【キャメロン版タイタニック好きは必見】79点
ーーーーーーーーーーーー
監督:ウィリアム・ヘイル
製作国:イギリス
ジャンル:ドラマ
収録時間:103分
ーーーーーーーーーーーー
　良いですねえ。キャメロン版タイタニックの信者なので点数が過剰になっているかもしれませんが、少なくともキャメロン版タイタニックが好きな人が見たら目から鱗なのではと思います。キャメロンは間違いなく今作を参考にして1997年のタイタニックを作ったのでしょう。驚くことに今作の公開が1979年なのに対し、タイタニックが発見されたのは1985年。つまり、過去の史料のみでここまで再現していたのですから素晴らしい。スミス船長やイズメイはもちろん、今作は特に二等船客に焦点をあてているのが新鮮。当時の人々の服装やタイタニックの内装もかなり忠実に再現されていて、そのあたりでこの点を与えているようなものです。また、キャメロン版タイタニックが大いに参考にしたであろうシーンも多々あり、良い意味で既視感満載です。

　しかも面白いことに、キャメロン版タイタニックでキャルの執事であったラブジョイを演じたデヴィッド・ワーナーが主演級で出ています。偶然なのかキャメロンがこれを意識して依頼したのか。。一人一人のエピソードは薄めですが、良い意味で淡々とタイタニックの沈没の過程までを描いている作品。キャメロン版のジャックとローズのような恋愛劇は不要という人にはこちらがオススメできるかもしれません。ただし、やはりグラフィック等は正直キャメロン版の足元にも及びません。悪くはないですけどね。やはりあれと比べると相当見劣りします。こう見たら、あのキャメロン版の沈没シーンは凄まじく予算がかけられたのだなと思わされてしまいます。

　100分くらいの映画でしたが、確かにタイタニックを扱うとなるとかなり短く感じました。1500人の方が亡くなった大事件なのですから、やはりキャメロン版くらいの尺は欲しいところ。でも、タイタニック号事件を俯瞰的に描いた作品ということで、同類の作品の中でもまずまずといったところだと思いました。

ジェームス・キャメロン監督作品の「タイタニック」はもちろん劇場で鑑賞しているし、1958年製作の「SOSタイタニック」も幼い頃テレビで放送されているのを見ているが、同じ題材で1970年代終わりにこのような作品が制作されていたとは知らなかった。この邦題はいいね。

デヴィッド・ジャンセン、クロリス・リーチマン、イアン・ホルムとこの時代の名優が出演していて、タイタニック号の全貌などは模型感が有り有りとしながらも、それなりに一等船室内のセットや沈没時のパニック描写も頑張っているが、“ドキュメンタリータッチに描いた”とある通り、特に誰が主人公という描かれ方がある訳でもなく、キャラ描写が薄いので、さすがに「タイタニック」を何度も見た身には物足りなかったかな。

一応、一等船客と二等船客以下の階層化とかも描かれてはいるし、タイタニック号の船長、設計者、船舶会社のオーナーを演じた俳優陣は「タイタニック」で演じた役者と容貌やヘアメイクが似ており、実在した人物で写真も現存しているため、なるべくリアルに映像化しようとした努力は見られて好感。

若かりし頃のヘレン・ミレンも出演しているが、まだ幼さが残る可憐な雰囲気が新鮮。。

2022/10/03 U-NEXT 1828作品目

• #makishi2022