ブラインド・デートの作品情報・感想・評価・動画配信

「ブラインド・デート」に投稿された感想・評価

なんというか、主役が日本人っぽくてびっくり。
うまくいきそうで、実際は周囲の人を幸せにして、自分は独りというのが切ない。

このレビューはネタバレを含みます

40歳独身男は幼馴染みと一緒にネットで知り合った女と会う。

ロマンスにもノワールにもサスペンスにもなりそうな題材なのにドラマチックな事はなにも起きない。
主人公が行く先々でちょっとだけ巻き込まれていく様子をゆるーく観察させてくれる。
他人の事をとやかく言えはしないが、40独身の親同居男はこんな感じかもしれない。
初めて会う人との対応の仕方や
ここはキメなきゃいけない場面での中途半端さなどは見ててイライラもするし、ソワソワもするし、応援したくもなる。
仕舞いにはそんなダメさに好感まで持ててくる。
ラストもしみじみと哀愁を漂わせて終幕。

映画のフィクションの世界にリアルな人間描写が咲き乱れ、それも悪くないなと思わせる人生賛歌。
なんとなくゆるい感じに多少いらいらもしていたのだが、折り返しくらいから俄然面白くなり始めた。レンタルなんにもしない人みたいな男が、いろいろ巻き込まれていき、結果せつない感じで終わる。良作を観た。
40歳独身の高校教師の男は、友達と一緒にネットで知り合った女性と会うが・・・という話。

最初ゆるゆる、途中少し緊張感、そしてまたゆるゆる、最後はしんみりといった感じ。
登場人物達の表情はあまり変わらず、くすりと笑わせてくれる。終始ゆるゆるでなく、途中緊張感をはらみ、イライラもさせ、そして物語の構造が入り組んでいて面白かった。
最後の抱擁の画がとてもいい。

ゆるゆる気味な内容ながら、映像はきれいだった。
甲冑

甲冑の感想・評価

4.0
ジョージア映画祭⑧。難民問題など盛り込んであるが、ジョージア云々より普遍的で現代的な映画。

おれの父親世代なら「もっとガッといかんかい、このインポテンツが」と怒りそうなこの素朴極まりない40代独身主人公も「何やこの中途半端な話、何が言いたいんや」と吐き捨てられそうなこの映画自体も共感しかない。晩婚化が進んだ現代のまとも寄りの中年の恋愛観ってこういう感じだと思う。特に何も求めたくないし、ましてやマチズモなどダサくて出せないし、出会いや会話なんかも劇的に成りようがない。

ワルな男とずるずる関係を続けてしまう美人、ラブホみたいな所にも入ってくれる子、ひと世代くらい離れているのに一緒に住むことになる子など主人公には多くの女性との接点が持たれるがどれもパッとしない。あげくに本命の人妻は最後抱きついて好意を示すくせに「あなたには良い嫁ができるからいつか夫婦で(自分の床屋に)来て」とどういう神経しとるねん、な事を言い放つ。親友のおっさんも盲目のミニスカ娘が触ってきたり、同じサッカー趣味が合う子がいても嬉しい顔をするくらいで何のアクションもなし。しかしその行かない感じがいいんですわ。現実、今日的な中年の一部はそんなもんだと思うし、人に好意(性的なものでなくても)を寄せても大体傷つく事しかないしね…。

映画としても何ら狙いもなく固定カメラによる撮り方も素朴&地味で良い塩梅。どう捉えるかは観客に委ね、言語的な結論に安易に着地させないのも好感。ギヨーム・ブラックとの共時性も感じる。
こじ

こじの感想・評価

4.5
40歳独身男の哀愁が出ていて

笑いもあり

ラストが悲しく

寂しい音楽もマッチしていて

普通に面白かった。


◎ジョージア(グルジア)映画祭in広島
Osamu

Osamuの感想・評価

4.3
静かに、じんわり、幸せな気分に浸った。

40過ぎ、薄毛、独身男の恋の物語。

冴えない男なんだけど、冴えない人生に見えるけど、最高の男で、最高の人生だよ。

タイトルのとおり、友人がネットで知り合った女性たちとのデートの場面から始まる。初めて会う人との間合いの取り方って難しい。それで笑いが巻き起こったりするんだけど、そういう時の振る舞い方で人生は大きく変わるんだと思う。そこに焦点を当てた映画なのではないか。

画面の構図が何だか微妙に不恰好な感じがするところがあるけど、たぶん、わざとだよなあ。挿入歌もいい感じなんだけど、ところどころ不恰好。形が整ったものだけが美しいわけではないのだ。

これは1年に1度観たい映画。でも、次に観られるチャンスはいつ来るのだろうか。
「ブラインド・デート」

東京国際映画祭コンペティション、アジアンプレミア。

主人公は40代で独身の男。実家で両親と暮らす高校教師。

彼は休みには幼なじみと2人でネットで出会った女性とブラインドデート(出会い系など、相手が分からない上で知り合う)をし、寂しさを紛らわしていた。
そんな彼が知り合った教え子の母親。彼女は刑務所暮らしや警察沙汰を繰り返す夫に振り回され、人生に疲れていた。2人は良い感じになるが、夫が出獄したことで思わぬ展開がおとずれる…ってストーリーを、笑いを織り交ぜながら描く。


あらすじだけ見ると、ちょっと下世話なメロドラマ?と思えるが、とんでもない。
とても上品で穏やかな、切ないのに優しい映画だった。

主人公がとにかくにこりともせず、徹頭徹尾ポーカーフェイス。セリフも極端に少なく、感情を表出しない。
それなのに、ものすごく魅力的。
周囲に正直であろう、なんとか人と繋がりを持とうとする姿勢が、見ている側に伝わってくるからだと思う。


画面上の人物の配置の仕方や、色の使い方がとても新鮮だった。さり気ない音楽も綺麗。
グルジアの言葉もトゲのない、優しい感じのするものだった。

グルジアって場所もよく知らない国だけど、日本と感覚似てるなって思った。年取った両親が40になっても独り身の息子を嘆く(でもその原因は親にもある)場面なんて、シナリオそのまま日本人で置き換えられるくらいだった。


上映後の舞台挨拶で監督は「最初はコメディをつくる予定だったが、途中で止め、人生を描く作品にしようと思った」
「おかしい悲しさ、悲しいおかしさ、みたいなものを描きたかった」ということを言っていて、なるほどと納得。


以下、公式プログラムにあった監督のコメント

「人生のセンチメンタルで笑えて奇妙な側面を描き、笑い飛ばしたいと思って本作を作りました。「バカにする」のではなく「笑う」のです。バカにするのは傲慢で冷淡ですが、笑いがあれば見る者は登場人物に感情移入しやすくなり、彼らが抱える問題を理解しようとするでしょう。」
「グルジアでは戦争や政治的・社会的問題が絶えないにもかかわらず、人々は温かい。私が実感したこの思いを皆さんにも知ってほしい。」
「プラグマティック(実用主義的)で冷酷な今日に、人間関係の温かみこそが役立つと思うからです。」
ア

アの感想・評価

3.8
グルジア映画なんて初めて観たけど、邦画を観てる感覚でスッと入ってきて驚いた。笑いのツボや映画のリズムがすごく日本的、すごく楽しめました