茜

0:34 レイジ 34 フンの茜のレビュー・感想・評価

0:34 レイジ 34 フン(2004年製作の映画)
2.7
よくあるストレス系ホラー。
パーティー帰りに終電を逃した女性が、地下鉄のホームに潜む何者かに襲われるというスラッシャーです。

85分の短尺だし、何だかんだ最後まで飽きずに観れたのは良かったんだけど、細かいとこ詰めていくと何か不器用な映画だったなぁと思う…。
あからさまに主人公と殺人者に都合のよすぎる展開、殺人者のビジュアルや設定の中途半端さ、細かい部分が目に付いちゃってあんまりハマれなかった。
終盤、主人公と殺人者の一騎打ちに持ち込むためとある人物が犠牲になるんだけど、その流れが一番違和感あってもはや笑った。
優しくて強くていい人だったから生き延びて欲しかったのに、流石に無駄死にが過ぎるぜ…。

やたら主人公が無敵設定の映画ってよくあるけど、これもあからさまにそんな感じ。
そのうえ本作は主人公の「他人に何でも押し付けようとする傲慢さ&手を出さなくて良い時に限ってしゃしゃってくる」という厄介なキャラが余計にヘイト集めてる。
いっそコイツが爽快且つ豪快に死んだり、救いのない絶望を味わうような結末にした方が、この映画はもっと多くの人に愛されたかもしれない…。

ジャンプスケアは丁度良い塩梅で、大袈裟すぎず適度に用いられてるところが好感度高し。
ゴア描写は可もなく不可もなくというか、寧ろ「そこが見たいのよ!」って部分に限って見せてくれないのでホラー好きには物足りないかもしれません。
ラストの主人公と殺人者のタイマンは、無駄に手のかかる戦略を仕掛けるなぁという割に描写はむちゃくちゃ地味で拍子抜け。
皮肉なエンディングは面白いなと思ったんだけど、カメラ目線のドヤ顔にイラっとしたから、結局最後の最後まで不快な気持ちのまま終わってしまった(笑)

何とも言えない微妙な中身に華を添えてくれる短足犬だけが唯一癒しの映画だったな…。
茜