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妖怪、化物をひろう

妖怪、化物をひろうの作品紹介

妖怪、化物をひろうのあらすじ

十二年前の暴風雨で深い傷を負った小さな町で、老女タエは焼き団子〈ワンズ〉を売りながら静かに暮らしている。ある日、岩山のそばの雑木林で、見たこともない奇形の赤ん坊を見つける。赤ん坊は団子しか食べず、町の人々はその存在を妖怪だと恐れた。 タエは一度、赤ん坊を人買いに売ろうとするが、思い直して取り戻す。そこから、タエと赤ん坊ハルの逃亡生活が始まる。家を追われ、姉の家を訪ね、認知症を患う元夫・文雄とその妻・菊子の家を訪ね、警官の小宮の家に身を寄せながら、タエはハルを抱えて町をさまよう。災害の痕跡が残る町を歩くたび、かつての知人たちと再会し、タエは失っていた感情を少しずつ取り戻していく。 しかし、ハルの存在を信じようとしない人々は、タエを精神異常者として病院に収容してしまう。必死に逃げ出して帰宅したタエが目にしたのは、息も絶え絶えのハルの姿だった。タエはハルのために盛大な葬儀を行う。 だが、二人の別れは死では終わらない。嵐の夜、町が再び混乱する中でも、タエはハルを思い続け、ただひたすらに団子をこね続ける。 そして夜が明ける。タエは新しい朝を迎える。

妖怪、化物をひろうの監督

池田暁

原題
公式サイト
https://hark3.com/youkai/
製作年
2026年
製作国・地域
日本、台湾
上映時間
108分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ハーク

『妖怪、化物をひろう』に投稿された感想・評価

KUBO
3.5
東京国際映画祭5日目。2本目はコンペティション部門より『妖怪、化物をひろう』ワールドプレミア。

オダギリジョーが好きそうな変な映画だなぁ(笑)。

舞台は台湾、金門島。

饅頭売りの老婆タエ(余貴美子)は、ある晩、不気味な赤ん坊を拾う。化け物のようなその赤ん坊をタエは「ハル」と名付け育てることにするのだが…

日本語と台湾語が混在する不思議な世界観は、日本統治時代なのかと思いきや、監督にはそういう意図はないよう。

劇中に登場する金門島の葬儀の葬列には、仮面を被ったものもいて、その仮面が宮古島のパーントゥにも似てたりして興味深かった。

「ハル」が誘拐されたり、「タエ」も精神病院に入れられそうになったり、タエとハルの生活はピンチの連続! 唯一オダギリジョー演じる警察官だけが2人の味方で、助けてくれたりするのだが、果たして2人の運命は?

めちゃくちゃのんびりした台詞回し。なにかぎこちない台詞。台詞と台詞の間も長い。三木聡とは違うけど、似た匂いのするナンセンスな雰囲気。

正直、見ている間は退屈に感じていたのだが、上映後のQ&Aでの監督の話を聞いて俄然興味が湧いた。

この作品には元ネタがあり、それは1996年にロシアで実際にあった、宇宙人の赤ん坊とも言われているアレシェンカ事件だと言うのだ。

そして本作のタエとハルの物語は、実際にあったアレシェンカ事件を下敷きにして書かれているのだそう。

ムーな人である私には、もっと宇宙人の子供的なアプローチでやってほしかったって気もするけど、監督の狙いはあくまでタエとハルの愛。ただ、そこまでの愛はわからなかったんだけどね。

主演は余貴美子さんだけど、オダギリとオダギリっぽいゆる〜い映画が好きな人にはオススメです。(かなり限定的😅)
たむ
2.5
東京国際映画祭コンペティション部門の日本と台湾の合作ファンタジーです。
ファンタジーとはいえ、歴史的な認識には無自覚なのか、小さい村で複数の言語が存在しているここは何なのか?
架空の世界や村で映画を作っていけないわけではないと思います。
それでもなぜこの村があるのか、を説得力を持って描き出すことは重要なことです。
妖怪や怪物もそうで、現実を越えるリアリティがあってこそのファンタジー映画と考えると、もう一歩欲しかった作品ですね。
◼️まずはロケ地の金門島について

ロケ地は台湾の金門島。台湾本島から200キロ離れていて、中国大陸からは2キロしか離れていない!

