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砂漠の鬼将軍のbackpackerのレビュー・感想・評価

砂漠の鬼将軍(1951年製作の映画)
4.0
戦争映画月間。今回はロンメル元帥を描いた『砂漠の鬼将軍』です。
いきなり苦言を呈しますが、邦題が良くない。何故に鬼将軍??
砂漠の狐の方が、ロンメル本人をよく表している気がするんですが……。

国民的英雄ロンメル元帥の謎に満ちた死を、戦後元イギリス軍士官だった男が調べあげ、ロンメルの晩年を語ります。


私の周りには、ナチスドイツとドイツ軍を同様にとらえる方が多かったのですが、これらは全くの別物だと、私は思っています。

ナチスはあくまでヒトラー率いる政治結社と、彼らの操る軍事組織。
一方ドイツ軍という組織は、ドイツという国の為に戦うプロフェッショナル達。
勿論ナチの思想に共感する軍人もいれば、愛する祖国ドイツの為に戦う軍人もいるわけです。
ヒトラーに賛同するもので固められたナチスと、時の政権に率いられる軍部。
やはり、別物じゃないでしょうか?

そんなナチスと軍部の関係性ですが、ロンメル個人に関しては、熱狂的ヒトラー陶酔者だったようです。
しかし、そんな彼も戦争の現実には抗えず。
物量差により苦戦を強いられ、無類の戦術家でも覆せない戦況に置かれながら、与えられる指示は「死守せよ。1ミリも退くな」ばかり。
世界的英雄ロンメルたれども、占星術戦争なんてやってられません。

その後、病気や負傷で国に戻る度に、徐々に反ヒトラー派の考えに耳を傾けるようになっていくロンメル。
ワルキューレ作戦の失敗や、それまでのヒトラーへの忠言が影響し、遂に彼は反ロンメル派によって失脚へと導かれていく……。


最後まで誇り高く、家族を想い続け、別れの時まで気遣いを忘れない。
ロンメルの英雄性と深い情が強く描かれた映画でした。