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『ここではないどこかで』に投稿された感想・評価

【場面写真付き詳細レビューは記事にて】
https://cula.jp/2025/04/11/losing-ground-review/

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公開から40年以上経った今なお鮮烈な衝撃を与える傑作。当時としては極めて稀有な、自立した黒人女性の内面世界を掘り下げた本作は、今日の目線で見ても驚くほど先鋭的である。

主人公をセレット・スコットが繊細かつ力強く演じ切っている。彼女が体現するのは、哲学の講師として確固たる知性と精神的自立を持ちながらも、社会の窮屈な枠組みと日々向き合う一人の女性。学術的業績や教育者としての能力があり生徒からも慕われている。にもかかわらず、周囲—特に彼女の生徒たち—は彼女を「画家である夫の妻」という付属物的な存在として認識してしまう。

この視線の重層性が本作の核心に迫る。彼女に向けられる社会の眼差しには、「黒人女性」としての日常的な抑圧と、「妻」という役割への窮屈な期待が幾重にも絡み合っている。コリンズ監督はこの複雑な交差点に立つ主人公の姿を、安易な解決策を提示することなく、誠実かつ鋭利に描き出す。

本作で最も胸に刺さるのは、夫婦間の微妙な力関係を描き出す緊張感に満ちたシーンの数々だ。画家として名声を得つつある夫(ビル・ガン)と哲学者である妻の間に横たわる見えない亀裂が、日常の何気ない瞬間から徐々に表面化していく様は見事としか言いようがない。

夫は自己中心的な芸術家の典型として、妻の知性や自己決定権を尊重するどころか、自らの創作の自由とエゴを最優先する。彼女が自分の意向に従わないとき、その反応は単なる苛立ちを超えて、まるで所有権を侵害されたかのような怒りへと発展する。コリンズ監督はこの支配と抵抗のダイナミクスを、大げさな演出に頼ることなく日常の機微の中に見事に織り込んでいる。

夫の態度の根底には、妻の知的独立性や精神的豊かさへの無理解だけでなく、それらを自分への脅威として捉える恐れが潜んでいる。彼女の学問的探求と自我の成長が、彼の芸術的自我の拡大と衝突する様子は、男女間の権力構造を赤裸々に映し出している。

本作における音楽演出の妙も特筆に値する。コリンズ監督は音楽と沈黙を巧みに操り、キャラクターの内面世界を視覚的表現を超えて伝えている。夫がニューヨークの街を颯爽と歩くシーンでは、解放感あふれるラテン音楽が鮮やかに彼の自由と創造性を強調する。対照的に、主人公が一人で思索にふける場面では意図的な無音が支配する。この沈黙は単なる音の欠如ではなく、彼女の内面に渦巻く葛藤と孤独を雄弁に物語っている。

この音と無音の対比は、二人の人生における根本的な不均衡を浮き彫りにする。夫は自由を享受し、妻は常に見えない壁と格闘している。コリンズ監督はこの対比を通じて、主人公の世界の閉塞感と、それでも立ち向かおうとする彼女の強さを観る者の心に深く刻み込む。

今作は、表面的な夫婦間の軋轢を超えた重層的な物語。これは黒人女性が自らのアイデンティティを模索し、社会的抑圧からの解放を目指す内的旅路の記録であり、揺るぎない信念を持って描かれた作品である。1982年という時代にコリンズがこの物語を映像化したという事実そのものが、既存の映画産業への挑戦状であり、現代・未来への希望の灯火といえる。今日の観客にとっても、この作品が持つ力強いメッセージは少しも色褪せていない。

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観た回数:1回
【アメリカ黒人映画傑作選】

1982年制作。公式サイトによれば、アフリカ系女性監督による最初期の長編作品らしい。当時正式公開はされず、2015年になって修復公開されたとのこと。

主人公サラの心の解放の物語、ということでいいんだろうか。
物語が進むに連れて、彼女の行動や感情の表現がどんどん自由になっていくのが見て取れる。

キャスリーン・コリンズ監督自身がアフリカ系で女性ということで、当時の社会では今よりも様々な障壁があったのではないかと思われるけども、
抑圧から解放された女性を魅力的に映し出すことで、軽やかにしなやかにメッセージを伝えてきてるように感じられる。

全編に流れるサックスの音色や、
美しい映像も印象的♪
菩薩
3.0
この映画を一概に「黒人映画」とカテゴライズする時点でさもありなんな話であるがフェミニズム映画でもあるしなんならインターセクショナリティな視点を既に持っている。アカデミズムを極めながらも結局は夫の付属物の扱いから出られず彼女の天井は低く部屋は狭い。だからこそ「ここではないどこかで」とGLAYみたいな事を言いつつ「演じる」に挑戦していく訳だが、それによって夫婦間の軋轢は遂に表面化する事となる。エクスタシーの主語を拡大化していく事に対してはあまり賛同出来ないが、遂に旦那に牙を剥きお堅いスーツとは打って変わってキャッツアイの様なレオタードに身を纏いながら嘆きの弾丸を発する瞬間にこそ、彼女は遂に至るの意味を知ったのではないか。抽象化された中に具象を見出していく姿勢、そもそもこの映画がサルトルに対する言及から始まる時点でさもありなんである。

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