horahuki

回転のhorahukiのレビュー・感想・評価

回転(1961年製作の映画)
4.7
今日でfilmarks始めて1年経ちました!
皆さんいつも本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いします(*^^*)

メモリアル?に選んだのはこの作品。
ジャック・クレイトン『回転』です。
ずっと前からめっちゃ見たかった作品なんですけど、DVDはプレミア価格で1万以上…。発掘良品でレンタルさせてくれるTSUTAYAさんさすがです!

というわけで、あらすじ…

とあるお金持ちの屋敷で、住み込みで男女2人の子供達の家庭教師として働くことになった主人公。主人は仕事で忙しく、子供嫌いで別なところで暮らしている。2人の面倒を見ていくうちに、家政婦らから不穏な話を耳にする。前任の女性家庭教師は自殺しており、以前働いていた男性従者(こちらも死亡)とやりまくってたらしい。そして、それを幼い子供達が見ていたという。そのせいで主人公は変な考えに囚われ、それと同時に、死んだはずの彼らが見え始め…という話。

大傑作でした!!
とにかく素晴らしいのは怪異描写。幽霊を見るのは主人公だけなんですけど、それが実際に存在するのか、それとも主人公が精神を病んだ結果なのかは最後まで見てもわかりません。そして、その見せ方がとにかく不気味。幽霊は目立った動きを見せず、ただそこにいるだけ。例えば、ただ湖の向こう側に立ってこっちを見ていたり、廊下をただ横切ったり、窓の向こう側からただ覗いていたり。敵意があるのかないのかわからない、ただそこに存在する霊というのが何とも怖い。シーンの1つ1つが凄すぎてため息しか出ません。

原作のヘンリージェイムズ『ねじの回転』は10年くらい前に読んだきりですが、主人公の性的欲求不満に根ざした精神的倒錯という、原作で有力な解釈もしっかり取り入れていて、より怪しさが増しています。

お金持ちの主人を男性として意識し、主人に気に入られるために子供達の面倒を見る。そして、子育てをしているうちに、無邪気さの中に性的な不純さを子供たちに見出していく主人公。自己の欲求不満と合わさり、美しすぎる男児の魅力にも気づかぬうちに惹かれ、倒錯していく様を描いた作品……だと思います(笑)

オカルトホラーとしてもサイコホラーとしても傑作な上に、Jホラーの恐怖演出の源流の1つと言われてる作品。1万出しても買う価値あると思うんですけど、なかなか手が出ない…早くBlu-ray化してください!お願いします!
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