むぅ

トロール・ハンターのむぅのレビュー・感想・評価

トロール・ハンター(2010年製作の映画)
3.5
【何にでもレーズン入れる奴】

映画の吹替で"唐揚げに勝手にレモンかける奴"が"何にでもレーズン入れる奴"と訳されていたというのを目にし、なるほどと思った。
全世界共通で"こういう人いるよねあるある"は存在するらしい。

最近知った[モキュメンタリー]
舞台はノルウェー
熊の密猟事件を調査する3人の学生は、トロールハンターのハンスに出会って...。

トロールと言えば
・カバ似の妖精(ムーミンより)
・石になる(アナ雪2より)
以上の知識のみだったので、さてどんなもんかな?という気持ちで観始めた。
もっと引っ張って後半に登場するだろうと予測していた、いや何なら結果出てこないで終わるんじゃないかとさえ思っていたトロールの「出し惜しみ?しませんよ。モキュメンタリーですから」と言わんばかりの早々の登場が好印象。

そして、想像していたトロールと違う!という私の勝手なイメージ像の欠損をトロールハンターのハンスが"職人あるある"像で補填してまわる103分。

"何にでもレーズン入れる奴"に多少感じられる否定的なニュアンスはないのだが、私の中での"職人あるある"
・絶妙な無愛想感
・取材OKしたのに情報を小出しにする感
・「知ってるでしょ?」「知らないでしょ?」とこちらの了解事項を勝手に使い分けるシーソーゲーム感
・語り出すと止まらない想い(お茶飲んでたりご飯食べてる時に誘発しやすい)
・最後は背中で語る
お見事、ハンス。全クリア。
このハンスが追っているんだから、トロールいるもん!と言いたくなる"何にでもレーズン入れる奴"感であった。

そしてカメラマンって大変。
トロールを追いかけ回そうが、トロールから追いかけ回されようが、みんなと同じ条件に重いカメラが追加されてるんだよなぁと思った。縁の下の力持ちに感謝を。

ハンスにもwikipediaにさえも知能が低いと言われるトロールがちょっと気の毒になり、劇中「なんかあったの?」と聞きたくなるトロールのキリスト教への執着は何なのかと思って調べてみた。
キリスト教の伝来によって信仰の対象としての立場を追われたため、キリスト教関連や信徒を憎んでいるという設定を知り、土着宗教にも触れられそうな細かい設定に関心すると共に、だったらトロール結構賢いのでは?と思った。

「昭和って恐竜いた?」
という失礼千万な質問を投げかけてくる友人の息子に観せたい。
いやでも「トロール見たい!」と盛り上がられても困るので、やめておこうか。
むぅ

むぅ