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GOOD BOY/グッド・ボーイの作品紹介

GOOD BOY/グッド・ボーイのあらすじ

アパートで飼い主トッドと暮らすレトリバー犬のインディ。最近トッドの体調が悪く、ある日、吐血。偶然アパートを訪れたトッドの妹ヴェラが病院へ急いで連れて行く。退院したトッドはインディを連れ、祖父の家に移り住む。その家は祖父が謎の死を遂げて以来、空き家となっていた。トッドは隣人から予備の発電機を借り、少しの明かりと昔にホームビデオで撮られた祖父が映っている映像を見て過ごすが、インディは家の中に何か異変を感じ取る。トッドはヴェラとの電話で、祖父とこの家に呪いでもあるのではと話す。もちろんインディには理解できないが、何かがおかしいと感じ、何かの物音を聞き、家の隅から影が漂ってくるのを感じるインディ。邪悪な存在がトッドの容態を悪化させ、インディは不気味な何かから必死にトッドを守ろうと奮闘するが・・・。

GOOD BOY/グッド・ボーイの監督

ベン・レオンバーグ

原題
Good Boy
公式サイト
https://goodboymoviejp.com/
製作年
2025年
製作国・地域
アメリカ
上映時間
73分
ジャンル
ホラースリラー
配給会社
アットエンタテインメント

『GOOD BOY/グッド・ボーイ』に投稿された感想・評価

kuu
3.6
『GOOD BOY/グッド・ボーイ』
原題または英題 Good Boy
製作年 2025年。上映時間 73分。
映倫区分 G 製作国 アメリカ

霊に取り憑かれた飼い主を守ろうとする犬の奮闘を、全編を犬の視点から描いた異色のホラー。犬が死ぬかどうか?は観てください。日々のあんこはぶつけず、たべたい!あんこはでません。

全編が犬の主観、それも単に低い位置からのカメラワークではなく、愛犬インディの視点そのもので描かれる超異色のホラー映画『GOOD BOY/グッド・ボーイ』は、映像の奇抜さ以上に、現代が抱える目に見えない不安の構造をこれでもかとえぐり出してくる怪作でした。
 
この作品の奇跡的な魅力となっているんが、主役を張るノバ・スコシア・ダック・トーリング・レトリバーのインディその人?(犬)かな。 
CGや過度な編集に頼ることなく、邪悪な気配を察知して怯え、それでもなお大切な飼い主を守ろうと奮闘するあの豊かな感情表現は、なかなかどうして巧みだと。実際に世界的なインディペンデント映画の祭典であるSXSW映画祭で最優秀犬演技賞を獲得したほか、アストラ映画賞のホラー/スリラー部門において、人間の俳優を差し置いて動物俳優が最優秀演技賞を初受賞するという歴史的快挙を成し遂げています。しかもこの映画、監督のベン・レオンバーグが自分の愛犬を主役に据え、自分自身もスタントダブルとして出演しながら、なんと約3年もの歳月をかけて自宅で執念深く撮影を続けたという、凄まじいDIY精神の塊のような背景を持っています。
 
かつて日本のノワール作家・馳星周は、犬を出すのはずるいと語ったことがある、自身も大の愛犬家である小生は、その言葉の裏にある、犬という存在が持つ絶対的なエモさの破壊力を、今作を観ながら改めて噛み締めていました。馳星周自身、それまでのノワールな執筆スタイルをガラリと変えてまで、犬と人間の絆を描いた小説『少年と犬』を書き上げ、見事に直木賞を受賞してる。
それは、どれだけ情報過多な時代であっても、言葉を持たない動物との無垢なつながりが、人間の魂の最も深い部分を揺さぶるという何よりの証明かな。本作もまた、その、ずるいほどの感情の解像度を、まさかのホラーというベクトルで限界突破させています。
 