僕が調べたところによると

行政区分では、中華民国の「福建省金門県」。台湾省には属していない
実際の統治は、台湾・台北に中央政府を置く中華民国が行っている
1949年の国共内戦で中華民国軍が金門島を守り抜いた。
1958年の金門砲戦では、戦闘開始から約2時間で5万7千発以上の砲弾を受けたが、アメリカ軍による補給支援などもあり持ちこたえた。
同年10月に一時停戦となったものの、断続的な砲撃は1979年まで続いた。金門島は現在も中華民国の統治下にある。

とのこと。
すみません、全然知りませんでした。こんなにも中国大陸にむしろ激近の台湾の離島があったことさえ。

昨日の東京国際映画祭での舞台挨拶・Q&Aで、観客の方でしょうか、「金門島という複雑な歴史、日本との関わりを持った場所で撮影した理由を」という質問をされていたのが印象的だったので調べまして、初めて知ることばかりでした。


金門島には古くて可愛い街並みが残っており、「日本でもないし、台湾の台北とかそこら辺でも全くない独特な風景を持っていて、ここだったら架空の場所、時代を表現できる。」と監督は語っておられます。

ちなみに台湾本島は50年間日本の統治下だったけど、
金門島の日本の統治は日中戦争の約8年間だけ。
日本語教育は台湾本島に比べてとても少なかった、と。

この映画では、4つの言語が使われていて違う言語でも意思の疎通が取れるという不思議な世界観になっています。

映画としては「どこにもない架空の場所」であっても、
実際ロケ地には歴史があり、人がおり、現在も未来もあると考えると、
映画を通してこのようなことを学ぶことは大事かと思います。

Q&Aで上記のような質問をしてくださった方に僕も感謝いたします。

ちなみに主演の余貴美子は客家(はっか)系台湾人二世であられます。



◼️台湾 + アキ・カウリスマキ = 新しくて最高!

台湾の古くかわいい町並みを背景にアキ・カウリスマキ(つまり小津安二郎)をやって、しかもシュールな会話も実際劇場に何度も笑いが起きるほど面白く、泣ける妖怪映画。 傑作!ヒットの予感!
見終わった後の僕のXのポスト



アキ・カウリスマキ自身が小津から強い影響を受けていることを明言してるんだから、アキ・カウリスマキじゃなくてまっすぐ小津って言えよ。
ってのもわかるんですけど、
流石に僕は小津世代ではないし(そんなに多く見てないし。好きだけど。)、

色味の鮮やかさとか人物の棒立ち・棒台詞、うっすらずっと笑わそうとしてくる感じ、静かだけど強い社会派メッセージはカウリスマキの方が強烈だと思うし、
今作『妖怪、化物をひろう』にもそれを感じた。

特にシュールな会話やテンポが秀逸だったし、
「シュールな雰囲気の日本映画」って寒いことが多かったけど、
今作は本当にちゃんと会話が面白かったし、劇場も何度も笑いが起こっていた。

プッて吹き出したりクスクス笑ったり。みんなで笑えるのは幸せなことです。
(笑わそうとしてるのに笑えない映画は辛いのです…)


実際にロシアで起きた事件を基にした映画
1996年に起きた、老婆が人間とは思えない奇妙な子供を拾い育てた事件に着想を得ている、とのこと。

「人間の愛情が持つ懐の広さに興味を持ったことが制作の出発点」by監督

とても不思議な世界観だし、
不思議なことが起きる映画ではあるんだけど、
小さくて弱いものに愛情を持ってしまうという人間の性質が、
多言語で描かれることで、人間ってのは根底には「優しく、優しくね」という気持ちが共通しているのでは?
というメッセージを感じます。



傑作って言っていいんじゃないのかな
とにかく、こういう系で失敗してる・とても寒い映画ばかりを見せられてきたので、

日本映画でこんなにも変で、こんなにも映画としてちゃんとしてて、ちゃんと笑えて、ちゃんと変で(2回目)、登場人物を愛せて、わかりやすくて、それでいてどこまでも話が展開していって、ちゃんと変で(3回目)、さらに終盤では泣けて、さらにそこから展開もして、爽やかな気持ちで見終わることもできて、ちゃんと変な(4回目)映画って、そうそうないと思うんだけど。

淋しいという感情すら無くした孤独な老女が、再び淋しさを叫ぶまでの物語。

オススメですよ!
ヒットの予感!

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