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骨 4Kレストア版
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目次

骨 4Kレストア版の作品紹介

骨 4Kレストア版のあらすじ

ん坊を産んだティナはリスボン郊外にあるスラム街に戻ってくるが、夫は赤ん坊を連れて家を出て行ってしまう。彼は物乞いをし、看護婦のエドゥアルダと知り合い、彼女の家に居候するようになる。ティナの隣人クロチルドは家政婦をしているが、ある日エドゥアルダの家でティナの夫に出会う。スラム街フォンタイーニャスに住む人々を起用し、圧倒的なリアリズムで底辺の生活の厳しさを描き、高く評価された。『ヴァンダの部屋』のヴァンダも家政婦役で出演。

骨 4Kレストア版の監督

ペドロ・コスタ

原題
Ossos
公式サイト
https://cinematrix.jp/early_pedro/
製作年
1997年
製作国・地域
ポルトガルフランスドイツ
上映時間
94分
ジャンル
ドラマ
配給会社
シネマトリックス

『骨 4Kレストア版』に投稿された感想・評価

4.3
 出産したばかりのティナ(マリア・リブキナ)は退廃的な表情を抱えながら、リスボン郊外にあるスラム街に戻ってくる。ところが、ティナの夫(ヌーノ・ヴァス)が赤ん坊を連れて家を出てしまう。物乞いをしていた夫はまもなく、看護婦のエドゥアルダ(イザベル・ルート)と知り合い、彼女の家に居候するようになる。そこへ、家政婦として働くティナの隣人クロティルデ(ヴァンダ・ドゥアルテ)が現れる。89年の処女作『血』がモノクロ映画で、2010年代のペドロ・コスタの作品がひたすら黒に呑み込まれる世界だとすれば、今作のカラフルな色味はペドロ・コスタのフィルモグラフィを語る上であまりにも貴重である。初期の3部作が出自に縛られる登場人物たちの家父長制や家族制度の解体を声高に叫んでいるのは間違いなく、土に縛られた人間たちの生々しい物語が地上では繰り広げられる。ダルデンヌ兄弟の『ある子供』との親和性は論じられるはずだったのだが、調べてみれば今作は97年だが、『ある子供』は2005年ということで、『ある子供』は明らかに後発なのだ。ダルデンヌ兄弟の傑作はペドロ・コスタによるこの衝撃の問題作を観ていないでは済まされない。

 実際に乳飲み子は夫(ヌーノ・ヴァス)の手の中で、生き物であるのかそれともモノであるのか判断は付きかねる。禍々しき布に包まれたその嬰児自体が、成熟し過ぎたトウモロコシかもしれないのだが、父のその歩幅を尋常ならざる横移動で切り取ったペドロ・コスタの意図に大いに魅了される。つい先だって父親になってしまった男の勤労意欲は遂に芽生えることがない。せいぜいリスボンの雑踏の中で乳飲み子の姿を見せながら、物乞いに走るしかないのだが、この場面はドキュメンタリーとフィクションとの垣根をいとも簡単に乗り越える。エドゥアルダの平手打ちのあと、何かが変わるのかと思いきや相変わらず怠惰な生活は続く。登場人物たちの目と目は合わず、ただただ虚空を見つめる絶望の表情ばかりが切り取られる。名カメラマンであるエマニュエル・マシュエルのショットはとにかく荒廃する空間を登場人物たちよりも前景に置く。『溶岩の家』ではカーボ・ヴェルデだったが、今回は移民たちの貧民街フォンタイーニャス地区で撮影される。パンをちぎってちぎって、指先でもみくちゃにして嬰児に与える男の姿はあまりにも残酷で容赦ない。台詞は極端に切り詰められ、ブレッソンのような身振りだけが事態の切実さを雄弁に物語る。傑作『ヴァンダの部屋』のプロトタイプとしてもあまりにも強烈な98分。
ペドロ・コスタ はじまりの刻1989-1997
ペドロ・コスタ・監督初期3作の3作目
3作一気見しようと思ったけど、1作目の「血」はスケジュールが合わずに見れてません

あらすじ
舞台はリスボン郊外のスラム街フォンタイーニャス地区
出産したばかりのティナ(マリア・リプキナさん)は赤ちゃんを連れてフォンタイーニャスの自宅アパートに戻ってくる
無気力で怠け者の父親は勝手に赤ちゃんを連れて街ゆく人にどうか食べ物のない赤ちゃんにお恵みを、と物乞いして回るが誰も相手にしてくれない
ところが看護師のエドゥアルダという女性と知り合い、父親は彼女の部屋に入り浸る
ティナの隣人のクロチルドはエドゥアルダの家の家政婦をしていて、そこで父親に遭遇する

暗い暗い、内容も暗いけど画も暗くて気分が滅入る
「溶岩の家」が明るかったのと対照的
こんな両親のもとで生まれた赤ちゃんが不憫すぎる
フォンタイーニャスの住民は皆地獄の深淵を見つめるような無表情で無口
ひたすら歩いてるシーンとか長回しが特徴
なんの説明もないから内容が分かりづらい
登場人物が皆似ている
特にクロチルドが男か女かよく分からないジェンダーレスな感じ
後に女性と判明(笑)
まあ、ストーリー自体はシンプルです

ポルトガルといえば華やかな観光地ばかり連想するけど、こういう貧民街があって、絶望の淵に人々が暮らしていることを思い知る

これ以降、ペドロ・コスタ監督は貧民街の人たちに寄り添ったドキュメンタリーとか多く扱う事になる
皆様高スコアですが、正直私は塞ぎ込むばかりで良さがあまり分からなかったです
もう少し修行してから出直します
RIO
4.2
現代の映画は説明が多くて観客に分からせることが目的になってしまいがち コスタは真逆をいく

語らないことで観る人の中に何かを生まれることを知っている
ほぼ説明なしで物語は進んでいく
観客を黙って見る人ではなく共に沈黙を共有し思索する存在として見ている

コスタの人物たちは感情をわかりやすく示さないセリフもどこか間接的で静か
観ている側がその沈黙の間に立ち現れる何かを受け止めようとするときその映画はただの映像ではなく対話に変わる

コスタは
> ゴダールは最初に映画は嘘だと教えてくれた唯一の人だった
と言っているように
ゴダールの影響を受けたコスタは物語を語ること自体に疑問を持つように誰も芝居をしてないようにすら観えてきた 言葉の余韻で語りかけてくる

ゴダール晩年の作品では戦争の記憶や映像の断片や廃墟の中から語り
コスタも同様に崩れかけた狭い家から映画を立ち上げるその日常は心が折れそうな猛烈なカオスだった

革命的な映像の美しさはコスタがゴダールから受け取って独自の世界観を創りあげてました
「溶岩の家」から更に凄カメラワーク
ホテルの廊下がカッコ良かったぁぁ

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