェンディに詰め寄るジャック、大きなナイフを持ってREDRUMと叫びまくる息子、斧でドアを破り、顔をのぞけるジャックの邪悪な顔など印象的なシーンの連続! 意外と笑えるシーンも結構あって特に黒人コックの登場するシーンはおもろい。部屋に飾ってあるヌード写真のとか何なんそれ?ってなる笑 ちなみに今回見たとき、まばたきすらできない吸引力だなー、目が疲れるなー、と思って観察してたら、演者さん自体、ほとんどまばたきしてないのに気づいた。まばたきってつられるものなのだね。
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