ジョンフォードが「男の敵」に続いて自身のルーツ・アイルランドを舞台とした作品。

バーバラスタンウィックの熱演と、ウナオコナーのささやかなユーモアが残る。

勝ち目のない戦いに愛する人を奪われる。
そんな感覚、平和ボケな自分は理解できるはずもないが、十分伝わる。
途方もなく絶望するヒロイン。
彼女を通じて国のためと美化する戦争を痛烈に批判しているかのよう。

本作は女性目線。
戦いは前線だけではない。

また混乱する街。
秩序の崩壊。
恐ろしい。

クライマックスは少しサスペンス風味も。


アイルランド、ではなくアイルランドの人々を敬愛するフォード監督の想いなのか。
たかが映画、、、を超えたところに趣のある作品に感じた。

1916年、ダブリンでの武装蜂起。
数日間で鎮圧され処刑されるが、後のアイルランド独立戦争に繋がる戦い。
バーバラ・スタンウィック演じる、市民軍に参加した夫を待つ妻の心境が中心。
悲しみに暮れる彼女を見て、結婚なんかしないという隣人の少女が切ない。
1時間余りの短さに加え、知識がないため細部がよく分からなかった。

重厚な作品。
感銘を受ける。