サウスダコタを舞台に、アメリカの先住民ラコタ族の神聖な遺物「ゴーストシャツ」を巡って、さまざまな登場人物が交錯・衝突するネオ・ウエスタンな群像劇。

・口ごもりのある恥ずかしがり屋のウェイトレスで、カントリー歌手を夢見ているペニー・ジョー（シドニー・スウィーニー）
・落ちぶれた孤独な退役軍人で、結婚相手を探し続けているレフティ（ポール・ウォルター・ハウザー）
・パンクな若い母親マンディ（ホールジー）は冷酷な犯罪者ディロン（エリック・デイン）から逃げ実家に戻る
・西部劇に夢中で、自分がラコタ族の戦士シッティング・ブルの転生だと信じ込んでいるマンディの一人息子カル
・ネイティブアメリカンのグループのリーダー、ゴースト・アイ（ザーン・マクラーノン）

特に、俳優デビューというシンガーソングライターのホールジーと、ラコタ族の母を持つザーン・マクラーノンがいい味出してました。
シドニー・スウィーニーは毎度のおっぱいアピールしてないのは良かったですが、演技は特に印象に残らず。

格差社会の中で大金という夢を追うアウトサイダーたち、ネイティブ・アメリカンの歴史、カントリーミュージック、カルト的な家父長制コミュニティ...
混沌としたストーリーでしたが、「Americana」というタイトルの通り、アメリカとは？アメリカ文化とは？というテーマが漂う作品でした。

深セン行きの飛行機で鑑賞。序盤は面白そうな雰囲気があったけど、なにもわからないままに終わってしまった。なぜ子どもはネイティブ・アメリカン気取りだったのか、なぜレフティーは結婚したがっているのか。
シドニースウィーニーがあの役である意味もわからなかった。

Americana 2023年作品
6/10
トニー・トスト監督脚本
シドニー・スウィーニー　ポール・ウォルター・ハウザー
ホールジー　サイモン・レックス
エリック・デイン　ザーン・マクラーノン
ギャビン・マドックス・バーグマン

サウスダコタ州の小さな町。
ラコタ族の貴重なゴーストシャツ(白人男性の弾丸からそれを着る人を守ると信じられている
神聖な衣服)を骨董品ディーラー（レックス）が凶悪犯（デイン）を雇ってそれを盗む。
そのシャツをめぐって
1. 凶悪犯の彼女(ホールジー)とネイティブアメリカンの生まれ変わりと思っている息子(白人バーグマン)。
2. 吃音の地元のダイナーのウェイトレスでカントリーシンガーを夢見る
ペニー・ジョー（スウィーニー）と弱者男性のカーボーイレフティ(右利き　ハウザー)。
3. 地元のネイティブ・アメリカンのレジスタンス運動のリーダーであるゴースト・アイ（マクラーノン）
4. 骨董品ディーラー（レックス）
が争うことになる。
世間的にはシドニー・スウィーニーが出ていることがポイントなのだろうが、
自分のようなポール・ウォルター・ハウザーとザーン・マクラーノンが好きな人には
嬉しいキャスティング。
キャラクターが記号的なのが気になる(特に強烈な男性主義のホールジーの父親)
が、非線形の語り口で、章ごとに視点を変えていく
構成は｢パルプ・フィクション｣ぽいし、現代の西部劇に、ネイティブ・アメリカンと女性
を尊重する態度が、今風ではある。
また最終的に夥しい殺戮で済ましてしまうのも、やっつけ仕事ぽくみえる。
ハウザーやマクラーノンにもっと良い仕事をあげてほしい。