なにも言うまい

予告を観てもらったら一目瞭然だもんね

映画好きにはわかるはず


彼らは、只者じゃない‼️って



大阪芸大の卒業制作

教授も腰を抜かしたろう


一足先に、海辺の映画祭で観てきたよ


7/18からアップリンク吉祥寺で！


オカルティック過ぎるだろ‼️が合言葉^ ^

　失踪した姉（入江美瑠）の行方を探す高校2年生の清水夏希（橋口果林）は、プールに幽霊が出るという噂が姉の行方不明に影響を及ぼしているものと捜査を開始する。オカルト研究会部長で令和のオカルト伝承者前田真嗣（木林優太）と、ツインテールの現役巫女で、オカルト研究会のエース、花京院千尋（吉岡杏莉）とひょんなことから意気投合する。3人はプールに幽霊が出る”という噂の真相を解明するため、調査に乗り出す。ところが、その先に待ち受ける脅威を、まだ誰も知らなかった。何とも瑞々しい青春映画にオカルトを掛けるという有り得ない発想も凄いが、これが新鋭の樋口翔一監督の大阪芸術大学の卒業制作だというから恐れ入る。ヒロインの橋口果林さんにはTwitterで直接DMを送り、返信が来たというからまたしても驚きである。私が今作に興味を持ったのは、アップリンク吉祥寺に行くと毎回、樋口監督らしき人物が映画フライヤーを他の映画を観に来た観客に片っ端から配っていたから。1,2回は監督から直接貰うことはあれど、合計で7.8回は貰ったかもしれない。とにかくその並外れた行動力に何かしらを感じ、初日に駆け付けたが正解で、初期衝動の力が凄まじい何とも瑞々しい力作だった。

　オカルト的な物語の設定は完全に後付けと言うことだが、例えるなら庵野秀明の映像世界から漢字平仮名の文字列だけを抜いた感覚と言えばわかりやすいだろうか？監督には直接確認していないが、庵野秀明の『ラブ&ポップ』や『彼氏彼女の事情』や実相寺昭夫の影響は絶大で、庵野秀明及び2000年代の深夜アニメが持っていたある種の箱庭的世界を令和の時代に映画でオマージュを捧げている。兎に角、美少女の描き方が独特で、ホラー映画的な要素もふんだんに盛り込まれているが、独特の構図とフレームの切り取り方はとても20代の若手とは思えない。脚フェチな構図も極めて庵野的で極めてフェティッシュに映った。あの清水家の門構えのロー・アングルの構図とか中二病的なフェチズムを拗らせた人間には堪らない。橋口果林さんには直接DMを送り、吉岡杏莉さんは学内の同窓で、入江美瑠さんもフリーという立ち位置で、ある種同じ出発点から1本目の映画を世に問う。青春=プールというのは誰もが試みて来た凡庸なクリシェかもしれないが、学校の地場に押し込まれたオカルティックな何かが少女たちのシスターフッド的な連帯を奈落の底へ引き摺り込もうとする。それを阻止せんと躍起になるのがまったくヒーロー然としないヲタク気質の前田真嗣という辺りも絶妙な塩梅である。

『私たちのオカルティックサマー』
第9回池袋みらい国際映画祭

学生が作った作品にしては、冒頭の映像からあざといなぁ。

前田真嗣、いいなぁ。もう、このキャラだけでも勝利なんだけど、3人みんなキャラが立ってるのがいい。

全体の感想としては、カメラワークや画角の取り方が凝ってるなぁってこと。

マンガのカット割り的な構図は庵野の影響かな？　『地獄の黙示録』とか『ウルトラセブン』のキラキラ(レフ板)とか、いろんなものを参考にして、印象的なビジュアルをガンガンぶち込んでくる。撮影班に「あっぱれ！」

映像的に霊や呪いを具体的には示さなくても、それらしい雰囲気を醸し出せている演出も素晴らしい。

ラストの展開はあれでも良いけど、前半で前田が霊媒体質だってことが提示されてたから、きっとそれがキーになるんだろうと期待してたからちょっと肩透かし。

前田だけは何事にも動じず、別次元の落ち着きを持って大活躍しちゃうっていう感じでもよかったかも。

学生のインディーズとして、こういうオカルト×青春ものってジャンルに挑戦したことを大いに評価したい。おもしろかった。