オシリー

シックス・センスのオシリーのネタバレレビュー・内容・結末

シックス・センス(1999年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

シックスセンス
星4.5
もし現代の映像技術で誰かがシックスセンスの正解へたどり着こうとすれば、やはりやることは同じになると思います。それくらい抜け目のないことをしてると感じました。コールにはみえているものが他の人にはみえていない状況を、巧みな画面構成、霊の設定、映画の型で以って鑑賞者の先入観を利用するなどして完璧に言い切っている。たとえば、コールの自宅で母親とマルコムが座っており、そこへコールが帰ってきて母親がキッチンへ向かうシーンです。これは映画の型に慣れた我々がみるにつけ、「息子の主治医と話していた母親が、息子が帰ってきたので主治医に息子をカウンセリングしてもらうため、席を外した」という解釈を自然に行います。映画ではよくみられる表現だからです。それを非常にうまく利用していると感じました。そしてシックスセンスの魅力はその現実感にあると思います。何気なく映された部屋のシーンには、どことなく不穏な空気感や不気味な感じが漂っていますが、これは普段我々が生活するなかで感じる不安や恐怖を見事に映像にしています。母親が少し目を離した隙に部屋の棚が全部開いているシーンなども、決してやり過ぎていない。現実の域をあまり逸脱しておらず、それ故にその恐怖はリアリティを持つのでしょう。要するに、シックスセンスはつくられた恐怖ではなく、我々が潜在的に有している恐怖心を刺激しているのだと思いました。とはいえ夜中にコールが用を足しにトイレへ向かい、いきなり霊が出てくるシーンや、学校に首吊り死体の霊が3体いるシーンなどはインパクトを持って訴えかけてくるものがありました。
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