140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

4.0
”ボンクラと憧れの距離”

この映画をまだレビューしてなかったとは・・・

エリートがゆえに左遷された主人公
田舎の平和な村で
それを引き裂くようにおけるハードコア殺人
村文化に潜む闇と、剥き出しになる希望的な暴力

嗚呼、美しい
嗚呼、馬鹿らしい
嗚呼、愛おしい

コメディでありながら、悪趣味的なグロ描写、そして何より加速していく、ボンクラ魂の”エンターテイメント”が楽しいのである。

サイモン・ペッグ&ニック・フロストの織りなす凸凹かつファニーなバディ感を、余すとこなく肉汁を絞り出すように懸けめぐらすエドガー・ライト監督。前作「ショーン・オブ・ザ・デッド」でも感じた、剥き出しになったボンクラ魂が無双的なアクション性を解き放つ感覚は健在である。さらにゾンビ映画の持つ、内なるMADの解放性が、ある種モンド映画的にホラー要素を含んだ村文化の闇の部分から、婆さんが銃を殺気立ってかまえるようなコミカルでファニーなバイオレンス描写へとデフォルメさせるコメディ手法のもとに呼び覚まされ、それが疎まれエリートの主人公と憧れボンクラのドリーマーがヒーロー性を体現することで、我々見ている側の、愛おしく感じる部分を刺激してくれる、最高級のおもてなしなのです。

ボンクラを愛おしむ”ボ性”と、本当は疎まれてもエリートになりた、エリートでありたい”憧れ”が、交差するバディアクションコメディバイオレンスの決定版。

何か湧き上がる熱い感覚は別に言葉にできなくてもいい!
俺たちスーパーポリスメンなんだから!