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『砂の上のロビンソン』に投稿された感想・評価

Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.0
「砂の上のロビンソン」

冒頭、狭く汚らしい団地のショット。五人家族の木戸家はモデルハウスに住む事になる。家庭用品販売会社に務める平凡なサラリーマン、広告キャンペーン、面接試験のパス、嫌がらせ、猫の死骸、不良息子、受験、蒸発。今、家族の生態を描く…本作は上野瞭原作をすずきじゅんいちがATGで監督した昭和六十四年製作のホームドラマで、未だにソフト化されずVHSのまま埋もっている珍作である。この度、久々に鑑賞したが面白い。伊丹十三作品の常連(マルサの女、ミンボーの女など)の大地康雄が父親に扮し、母親役には浅茅陽子が演じている。ギルド作品でホームドラマと言えば石井監督の「逆噴射家族」 森田芳光の「家族ゲーム」などあるが、本作は演劇とドラマ版もある。家族崩壊を描いた映画で逆噴射と中身が違っていても終着地点は同じである。

さて、物語は家庭用品販売会社に勤める平凡なサラリーマン、木戸周平一家の親子五人に転機が訪れたのは、ー年間、理想的家族のモニターとしてモデルハウスに住んでいただくと、この家と土地を丸ごとプレゼントしますと言う不動産会社のキャンペーン広告を見たときからだった。一生かかっても手に入れることのできない二億円の豪邸に夢中になった一家の主婦、涼子は、家族の尻を叩き必死で理想的家族を演じて見事面接試験にパスする。このチャンスをものにすることができたのである。ところがどっこい、幸せな気分も長くは続かなかった。モデルハウスの広告係を務めなければならない以上、押し掛ける見学者の傲慢な態度や視線にも耐えねばならず、おまけに早速不動産会社からは監視役、津田と言う女性が送り込まれる。

日曜日には彼女のシナリオに沿って衆人環視の中、理想の家族を演じなければならない。しかしそれだけではすまなかった。一家の幸運を妬む世間の嫌がらせが始まったのだ。絶え間ない悪戯電話、周平はデパートの実践販売に飛ばされ、受験を控えた長男は受験ノイローゼ、末娘は見知らぬ少女から猫の死体を押し付けられる。そして非行集団に加わり、夜遊びするようになった次男の投げた石が割った窓から不気味な風が吹き込んできた時、バラバラになってゆく家族の姿に耐え兼ねたように、どこかおかしいんじゃないかと呟いた周平は、翌日に会社へ辞表を出すと失踪してしまう。翌年、モデルハウスを出て働き始めた涼子を中心に、残された家族はアパート暮らしを始めた。そして放浪者狩をする次男は父に再会する…理想的家族のモニター募集に応募し、時価総額のモデルハウスに住むことになった木戸一家。作り笑顔で見学者たちを歓迎する話と別に、それぞれの葛藤を描いた物語である。


本作は冒頭に夏と字幕が入り、明朝の団地付近を自転車に乗った人物が通る。カットは変わり、とある団地の部屋の中へ。目覚まし音が鳴り響き、子供たちが寝返りをし、徐々に家族が起き始める。父親が枕元にある目覚ましを止めて布団から起き上がる。カットは変わり、音楽が流れその父親がジョギングしている場面へ変わる。その足元を捉えると、砂に埋まったフィギアの一軒家が映る。そしてタイトルが現れ物語が始まる。続いて、家族の朝食の団欒が映る。弟がトイレに漫画(ジャンプ)を持って生といき、立てこもっているのにしびれを切らした兄貴が早く出ろよと言う。妹は洗面所で作り笑顔を作っている。カットは変わり、満員電車の中をすし詰め状態で潰されながら出勤する父親が映る。父親は主任である。部下の女性が倉庫のようなところで主任(父)は、昔から私のことをいじめているんです…といきなり泣き始める。そこにエレベーターから降りてきた部下の女性二人に遭遇してしまいてんてこまい。カットは変わり、アパートの部屋を掃除機がけしている母親がベランダ越しに捉えられる。

ふと新聞を読んでいる母親が目にしたモデルハウスの物件一覧に興味を示す。季節は秋に変わる。家族は正装に着替えている。家族は電車に乗って募集者が集う会場へとやってくる。すると三十二番、木戸様と呼ばれる。会議室の様な所で家族と相手側の話し合いが始まる。条件を満たせばそのモデルハウスに住めると言う事について、父親があなたにとって理想の家族とは何ですかと聞かれる。しかしうまく家族について話せない父親を見かねて、妻が間に割って入ってパフォーマンスをする。目の前で旦那の頬に真っ赤な口紅をつけて接吻したりする。それに驚くモデルハウス側の人たち。カットは変わり、昼飯を食べている家族の描写、自宅に帰宅した夜の描写へと変わる。夫婦は押し入れの中にあるブラウン管テレビを片耳ずつイヤホンしながら香港映画を見て晩酌をしている。夫は今日のキスには参ったなと照れながら言い、妻は作戦ですよ作戦と笑う。二人は押し入れの中で良い雰囲気になり愛し合おうとした瞬間に、娘の葉子がトイレ…と起きてしまう。

