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私の、息子
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『私の、息子』に投稿された感想・評価

「私の、息子」

第63回ベルリン国際映画祭にて金熊賞を受賞した作品。交通事故を起こした息子を庇う過保護な母親を描いた作品。

この映画は、キャラクターに共感性を求めるかどうかで評価が分かれる気がする。事故を起こした人物の母親という事件においては加害者でも被害者でもない視点から描かれる。しかし、息子を思うあまり、しばしば行き過ぎた言動をすることがあり、そこにはあまり共感出来ないかもしれない。

事件には直接関わっていないが、家族としてその責任を負わざるを得なくなったという視点では、銃乱射事件の被害者及び加害者の両親4人による会話劇である「対峙」という作品と同じものを感じる。

被害者遺族を目の前にして、息子の話ばかりをする姿は第三者視線からすると「何をふざけているんだ!遺族はもっと辛いんだぞ!」と思わずにはいられないが、ルミニツァ・ゲオルジウの迫真の演技によって、こちらの感情もかき乱され、いつの間にかどっちに肩入すべきなのかわからなくなってしまう。

なので、この映画を観るに際してはキャラクターの誰かに「共感」することは諦めてほしい。決して気軽に観られるような内容の作品ではないが、非常に見応えのある作品であり、私の心の中にズッシリとした何かを残してくれうような作品だった。

ルーマニア映画はパルム・ドールを受賞した「4ヶ月、3週間と2日」しか記憶にないが、なかなか面白い映画を輩出する国だなと思った。「ヨーロッパ新世紀」もまだ観ていないので観てみたい。
emily
3.8
ルーマニアの首都ブカレスト。セレブリティのコーネリアは30過ぎても自立できず悪態ついてる息子バルブのことが気がかり。シングルマザーの恋人にも不満を募らせ、息子に歩み寄ると向こうからは拒絶されてしまう日々。そんなある日が交通事故に合ったと知らせが入った。相手は子供で死んでしまったのだ。なんとか息子に不利にならないようにと取り調べの場を仕切り、供述書を無理やり変えたりする。息子のためにとあらゆる手段に出るが、息子には全く響かず殻に閉じこもってしまう。カルメンから衝撃の告白を聞き・・

母と息子の関係性とは一種独特で、娘とのそれよりはるかに深いように思える。それぞれの関係性にはそれぞれの積み上げた歴史があり、それは他人には理解しがたい部分である。しかし当事者にとって当たり前と思っていることが、傍から見たら喜劇に映る。それは自分の親子関係と比べるとどこかずれているからだ。コーネリアとバルブの関係性もそのズレに当事者たちは全く気が付いてない。母が頑張れば頑張るほど、息子は遠ざかり、それがゆがんだ愛情であることにまったく気が付かず、深みにはまっていく描写が非常に繊細に行われ、揺れるカメラと硬い表情を食らいつくようにとらえ、その一瞬の変化も見逃さない。張り詰めた空気感はラストまで糸を張っており、スリリングな展開に追い詰められていく。

母親が自分のコネをフル活用して、みるみる事を解決に導いていく、一人舞台はまさに喜劇としか言いようがない。父親の存在は、親子という枠組みにすら入れない、母と息子の関係性のあくまで外側に配置されており、無関心を装っている。

バルブは自分で何も決めることができない。母親がすべて先回りでやってしまうからである。そんな日々に苛立ちとあきらめが交差して出てくる悪態にはリアリティがあり、その苦悩が伝わる。しかし物語は二人を軸に、父親、そうして何より大きく物語に深みを持たせるのはカルメンの話す、息子のセックス感であろう。そこには母への思いにつながっていき、その裏を返すとしっかり愛情にあふれていることが読み取れる。

そこに複雑に絡んでくる社会情勢もさらに奥からえぐられるように、ストーリーに臨場感をもたらしている。
あくまで加害者目線で物語は進むが、どんなに大きくなっても親にとってはいつまでもかわいい子供であり、それは被害者の親と全く同じ立ち位置である共通項を叩きつけてくる。コーネリアの訴えは矛盾しており、勝手だが、息子を守るためには何だってできるという思いは、子を持つ親なら誰しもが思うことであろう。しかし愛情とは与えるだけではない。時には遠くからただ見守ることも大事なのだ。遅すぎる息子の自立、そうして遅すぎる息子立ち、でもそれに気が付けたことが未来へ一筋の光を放つ。
4.0
事故を起こした息子のために奔走する母。過保護から逃れようともがく、自立できない息子。心震わす感動の結末とは―
ルーマニアに住むセレブリティ、コルネリアの悩みは、30歳を過ぎても自立しない一人息子バルブのこと。社交界の名士が集うコルネリアの誕生パーティにも顔を出さず、会えば悪態をつくばかりのバルブの態度や、彼の恋人でシングルマザーのカルメンへの不満など、コルネリアの愚痴は溜まるばかり。
そんなある日、思いがけない知らせが入る。バルブが交通事故を起こし、子供を死なせてしまったのだ。警察署に急行したコルネリアは、憔悴しきったバルブを目にする。
コルネリアはバルブに不利な証言をさせまいと、取り調べの場を仕切り、陳述書を無理やり変えて担当警官の怒りを買うが、警察上部にコネのある彼女に地元警察は逆らうことが出来ない。
コルネリアは息子を救いたい一心で、あらゆる手段に訴えていくのだが。自分を粗末に扱う半人前の息子なのにいつまでも過保護に接してしまう母と母に感謝せず底抜けに甘えている息子のある交通事故をきっかけに狂っていく顛末をドキュメンタリータッチで描いていて、母が息子を守る一心で息子が書く陳述書に嘘を書かせようとしたり息子の言いなりに甘やかしたり警察に圧力を掛ける度を越えた過保護ぶりを通してセレブの偽善や貧富の差を批判した傑作映画です。
母も息子も真っ直ぐ自分の人生に向き合っていない。
問題に向き合って解決することを学んでこなかった結果を適格に表現した傑作です。

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