Xavier

うつせみのXavierのレビュー・感想・評価

うつせみ(2004年製作の映画)
3.8
主人公が、最後まで一言も言葉を発しない作品ってあっただろうか…
高級な外国ブランドのバイクに乗り、高学歴であるにも関わらず職にも付かず、更に住居も持たない青年・テソク。
テソクは、昼間に家々のドアにチラシを貼り、チラシが剥がされてない家に忍び込み、そこにある物を食べ風呂に入り、寝泊まりする日々を送っている。
ある日、テソクはいつものように入り込んだ大きな邸宅で、1人の時間を送るが
その様子を、その家の住人であるソナがその様子を密かに見つめていた…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
ずっとレビューを上げなければなぁって思っていたキム・キドク作品。
彼の作品は、ほぼ全部観ているが、最初のレビューは何にしようかと考え、1番評価の高かったこの作品に決めました。

キム・キドクーうちの自称韓国通の姉は
彼の事をこう評します。

"この人は頭がおかしい"

自分もそう思います。
この"うつせみ"という作品では、主人公テソクに最後まで、一言もセリフを喋らせず、相手役になるソナも最後に3つぐらいしかセリフがありません。

その間、彼ら以外にはセリフを喋らせているので、その事で話を進めて行きます

初めて観た時は、ビックリでしたね。
そこから、キム・キドク作品を漁るように観たのですが、変わっているというかなんというか…
はっきり言えることは、彼の作品は万人受けする作品ではないって事。
なので、あまり期待はしてはいけません

今回のこの作品も、途中までは夫の暴力により心を閉ざしてしまったソナが、たまたま侵入してきたテソクに惹かれ、つかの間の安らぎの時間を得るって感じで進みますが、後半の展開は…誰も予想だにしない展開が繰り広げられます。

まぁ、だけど彼の作品の中では観やすい方かな。
でも多分、好き嫌いがはっきり分かれるんだろうなぁ。
嵌まる人には嵌まるけど、嵌まらない人は、つまらなく感じるでしょうね
Xavier

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