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グエムル -漢江の怪物-のRのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
4.5
素晴らしくエンターテイニングな社会派モンスターパニックホラーコメディ家族ドラマでした! さすがポンジュノ! 怪獣好きにはたまらない造形のモンスターが登場します! 両生類にお魚を足したような、マイルドな巨大さのモンスターが、駆ける、跳ぶ、泳ぐ、尾でぶら下がって、くるん、くるん、橋を渡る。粘膜の渦巻く重層的な花弁のような口腔がキモ美しく、そのなかに人を含んで、いずこかへ連れ去っていく。何たる嬉しさ! 在韓米軍基地の米人医師が韓国人助手に、とある化学薬品を流しでいいから流して捨てろ、と命令、歯向かえない助手はとんでもない量の薬品を捨て、それは漢河に流れ着く。それから数ヶ月後、大橋の半ばくらいにぶら下がる意味不明な物体に、何だあれ?と人が集まって来る。ざわざわしてるなか、突如それはざぶんと川に落っこちる。水面下を黒い物体が岸に動いて来る……あれ、消えたなと思ったら、違う方向からドシン!ドシン!とエグい怪獣が! そこら中の人々全員パニック! テンションあがるーーー!!! ソンガンホ演じる小汚い金髪のおっさんカンドゥは逃げる! 逃げる! 中学生の一人娘ヒョンソのうでをつかんで……逃げきったか!と思いきや、ちがう子やった! 娘のヒョンソは向こうから猛然とやってくるグエムルに攻撃される! このシーンの演出の忘れがたい素晴らしさといったらない! すべての音が静まりかえって、ただ足音とスローモーション! 最高に引き込まれる! 果たして人類はこの謎のグエムルを抑え込むことができるのか⁈ と同時に、グエムルに襲われた人々が次々と謎のウィルスに感染、このままどんどん広まっていくのでは、と恐れる人々、みんなマスクをして、接触を避け、あれれれれ、なんか現在の街の風景に似てるなぁ……さて、カンドゥの兄弟と父は力を合わせてグエムルと対戦しようとするのだが、グエムルと直接接触があった貴重なサンプルだということで、政府からも追っかけられることに。彼らの家族としての奮闘がユーモラスであり、感動的であり、カッコよくもあり、めちゃくちゃイイんやけど、一方、グエムルにさらわれた子どもたちの経験する、肺腑を抉るような凄まじい恐怖描写も最高! どーなってまうんやろーと思ってるときに、骸骨ドヴァああああああああはたまりませんでした。全編さすがポンジュノの緩急の効いた展開が心地よく、スリリング。シンメトリックな橋や地下道の構造をカメラが横移動するの気持ちいいし、高らかに鳴り響くアッパーな音楽もイイ! 演者の皆さんも最高。ソンガンホ寝てるときチンコかいてるのキュート、弟のナミルはキャップかぶって携帯会社に入っていくシーンかっこいい、プロアーチャーの妹ナムジュの弓を引く姿のクール! 最後、全員で力を合わせるシーンでは、楽しさとカッコ良さで満面の笑み!!! そして悲しみを乗り越え、また新しい愛が生まれる。いいですねー。すばらしいですねー。まぁでもなんやゆーて最高なのはグエムル。ぐぱああああ!て襲ってきたり、華麗に動き回ったり、ぶわああああああと疾走したり、ぬらぬらしたスキンとウニョウニョした尾の動きなど、いついつまでも見ていたい。いついつまでも。ポンジュノ監督のエンタメ力、マジ計り知れない。また見たい。
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