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何かいいことないか子猫チャンのHKのレビュー・感想・評価

3.8
昔、深夜のTVで観て断片的な記憶しかなかったのをやっと通して観ました。
バート・バカラック作曲、トム・ジョーンズが歌う主題歌も大好きです。
超イケメンプレイボーイのピーター・オトゥールがモテすぎるという悩みを抱えて精神分析医のピーター・セラーズのもとを訪れますが・・・

オトゥール(当時33歳)は『アラビアのロレンス』の3年後ですが、ウォーレン・ビーティが降りたため回ってきた役とか。
オトゥールを取り巻く美女たちは、まず若く明るく陽気なロミー・シュナイダー(当時27歳)にポーラ・プレンティス(当時26歳)やいきなり空から現れるアーシュラ・アンドレス(当時29歳)、キャプシーヌ(当時37歳)は2年前の『ピンクの豹』ではクルーゾー警部ことセラーズの妻を演じてました。

で、モテない担当はセラーズ(当時40歳)とウッディ・アレン(当時30歳)ですが、この2ショットはもはや伝説級と言ってもいいのではないでしょうか。

夜の埠頭でセラーズが自殺しようとしていると、正装したアレンが1人で現れテーブルを出して食事し始めます。セラーズが何をしているのか聞くと、毎年、誕生日にはここで食事をすると決めているとアレンが答え、そこからの一連のシーンが笑えます。

ちなみに本作はアレンの初脚本作であり初出演作。
アレン初期のハチャメチャのギャグストーリーと独特の動きが楽しめます。(脚本をだいぶイジラレタとアレンは不服だそうですが)

今回あらためて確認できたのは本作の2年後に製作されたパロディ大作『007カジノ・ロワイヤル』との共通点。
スタッフはプロデューサーや音楽(バカラック)が同じ。
キャストもセラーズ、アレン、アンドレス、オトゥールが被ってます。
ただし、セラーズとアレンは撮影時期が違うため同一画面での共演はナシ(だから本作のツーショットが貴重)、オトゥールの出演はワンカットのみ。

本作の序盤でノン・クレジットのリチャード・バートンがオトゥールに「どこかでお会いしましたっけ?」というシーンがありますが、『カジノ~』ではオトゥールがセラーズに「あんたリチャード・バートン?」と聞くと、セラーズが「いいえ、ピーター・オトゥールです」と答えるシーンがあります。

そしてラスト、お約束のドタバタシッチャカメッチャカ展開も似ています。
バカバカしくて私は大好きですが、まあ受け付けない人も多いでしょうね。
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