脇を固めるキャスト陣も巧みで、怪死した祖父の呪われた空き家に移り住む青年トッドを演じるシェーン・ジェンセンの、じわじわと何かに侵食されていく生気のない演技。
そして、インディホラーの巨匠であり今作でも謎めいた祖父役として怪演を見せる名優ラリー・フェセンデンの存在感が、低予算映画とは思えない不穏な重厚さを作品に与えています。
 
この映画が描く恐怖の本質を現代的な視点で考察すると、それは、世界の解像度のバグに他ならない。
人間は文明や言語、デジタルな情報に囲まれて生きるうちに、野生の直感や、不穏な気配を察知するセンサーを退化させてしまいました。トッドは祖父の遺した古いホームビデオちゅう、いわば過去のアーカイブに執着し、目の前で起きている異常に気づかない。一方で、言語を持たないインディは、空間の歪みや見えない脅威をダイレクトに、かつ正確に検知する。ネットのフェイクニュースや他人の言葉に踊らされ、目の前にある危機の本質を見誤りがちな現代人への、強烈な皮肉のようにも読めてきます。
 
ホラー/スリラー的にこの映画を紐解くと、何より恐ろしいのは、もどかしさの同期で、我々は普段、映画を観るときに人間の主人公に感情移入しますが、今作では完全に犬のインディと五感を共有させられます。
どれだけ危険を察知して吠えても、大好きな飼い主にはただの無駄吠えとしてあしらわれ、狂気へと滑り落ちていく彼を止められない。
この伝えたいのに絶対に伝わらないという絶対的なコミュニケーションの断絶こそが、並みのスプラッター描写よりもじわじわと精神を削ってくる心理的恐怖(サイコロジカル・スリラー)の真髄かな。
 
誰もいない部屋の隅を愛犬がじっと見つめて吠える――そんな、ペットを飼ったことがある人なら誰もが一度はゾッとしたことのある日常の隙間ってのを、ここまで純度の高い恐怖映画に昇華させた監督の手腕には脱帽するしかありません。
癒やし系であるはずのレトリバーの視線が、そのまま観客を底なしの不安へと引きずり込む、新時代の体感型ホラーと云えます。



飼い主のトッドとアパートで暮らすレトリバー犬のインディ。近頃トッドは体調が悪く、ある日吐血し、偶然アパートを訪れた妹ヴェラにより病院へ運び込まれる。退院した彼はインディを連れ、亡き祖父の家に移り住む。その家は祖父が謎の死を遂げて以来、空き家になっていた。トッドは隣人から予備の発電機を借り、祖父が映っている昔のホームビデオを見て過ごすが、インディは家の中に異変を感じ取る。トッドはヴェラとの電話で、祖父とこの家は呪われているのではないかと話す。その内容は理解できなくとも、インディは何かがおかしいと感じ、不気味な物音を聞き、家の隅から漂ってくる影に気づく。やがて邪悪な存在がトッドの容態を悪化させ、インディは正体不明の何かから必死に彼を守ろうとするが……。

本作が長編デビューとなるベン・レオンバーグ監督が、3年におよぶ制作期間を経て完成させた。ノバ・スコシア・ダック・トーリング・レトリバーのインディが、2025年のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト映画祭)にて最優秀犬演技賞を受賞、さらに2026年のアストラ映画賞「ホラー/スリラー部門」では動物俳優が最優秀演技賞を初受賞する快挙を成し遂げた。
symax
3.6
あなたは見たことがないだろうか…
誰もいない部屋の隅をじっと見つめる…
何かに反応して吠える…そんな飼い犬の姿を…

インディと暮らす飼い主のトッドが突然の吐血…退院したトッドはインディを連れて、かつて祖父が謎の死を遂げたという曰く付きの古い空き家に移り住む…

しかしインディには見えていた…人間に見えないが確実にそこに存在する“邪悪な何か”を…

徹頭徹尾"犬目線"…

登場する人間は、いずれも足ばかりで顔はぼやけて見えない…

よく思いついたもんである…ただ怖いかと言えば、全くといってよい程怖くない…

それもそのはず、CG等でごまかさず実際に監督の飼い犬であるインディくんが一人…いや一匹で演じ切っているのだ…動物なのであるから過剰な恐怖シーンは動物虐待となる可能性となるのだから、なんとなく"何か"を仄めかす程度の演出しか出来ないであろう…

果たして飼い主のトッドに降りかかる"何か"とは?