続いて、見事に合格した一報が届き、妻は喜びながら会社にいる夫に連絡する。そしてモデルハウスに住むための契約書にサインをしに行く。家族は家の目の前で記念写真を撮る。そして一家四人はそれぞれに喜びを噛み締め、幸せな家庭を新たに築こうとするのだが…と簡単に説明するとこんな感じで、家族の絆、人間の自由などを明るく軽妙に描いたパワフルホームドラマである。とにかくー年間我慢すればこの家は私たちのものになるのよ…と言う言葉が象徴するように、この物語は我慢の積み重ねで家族が崩壊していく奇想天外滑稽な悲喜劇映画である。

いゃ〜、これもさっさとソフト貸して欲しい映画のーつである。俺がもし監督でアートシアターギルドの作品のリメイクを何かするって言う企画を作ったとしたら、逆噴射家族、家族ゲーム、砂の上のロビンソンを混ぜた異色のホームドラマを作ってみたい(笑)。本作は、新聞に載ってしまった幸福な家族をねたむ者が現れ、特に子供たちの世界(学校)では、嫌がらせ、いじめなどが横行し始める。無論、夫の会社でも課長等に嫌がらせをされたり、嘘の噂をからかわれたりもする。妻に対しては、とある女性の声で電話がかかってきてモデルハウスを手に入れるため社長と寝ただろうこの売女めと罵られる始末である。森本レオ、石橋蓮司、長門 裕之などATG作によく出演している役者が脇を固めている分、個人的には嬉しい。それと一瞬だが山口百恵のプレイバックが流れる。

この映画見るとモデルハウスに住みたいとは思わないね。これが自分のものになるならと言う気持ちに動かされる気持ちもわからなくはないか、他人がノコノコと上がり込んで、何時間も居座ったりこき使われたりするのは耐えられない。そもそも誰かが同じ空間にいるだけでゲンナリする私にとってはかなりありえない話である。所で、本作はなかなか定評が目につくが、確かにものすごい面白い映画でもなければ、誰かに勧めたくなるような映画でもない。ところがクライマックス息子と〇〇になった父親の再会のショットが美しすぎて印象に残る。なんだかんだ見終わった後にほっこりするような作品である。この作品てよくよく考えると問題意識を丁寧に説明していないことに気づかされる。何が問題で私たちが何を追求しているかと言う面影がほとんどないまま帰結へと向かうのである。ただ単に家族の生態を淡々と描いたような異色のホームドラマである。それはフランソワ・オゾン監督の「ホームドラマ」に近い異様な画がある。

ロマンポルノを何本か撮ったり、青春群像の情念のうねりを心理描写していた"すずき"監督のモデルハウス内ではなく逆に外の登場人物によって具体的な感情をあぶり出す方法がうまくなされていて、アートシアターギルドの最後になってしまった、作品としてはこの家族の結末と重なってしまったのは私だけだろうか…少しばかり残念で悲しいのである。少なからずとも、秀作とまでいかないものの、自分らしい生き方とは何かを問われる気分になり、この主題が脈々と流れ込んでいるような住宅問題、教育問題、はたまた原発問題など自分らしい生き方とは何かにこだわっているような監督の人生が反映されてるかのように感じた。

ただ、実は砂の上のロビンソンの後に新藤兼人監督の濹東綺譚でATGは終わっている。
tak

takの感想・評価

3.3
不動産会社のモニターとして、モデルハウスに1年間住めば、モデル住宅と土地はあなたのものに!。そんな不動産会社の募集に応じて、理想的な家族として選ばれた木戸さん一家。モデルハウスを訪れる客の視線に晒され続けることに耐えればいいだけだと思っていた。しかし周囲からの嫌がらせは止まらず、視線に耐えるストレスで、家族は次第にバラバラになっていく。

理想的家族を演じ続けていく木戸一家。それは、社会が"安定している"と認める家族という「形」を守ろうとすることでもある。崩れていく様子はおかしくも哀しい。だが、これを観る僕らも、いや誰もが、その「形」を守ろうとして無理をしたり、我慢を重ねてバランスを保とうとしているのが現代ニッポン。この映画、今の年齢で観ると身につまされる場面が多いかも。

小沢昭一や長門裕之ら助演陣も素晴らしい。住宅業界が登場する映画ってなかなか珍しいと思うのだが。公開された1989年は消費税導入の年。住宅取得の一つのハードルと世間では見られていただろう。そんな時代に、住むだけでマイホーム!?というこの映画のテーマは、タイムリーな題材だったとも言える。

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