ちょっと無茶なアンハッピーエンドや、悪女の前では脚本が二の次になってしまうデュヴィヴィエの悪癖はずっと健在だった。これもいくらエレオノラ・ロッシ=ドラゴだからって感じの良い話じゃないし…。
あと視点が飛躍しまくるし、露骨な同性愛者も出てくる(そこが欠点かは分からない)。正義感の強い少年が父に幻滅して癇癪起こすシーンは良かった。部屋にある物を使って最大限大きな音が出るような暴れかたをしている。

（トリックともいえないような）トリックがねえ……いい大人に正義感あふるる若人をやらすっていうほうのドゥヴィ公の趣味も炸裂。

苦い結末。
ダニエル、ジュランに言いよる男。
エレオノラ、ロッシ、ドラゴはキリっとした美貌でした。
ジュリアン、デュヴィヴィエの甘く、苦い作風、そして、街の風景が寒々としていた。