インディだけにしか見えない"何か"は、邪悪な悪魔のようであり、飼い主のトッドの身体に出来た病魔のようでもあり、何ともいえない曖昧さが全編に漂っているのでありました。

残念ながら画面が暗すぎて、何がなんやらさっぱり分からんトコが多々あり途中で思わぬ睡魔に襲われそうになっておりました。

期待していただけにちと残念ではありますが、インディがめちゃめちゃ可愛いので、犬好きな方には堪らん一本になるかと…
ぶみ
3.5
悪が見える。

ベン・レオンバーグ監督、インディ(ノバ・スコシア・ダック・トーリング・レトリバー)主演によるアメリカ製作のホラー。
飼い主を守ろうとする犬の姿を描く。
主人公となる犬をインディ自身、飼い主のトッドを監督自身及びシェーン・ジェンセン、トッドの祖父をラリー・フェセンデンが演じているほか、アリエル・フリードマン、スチュアート・ルーディン等が登場。
物語は、ソファで飼い主と寝ているインディが、近くに置かれたスマホのバイブ音で目覚める姿でスタートするのだが、この時点で、インディから見たかのようなカメラワークに目を奪われることに。
すると、そのスマホの上に血が滴り落ちると、飼い主であるトッドが血を流しており、意識不明の状態で妹により発見された後、タイトルが挿入されるというサスペンス感満点のオープニングとなっている。
次には、インディが小さい頃と思しきモノローグとなり、その可愛さは癒し度満点。
以降、退院したトッドがインディとともに人里離れた祖父の家で療養する様を中心として展開、雨の中、怪しげな人影が映り込む、インディが何もないところを見つめる、奇妙な声のようなものが聞こえる等々、祖父が謎の死を遂げたという背景も相まってホラー感は抜群。
何より、本作品の最大の特徴は、監督の愛犬であるインディを主演に据えていることで、祖父はトッドが見るホームビデオでガッツリ顔を出しているものの、肝心の飼い主のトッドは、フードをかぶっていたり、インディを抱いていたり、後ろ姿であったり、はたまた逆光であったりと、常に顔が見切れるか、ぼやける等で、人間の存在が曖昧かつ犬から見た世界のようなものとなっているのに加え、インディが見ているものも、現実なのか夢なのか区別がつかない状況が多かったのは、面白かったところ。
クルマ好きの視点からすると、トッドの愛車がハッキリと映ることはなかったものの、特徴的なテールライトの光り方や、ステアリングにあるエンブレムから、5代目のスバル・アウトバックと想像できたのは見逃せないポイント。
ただ、イメージビジュアルには、「全編犬視点」とあったので、全編幽霊目線を謳い文句としたスティーヴン・ソダーバーグ監督『プレゼンス 存在』のファーストパーソンシューティングゲームかのようなものを想像していたところ、そのような視点は殆どなく、俯瞰もあれば、インディを正面から捉えているものもありと、あくまでも視点が低かったり、インディの様子を中心としているだけで、犬主演とすれば、当然そうなるでしょと思ってしまったのが正直なところ。
そのため、本作品のウリとなっている「全編犬視点」は流石に言い過ぎで、これを犬視点と言うなら、カイル・バルタ監督『ひつじ探偵団』だって、羊視点になってしまう感はあったものの、主演を犬としたホラーとしては、飼い主を守ろうとするインディをつい応援したくなる仕上がりであったので、特に犬好きの方は、おさえておいて間違いないと思うとともに、インディが載っている入場特典のポストカードが可愛いので、早めにスクリーンに足を運んで欲しい一作。

死の匂いがするぜ。

※入場特典:ポストカード

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